第6話 アルファヘリックス構造
跪いた野次馬たちと女帝、典型的な古典的な統治者と人民である
そして女帝が檄を飛ばした。
「神聖なるアイトリア正教を信ずる諸君、アスティミア様を苦しめた愚かものを知る者は今すぐ前に出なさい」
とても強い口調で募っていた。
「居ないのですか?」
すると商人らしき風貌の大男が前に出て跪いた。
「よろしい、知っている事を申しなさい」
先程とは一変、優しい口調で語りかけていた。
「イリオネス様が、、、」
声が徐々にかすれて小さくなって蹲ってしまった。
その様子を見かねたアスティミアは介抱するように真横にしゃがむと大男の両肩に手を当てた。
「言わなくてもいいの、あなたの命の方が大事だから」
大男は涙目でアスティミアを見上げた。
「イリオネス公爵です、あのお方の命により私どもはアスティミア様を侮辱しました、私程度の命で償えるとは思いません、私の首をこの場で斬り落としてください」
四つん這いで首を差し出すと女帝は剣を構え、振り下ろした。
剣を抜く金属音がしてアスティミアは叫んだ。
「もうやめて!」
一瞬で寸止めとなり、首は繋がった
「神縁者アスティミア様、私にはこの先は生きる資格はありません、どうかこの場で!」
殺せと暴れる男に現場が混乱に陥った。
「アスティミア様の寛大な御心によりこの男の処罰は保留とします、明日正午、国民の皆様は城へお集まり下さい」
野次馬たちは騒ついた。
「一体何が、、、」
頭の上に?がたくさん出ていた。
と、そこへ男が怒鳴り声を上げて乗り込んで来た。
「えぇい、無礼者!」
送れて小太りの貴族風の男が歩いてきた。
「何奴?」
女帝に対して無礼な発言をすると最初に怒鳴り込んできた男は跪いた。
「イリオネス様、こちらは陛下です」
国の当主すら知らない間抜けな貴族の小太りの男は顔面を地面に擦り付けた。
アスティミアから離れて男の前に立って言いたいことを言った。
「その程度の謝罪で赦されると思っているのなら間違いです」
そして女帝も割り込んできた。
「貴様のように他人を思いやる心の無いものには我の心にも慈悲など存在せず」
女帝の厳しい声に小太りの男は激しく地面に擦り付け、額から出血してしまった。
「神託の巫女を侮辱した行為、これは貴様の命の価値では償えない、神聖アイトリア正教の侮辱罪により貴様を明日正午に処刑する」
女帝は激怒していた。
小太りの男は処刑という言葉に喉をつまらせて震え始めた。
「この者を引っ立てい」
拘束されたが腰が抜けているのか、崩れ落ちて全く動かない。
人が増え丸太に縛られ担がれると小太りの男は失禁した。
「いいの、処刑なんて見たくないの」
アスティミアの言葉に男は投げ捨てられた。
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