第1話 天武天皇
第40代 天武天皇は、舒明天皇(第34代)と皇極女帝(第35代)の皇子として、7世紀前半 この世に生を得たとされている。即位前の主な呼称は 大海人皇子。彼は 天文遁甲を
彼の事跡として特筆すべきことは 何と言っても、古代史上最大の内乱
正史『日本書紀』において、天武天皇は 全30巻のうち 2巻を占める主役級の扱いを受けているが、にもかかわらず、彼は その素姓が一部で疑われている。というのは、さような優遇を受けていながら正史のどこを探しても 天武天皇の年齢が分からない違和感からだ。これに加えて、後世の歴史書に残された天武天皇の年齢と『日本書紀』に記された彼の兄 天智天皇の年齢を比べると、2人の兄弟関係が逆転してしまう。歴代天皇のうち ハッキリと生年が確定できないのは、天武天皇と南北朝時代の天皇くらいだった。
また、天武天皇は その前半生が判然としなかった。兄 中大兄皇子が活躍した大化の改新の端緒 乙巳の変(645年)にも 彼は参加していない。彼が本格的に活動を開始するのは、白村江の敗戦(663年)の翌年からだった。
では、仮に この疑惑が真実だったとして、何故 彼の本当の素姓は隠されてしまったのか?
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