第10話 スサノオと大国主(前編)
正史『日本書紀』や もう一つの歴史書『古事記』が記す日本神話には、その編纂当時の状況が投影されていることが 一部で指摘されている。『日本書紀』の最後を飾る持統女帝(第41代)は 孫への皇位継承を敢行しているが、その事績は 皇祖神 天照大神の神話(「天孫降臨」)と
持統女帝が 天照大神に該当するなら、かの女神との間に子をなしたスサノオは 持統の
なお、正史『日本書紀』の本文によれば、スサノオと大国主は親子とされているが、もう一つの歴史書『古事記』によれば、大国主は スサノオの6世の孫に当たっていた。私は この系譜の時代の下りなどから、『古事記』は『日本書紀』完成後に編纂された書物で、編纂を指示した人物は 大国主に比定する人物を その中で変更していたのではないかと疑っていた。大国主は 多数の別名を有しているが、それは 投影された人物が多岐に渡っていたからかもしれない。
ついでだが、スサノオや大国主が活躍する「出雲神話」は 主に もう一つの歴史書『古事記』の記事によっている。正史『日本書紀』でも 全く語られていないわけではないが、そこでは『古事記』ほど紙面が割かれていなかった。もう一つの歴史書『古事記』においては、「出雲神話」で神話の3分の1ほどが占められていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます