第12話 異父兄 漢皇子

 壬申の乱の勝者 天武天皇(第40代)の正体の最有力候補と目されているのは、天智天皇(第38代)の異父兄である。正史に見える,その人物の名は、"漢皇子あやのみこ"。ついでだが、天智天皇の異兄の名前は、古人大兄皇子である。

 天智天皇は、宝皇女(皇極女帝:第35代)と田村皇子(舒明天皇:第34代)の子であるが、その異父兄 漢皇子は、宝皇女と その 高向王たかむくのおおきみとの間の子。高向王という人物は、第31代 用明天皇の孫だった。


 漢皇子は 天武天皇の正体ではないかと多くの学者によって指摘されているが、その経歴は謎に包まれていた。彼については、母 斉明女帝(皇極天皇 重祚ちょうそ:第37代)の記録内に その素姓が書かれているのみで、その後の動向等は一切 書かれていなかった。

 このことなどから、この説を唱える方々は 自然、漢皇子の父である高向王が誰であったかを調べる方向へと舵を切っていた。高向王は 用明天皇の孫であると正史に記されているが、用明天皇の子どものうち、誰の血を受け継いでいるか ハッキリしていなかった。

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