5 理由
「こんにちは,2人とも。」
今日は看守がやってきた。
いつも新聞だけを持ってこの地下室にやってくる。
「なあ,看守。なんでここに来ることになったんだ?」
ここにくる看守はいつも戦場には行けないような年齢のやつだった。
でもこの看守はまだまだ第一線で戦ってもおかしくない程に若く見える。
「そういや,名前教えてなかったね。僕の名前はスペクトだ。スペクトと呼んでくれ。」
新聞に目を落としたまま答える。
「何故ここに来るのか?だっけ。上からの命令だよ。」
「看守,いやスペクトはまだ戦場にいてもおかしくない年だろ?なんでここに来るんだ?」
その言葉に,彼は目線を上げる。
「よく実年齢より上に見られるのに,よく分かったね。そうさ,何もなければ戦場にいた。」
目が合った。
「ここにいると,暇だよね。何もすることがない。せっかくだから話をしよう。」
「僕の過去の話だ。」
そう言って彼は微笑んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます