第18話彩乃の気持ち

順調に一日の授業が終わり俺は帰り道に着いた好きなシリーズの本が今日発売日なので電車に乗る前に駅のすぐ近くにある本屋に寄った。(裏ではなんかいろいろ起こっているが渉はそのことは知らない)

今日は朱里は午前仕事で午後来るという話を聞いていたが結局今日は会えなかった。

今日発売なこともあり特に売り切れたりもしてなくすごいみやすい位置に置いてあったからすぐ見つけることができた。無事買うことができ帰ろうと俺は駅のホームに向かった。ちょうど電車がさっき出たばかりらしくホームにはほとんど誰もいなかった次の電車は約10分後だ少し待っているとあっという間に10分が経ち電車がやってきて乗り込んだそのときギリギリで誰かが電車に飛び込んできたのだ

誰だ?と思ったが顔を見てすぐわかった彩乃だしかも泣いている俺は近づいて声をかけることにした


「よ、どうした?」

「!?なんだ渉か」

「で泣いてるけどなんかあった?」

「.....」

「まあ無理に言わなくてもいいよ」


今日の彩乃はなにか変だいつもの彩乃じゃない俺はまた何かつらいことでもあったのかと思った


「渉は優しいねほんと昔から変わってない」

「そうか?かなり変わったと思うけど」

「その優しいところだよほんといつも助けられてばっかりだったよ」

「そうかなぁ?」


ここで駅に着いたから俺たちは電車を降りたそして電車は行ってしまった駅のホームには誰もいない


「夕日綺麗だね」

「そうだなあ今日天気良かったもんな」

「渉が昔と変わって無くて良かった優しいとことか」

「なんかさっきから同じことしか言ってない気がするけど」

「しょうがないでしょなんも頭に浮かんでこないんだから」

「なんかあったのか?なんでも話してみろよ」

「まあいろいろあったかな」

「いろいろってなんだよ」

「渉は覚えてる?中学1年の時私が引っ越すとき」

「ああ覚えてるよ」


俺は当時彩乃のことが好きだっただが今の友達としての関係が壊れるのが怖くてどうしても告白ということは出来なかった彩乃が引っ越しのときの前日俺はそのとき気持ちを伝えようとしたが結局出来なかった。それからもう二度と会えないと思いその気持ちを封印していつしかそのことについても忘れかけていた


「あのとき渉はなに言おうとしてたの?結局じゃあねとしか言ってくれなかったけど」

「あのとき俺はあのとき....なんか別れの言葉をね」

「違うでしょ!!私渉の言おうとしてたことだいたいわかったよあのとき」

「彩乃...」

「私もあのとき引き留めて言えばよかったあのとき言ってれば今少しは違っていたかもしれない...」

「えっ...」


そのときの彩乃は涙を流していたが夕日に照らされかなり可愛く見えた


「私ねあなたのことが好き昔からずっと」


「彩乃...俺は...あのとき...」

「もうそれ以上言わないで!私はわかってるから!これ以上言われると私が悲しくなっちゃうから」

「彩乃!」


呼んだが彩乃は行ってしまった


行ってしまったあとに気づいた、俺は気づいたら目から涙が溢れていた


「あのときどうすればよかったんだよ....」


ホームには電車が入ってきて人が降りた静かだったホームも一層騒がしくなった


「帰ろうかな」


俺はほんといろいろなことを思いながら帰ろうと振り返った


「朱里...」


「渉....」


そこには涙を流しながら朱里が立っていた

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