第4話 僅かな食料
町に行くだけで煙たがれるエルフは膝を抱えて静かに泣いていた、すると男達3人はアスティミアの隣に座った。
「俺たちの事は気にしないてください」
意外にも1番厳つい男が最初に口を開いた。
「アスティミア様の為なら何でも喜んでやります」
するとアスティミアはゆっくりと顔を上げてこちらを見て小さな声で喋った。
「私がエルフだから、、、」
自分を責め始めた。
人を助けても報われない、それどころか容赦なく蔑み虐められる。
精神的なショックは大きいだろう、でもそれでも人を助ける。
「女帝に直接、、、」
直談判をする気だろが、分が悪い、誘拐犯扱いでもされれば極刑にされるかもしれない。
そして誓った。
「俺を拾ってくれた優しいエルフ、無力でもいい、必ず役に立ってみせる」
しばらくして男たち3人は話をしてキトンの厳つい1人がどこかに行った。
すると残りの2人は袋を差し出し、マサオミの耳元で囁くように言った。
「アスティミア様にお渡しください」
中を見るとガラス瓶に僅かに入った琥珀色の液体、乾燥したトウモロコシ、歪な形の芋と3本の人参だった。
「少なくて申し訳ない、でも今はこれだけしか準備できません、沢山準備できるようになるまではお待ちください」
するとアスティミアはまた顔を上げた。
「こんなにたくさんいいの?」
申し訳無さそうに聞いている。
「少ないですが、いつものお礼です、アスティミア様がいなければ凍え死んでいたか、餓死していたでしょう」
一方、キトンの男は城の入り口に居た。
守衛に説明するも、当然のように門前払いをされた。
立ち尽くす男、そこへ偶然にも女帝が警護を引き連れてやってきた。
すると、空かさず行列の前に出て膝をついた。
「このプラトロスの話をお聞きいただけないでしょうか」
瞬く間に警護隊に取り押されて女帝の前に出された。
「いいでしょう、申しなさい」
プラトロスは事の顛末を全て話した。
「私にもエルフの血が流れております、その上、慈善活動をするものを蔑む行為は言語同断、このアティスミス、必ずお約束します」
女帝のアティスミスはハーフエルフを暴露した。
その頃、マサオミたちはローブの男の家に居た。
集合住宅のような雑多な敷地にはたくさんの人々が住んでいた。
その一角の小さな部屋がローブの男の家だった。
見るからに普通の庶民だろう、あのボロ小屋との明らかな違いはベットが存在しているだけで他は変わらない。そして他には誰も居ない、独身だろう。
アスティミアは部屋に入ってすぐにベットの上に倒れた。
やはり相当に疲れている様子だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます