ルートC

キャラ名変更があります。注意してください。

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カナ

「私が初めていた森の中へ行ってみる!」


少年

(わかった…カナ、お願いお姉ちゃんを助けてあげて…」


カナ

「わかった!」


語り

カナは意識が暗転し気がつくと森の中に立っていた。

辺り一面は深い霧で包まれており

今の場所から離れると戻れそうにない。


カナ

「といっても何を調べればいいのか…」


語り

カナがそう思うとここに来る前の記憶が突如として蘇る。

それはカナの現実での人生の走馬灯のように流れたトラウマであった。


カナ

「そうだ…わたしは虐められていた。

ずっと人が苦手で、態度に出していたら学校のクラスのリーダーに目をつけられて

それで…本を読むことで逃げてたんだ…

それで図書館で読んでいたら…ここに来たんだ」


語り

カナは本を読み、その世界にいたらどうやって生きるのかという妄想をし

現実逃避をしていたのだ。


カナ

「そうだった…私はシオンと同じだった」


語り

カナは座り込んだ。頭を抱えて涙をこぼした。


カナ

「そうだ…そんな時にこの本を読んだんだ

この作者の本はすごく売れているわけじゃなかった

だけれど自分の考えをずっと貫いている人だった

だから惹かれたんだった。共感していたんだ…」


語り

そしてカナがうずくまっていると現実が逃げるなと追い詰めるように

目の前が移り変わる。そこは魔女の家の前であった。

しかし今までと異なり辺り一面は焼け野原となり草木や花々は燃え尽きていた。

カナが近づくとその家の残骸前には魔女が倒れていた。


カナ

「魔女さん!!」


魔女

「…!貴女は…?」


カナ

「わたしは…カナっていいます。そんなことより…大丈夫ですか?」


魔女

「えぇ一応は…。それより貴女は逃げなさい

あいつに気づかれる前に…」


カナ

「私もあいつを倒すために協力させてください!」


魔女

「なぜ…?貴女はいったい…?

…貴女はもしかしてずっと…?」


カナ

「魔女さんじゃあの男を倒せないんですか?」


魔女

「わからない…本気を出せば倒せるかもしれないけれど

世界をも壊してしまうかもしれない…それをシオンは望まないはず」


男性

「でもそれじゃ俺は倒せないよ?」


語り

男性が突然カナたちの目の前に現れる。


魔女

「お前だけは…許さない!」


男性

「俺の事をお前お前って呼ばないでくれないか?

俺の名前はノア

そこの君は気づいてるだろうけどこの本の作者だ」


カナ

「本の作者…!!」


ノア

「そう。本当にこの展開は何度も見てさぁ。在り来たりでつまらないんだよね。

だからさ…終わりにしようって思ってさ」


魔女

「どうしてシオンを!!」


ノア

「御託はいい。言い訳も理由も特にない。決着描写に移ろうか。

長い文章を書くのはうんざりだ。それこそ意味ないからね!」


語り

ノアが魔法を唱える。魔女も魔法を唱えて放つ。

お互いの魔法がぶつかり合う。しかしノアの魔法の方がやはり強力であった。

魔女の魔法は打ち消され魔法を受けてしまう。


魔女

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!ああああああああああああっ!!」


語り

魔女はそのまま気を失う。ノアは魔女に近づき何かを唱えた。


ノア

「結局どれだけ考察をしようと結末は変わらないんだよ…

意味を見出さないあいつらがどんだけ知恵を絞ろうとね」


カナ

「貴方は読んでもらいたかったの?この作品を」


ノア

「あぁ…そうさ。この物語の完結は極めて普通のバッドエンド。

結局誰かを、他人を愛しても他者にそれを破られて苦しむ

人間には愛も情もないんだよ…

結末は変わらないんだよ…」


語り

ノアは最後に何かの魔法を魔女に放つ。すると魔女の身体に何か文字が浮き出る。


ノア

「そうさ、結末なんて…」


語り

その言葉を最後にカナの意識が暗くなる。

目を開けると図書館で本を手に持ち寝ていたようだ。

本のタイトルは「失われし愛と奪われた情の魔女」

作者はノアという人物であった。

この作者の作品はものすごく共感するところがあった。

本を借りて家で読むために貸し出しの受付を終えて外に出る。

太陽がカナを照り付ける。

憂鬱な気持ちになりながら歩くカナの足元には

誰に踏まれたのか潰れた状態でシオンの花が咲いていた。


ルートC BadEnd

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