第2話 「天岩戸」

 "元始、女性は太陽であった"というのは大正から昭和にかけて活動した女性解放運動家 平塚らいてう・・・・の言葉である。らいてうは 皇国史観の盛んだった戦前から戦後に渡って女性の権利獲得に奔走した人物であるが、一説には 彼女の念頭に 皇室の神 天照大神の存在があったとも考えられている。

 かのは、同じ三貴神の一柱 スサノオの暴虐に耐えかね 岩屋に隠れているが、以降、世界は 深淵の闇。その後、八百万やおよろずの神々の尽力によって 天照大神は 岩屋から出てくるが、これにより世界は光を取り戻した。この経緯いきさつから、かの女神は"神"であったと思料されていた。

 なお、この結果として、荒ぶる神 スサノオは天界から追放されている。


 この物語は「天岩戸」神話と呼ばれているが、その名称は高度経済成長期の景気の呼称にも用いられている(岩戸景気)。日本神話や古代の事跡・慣習などは、私達が気付いていないだけで、日本人の生活の中に息づいていた。


◎神武景気:1954年12月〜57年6月まで

◎岩戸景気:1958年7月~61年12月まで

◎いざなぎ景気:1965年11月〜70年7月まで

◎いざなみ景気:2002年2月〜09年3月まで


 ちなみに、この神話は日が一時かげって、

再び光を取り戻すことからの神話だとも言われている。また、一部では、この神話の前後で、とも推測されていた。

 そして、かの女神が岩屋から出てきた後の神話の中に、天照大神が"皇祖神"と呼ばれる所以となる物語が存在した。

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