第5話 神託の巫女
ベッドにうつ伏せで倒れてしまった。
「あなたもアスティミア様に?」
「はい」
質問され、ここに来てからの全てを曝け出した。
それから男たちは昼食の準備を始めた。
昼頃になってアスティミアは目を覚ました。
「ごめんなさい、私のせいで、、、」
また呟き始めた。
「またそれですか?自分だけを責めないでください」
ただそれだけを言うとアスティミアはベッドから起き上がった。
「そうですね、悪いのは、、、」
いいかけたところでこの部屋の主が割り込んだ。
「悪いのは、このご時世です、今はできなくてもアスティミア様のされた事は報われます、俺たちは必ずアスティミアを助けます、誰が何と言おうと絶対に側にいます」
力強い口調で喋っている、見た目の印象とは明らかに違う。
するとアスティミアは腕を広げて呼んだ。
「仲良しの証ね」
暖かい綺麗な腕を精一杯伸ばして男たち3人を抱きしめ皆で助け合っていくと誓った。
すると、、、
「アスティミア様おられるか!」
威厳のある女性の声と共に壁をドンドンドンと3回たたかれた。
部屋の主が入り口のカーテンを開けると、装身具を纏った背の高いブロンドの女性が立っていた。
すると男たちは慌てて片膝を立てて跪いた、それに合わせて遅れるように跪いた。
「構いません、お立ちください」
恐る恐るゆっくりと上を見ながら立ち上がった。
「我は神聖アスラティス大帝国 第56代女帝 アティスミス」
威厳よく名乗るとすぐに月桂冠と髪飾りを取った。
「この度は私の誓教不行届により、我が国教、神聖アイトリア正教の神縁者アスティミア様に、、、」
一気に威厳が無くなりアスティミアの前で右膝を立てて跪いた。そして徐々に女帝の声が震えていった。
「エルフは人を恨んだりしません」
さらに左膝をついて完全に跪いた。
「やめて!」
アスティミアは無理矢理起こそうと上に引き上げたが、全く動かない、完全に沈黙した。
「女帝たる我の名誉に変えてでも立ち上がるわけにはいきません、元老院が、法皇がなんと言おうとも、、、」
完全に抱え込んでしまってガクガクと震えていた。
「私はあの男の人がやった事は許しています、仕返しなど考えてもいません、どうか落ち着いてください」
アスティミアはそっと女帝の肩を触った。
「貴方は誠に慈悲深い」
すると女帝は小さな声で呟いた
「エルフだもの」
アティスミスの囁く声に女帝は静かに涙を流した。
その光景に町中の人々が集まってきた。
「女帝らしく振る舞ってください、この先の事は女帝である貴方が決める事です」
女帝は檄を飛ばされて2、3秒目を閉じた。
「その神命、このアティスミスが賜りました」
そして女帝が立ち上がって後ろを振りるとそこにいた野次馬たちは一斉に跪いた。
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