第25話 vs空創竜
ここは龍治院1階、藍色の髪に金髪が混ざった少年ソウとその竜技の師、
「
ジルは雷で生成された刃を構ウラノスに迫る。
ウラノスは、自分の背後に自身を包むほどの空間の輪を発生させ後ろに退き消えた。
当たるはずだったジルの
ソウは感づいた。
「ジルさん! これって! 」
「あぁ、ピアを引きずり込んだやつと同じ"力"だと思うぞ! 」
ソウは後ろから声が聞こえた。
「まずは、
ソウは背筋がぞっとした。
すぐに腕を掴まえられた、群青色の鱗が生えた腕に引きずり込まれる……
(やばい! 雷h……)
しかし雷によって生成された
「う、撃てない!」
空間の輪の奥にソウの足が沈み込む寸前だった。
ソウの頰を雷の刃が掠め、ソウを引きずり込む群青色の腕に剣先が刺さる。
途端に空間の輪は無くなり始めた。
ソウは空間の外に弾きだされる。
「た、助かったよ、ジルさん! 」
尻もちをついたソウはジルを見上げ安堵した。
「あぁ! しかし、卑怯な手を使う奴だ 」
少し離れた所で空間の輪が開きウラノスが現れた。
「さすが、2人もいるときついな……良いチームワークじゃないか、私の腕に傷がついたよ 」
ソウは言った。
「ついでに、心に傷でもついて諦めてさぁ、ここから出してもらえるとありがたいんだけどなぁ?」
「ほう……それは挑発かね? 乗ると思うかね? この
「クウソウって何? 想像力が豊かな竜ってことかな? 」
「おい、ソウ、そこまでにしとけよ……」
「空間操作系の竜技の持ち主という、意味だよ、まぁ、想像豊かっていう事も
突如ウラノスの身体に力が篭もり始めたかの様に紫光を発する。
「
ウラノスは右手に六芒星の光を発生させ、左手に夜空の青が広がる空間の輪を発生させ、両手を合わせた。
「
途端にソウとジルの視界には淡いモノクロの風景が広がった、周りの色は全てモノクロの色として見えている。
「なんだ、これは!?」
「ふふふ、初めてだろう、こんな"場所"は....」
いきなり後ろから声が聞こえた。
ジルは声の場所に瞬間的に反応し、怒雷武を振り払う。
しかし、空を斬る.......
「ちっ……当たらねえ! 」
「なっ! 早すぎる! さっきよりも遥かに......」
ソウは全く気配を感じなかった。
少し離れた所に一瞬にしてウラノスが現れた。
「どうだ? 私はこの"この場所"を"瞬間移動"出来る空間に"創り替えた"」
「それにしても......その黄色い龍は私の瞬間移動に反応したな、危険だ……邪魔になりうる存在......始末しなければ 」
そういってウラノスは突如として消えた。
「やばい、消えた! どこから来る? 」
右か、左か、前か、上か、下か、それとも後ろか。
「おいソウ!俺の後ろはお前が見ろ、お前の後ろは俺が見る!」
「分かりました!」
2人は背中合わせになり
突如、
(は、早い!)
しかし、ジルの雷の刃がその速さを上回った。ウラノスの指は斬り飛ばされる。
ウラノスは瞬間移動で後ろに移動した。少し屈み込んだ。
「なぜだ? なぜ位置が......」
ジルは言った。
「そりゃ、お前、反応出来る俺の方向に現れるはずがないよな、ソウを襲って来ることは分かっていたぞ、俺はお前が現れる気配を待ってたんだよ、まぁ、幸い音がしたから場所が分かりやすかったがな 」
ソウとジルのモノクロ色の視界が解けて色のある視界に戻っていった。
「どうやら、瞬間移動は出来なくなったみたいだね、今度こそ当てるから、僕の
ソウは雷の猟銃を構えウラノスを狙う。
「......忘れたのか、君の攻撃は私に当たらなかったのを」
「うん、忘れてないよ、しっかり狙ったよ いくつか 」
「......何だって?」
雷鳴がいくつか鳴り響いた、天井へと。
雷鳴は2Fの床となっている天井を砕き瓦礫がウラノスとその周りにかなりの範囲で落ちようとしていた。
「
ウラノスはそれを避けようと空間の輪に逃げこみ、別の空間に出た。
その瞬間をジルは逃さなかった。
「
雷の斬撃は少し高い空中で現れたウラノスを捉えそのまま地面に叩きつけた!その衝撃は地面を激しく揺らし亀裂を刻む。
ウラノスは叩きつけられそのまま動かなくなった。
「とどめだ!」
ジルはウラノスにむかって急降下し更なる斬撃の追撃をウラノスに繰り出す。
***
茶髪に赤毛の混ざった少女、リィラは雷鳴のような音が聞こえた。
「!? ……今、下の方から雷の音が聞こえなかった?」
龍治院5Fでリィラと青い髪の毛の女性の治療士ロウラは青い髪の毛に緑色の髪の毛が混ざった少女セレンとその
「えぇ聞こえたわ」とロウラ
「もしかして他にも龍が来てるの?」とセレン
「3Fではなさそうだな 」とエンジュが言った。
「とにかく、早くラヴァとログと合流しなくちゃ!」
紫色の竜シオンが
「
エンジュは水で生成した渦の盾でその音弓の攻撃を防ぐ。
「
紫色の音弓が空中に現れた赤い弦を弾き不気味な音色を響かせる。
エンジュの渦の盾は弱まっていた。
「エンジュ!伏せて! 」セレンが言った。
「
セレンは空中に50cm程の水の刃を3本生成し紫色の竜めがけて発射する。
それを後ろに跳び紫色の竜は避けた。
「こいつは
「リィラ! ここは私とセレンに任せておけ。」
エンジュはリィラにそう言った。
「えぇっ!?でも.....」
セレンが真剣な表情で言った。
「大丈夫だよ! エンジュは強いし! それに私もついてますし!」
「分かった!、ログとラヴァに追いついてすぐ戻って来る!」
「リィラ!先を急ぎましょう」と治療士ロウラが言った。
2人は下の階へ降りる。
紫色の龍がエンジュとセレンを睨みつける。
「貴方達、邪魔をしないで! 関係ないでしょ!」
「関係あるわよ!リィラは私の友達なのよ! 会ったばかりだけどね!」
「そう、じゃ、倒させてもらうわ!」
セレンの前に水の刃、
「貴様にセレンは傷付けさせない!」
「あなたはすでに、私の"毒"にかかった、勝ち目はないわよ」
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