ルートB
キャラ名変更があります。注意してください。
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カナ
「あいつの出てきた店に行って正体を突き止めてみる!」
少年
(わかった…カナ、お願いお姉ちゃんを助けてあげて…」
カナ
「わかった!」
語り
カナの意識が暗転し、再び目が覚めると街の中にいた。辺り一面は業火に包まれており、周りに人の姿はなかった。
運が良い事に店は崩れてはいるが火は移っていないようだ。
カナ
「とはいっても何を調べればいいのか…」
語り
カナが店の残骸を調べるとそこには見覚えのある本があった。
カナ
「これは…!私がここに来る前に読んでいた本…?」
語り
本を開くと一ページ目に作者の顔と名前が書いてあった。
その顔はあの憎たらしい男性と同じであった。
カナ
「もしかして…あいつが作者だったの…?」
語り
本をめくって最期を読むと魔女の素性について書かれていた。
魔女は森の中にいる魔獣を結界を貼って街に行かせないようにしていた。
しかし人々はその力を恐れて魔女を殺そうとしてしまい少年を殺してしまう。
少年を殺され怒り狂った魔女は世界を滅ぼすといった内容であった。
カナ
「こんなの…絵に描いたようなバッドエンドじゃない…
どうすれば魔女さんを助けられるの…?」
語り
本を読むと魔女が真の力を解放すればとても強い力を出せることがわかった。
カナ
「魔女さんが本気を出せれば…あいつを倒せるかも…」
語り
そしてカナが決意を決めると同時に目の前には魔女の家があった。
しかし今までと異なり辺り一面は焼け野原となり草木や花々は燃え尽きていた。
カナが近づくとその家の残骸前には魔女が倒れていた。
カナ
「魔女さん!!」
魔女
「…!貴女は…?」
カナ
「わたしはカナっていいます。そんなことより…大丈夫ですか?」
魔女
「えぇ…一応は…。それより貴女は逃げなさい…
あいつに気づかれる前に…」
カナ
「私もそのあいつを倒すために協力させてください!」
魔女
「なぜ…?貴女はいったい…?
…貴女はもしかしてずっと…?」
カナ
「魔女さんだとあの男を倒せないんですか?」
魔女
「わからない…本気を出せば倒せるかもしれないけれど
世界をも壊してしまうかもしれない…それをシオンは望まないはず」
男性
「でもそれじゃ俺は倒せないよ?」
語り
男性が突然カナたちの目の前に現れる。
魔女
「お前だけは…許さない!」
男性
「俺の事をお前お前って呼ばないでくれないか?
俺の名前はノア
そこの君は気づいてるだろうけどこの本の作者だ」
カナ
「本の作者…!!」
ノア
「そう。本当にこの展開は何度も見てさぁ。在り来たりでつまらないんだよね。
だからさ…終わりにしようって思ってさ」
魔女
「お前だけは絶対に殺してやる!」
カナ
「魔女さん!本気を出さないと魔女さんはやられてしまいます!」
魔女
「でも…」
カナ
「シオンだって魔女さんがやられるのは望んでないはずです!」
魔女
「………わかったわ」
語り
魔女は魔法の詠唱をし始める。
その詠唱をの唱えると魔女の周りに黒い裂け目のようなものが現れ
そこから鎖のようなものが魔女を縛り始める。
その鎖の巻き付く肌に謎の文字が浮かび上がる。
ノア
「流石ですね~魔女様。」
魔女
「うぐわあああああああああ!!ああああああああっ!!!」
語り
魔女は声にならない怒りに満ちた叫びで魔法を放つ。
ノアが打ち消そうと魔法を放つもノアの魔法ごと一瞬で弾き返された。
ノア
「なに!?この魔法を…?
ぐっ!!ぐわあああああああああああ!!」
魔女
「あああああああああああああ!!!」
語り
魔法が止むとそこにはノアが無傷で立っていた。
その表情は驚いてはいたが直ぐにいつもの笑みを浮かべる。
ノア
「あはは…残念だけど作者である僕が登場キャラの一人如きに負けるわけがないだろ?まぁ流石にビビったけどね…」
カナ
「効いてないなんて…!」
ノア
「ふふふっあはははははは!!
なるほどねぇ…魔女は力を解放して世界を壊しつくしました…
ありふれたバッドエンドだね…僕の好きな終わり方だよ…」
語り
目の前からノアは消えていく。その表情は不満げであった。
しばらくすると魔女は立ち上がりカナに近づく。
魔女
「この力を解放してしまったら…いずれ理性も無くなる
本当にごめんなさい。本当に貴方を巻き込んでしまって…」
カナ
「いえ…私も何もできなかった…ごめんなさい」
魔女
「もしかしたらずっとこれを繰り返していたのかもしれない。
何度も何度もこうやってこうやって…」
語り
魔女はこちらに手を差し出してきた。カナも手を差し出し返すと手を握り合った。
魔女
「貴方はこの世界の住民じゃないのね。
貴方には帰るところがある。私がこの夢を覚ましてあげるから」
語り
魔女はカナに手帳を渡すとこちらにもの言いたげな表情を向ける。
カナが口を開こうとすると突然意識が途切れる。
目を開けると図書館で手帳を手に持ち寝ていたようである。
手帳を見てみるとそこには一つの栞が挟まっていた。
それは四葉を押し花にした栞であった。
その手帳のページを開くと白紙が続いていた。
ペラペラとめくると最後のページには
「忘れないで」
そう一言だけ書かれていた。
ルートB NormalEnd
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