第1話 伊勢神宮と天照大神

 皇祖神 天照大神を祀る伊勢神宮の正式名称は、地名を冠しない"神宮"という。

 神社に対する社号として、"大社"や"権現"・"天満宮"などが用いられるが、神宮というのは 一言で言えば、“皇室とゆかりの深い神社”。なかでも、伊勢神宮は別格の存在だった。


 大社:格式が高く規模の大きな神社。

    明治時代までは大社おおやしろと言えば、

    出雲大社のことを指した。

 権現:神仏習合に基づく呼び方で、

    現在は通称としてのみ使用。

 天満宮:菅原道真を御祭神とする神社。

 八幡宮:八幡神を御祭神とする神社。


 伊勢神宮には 内宮ないくう外宮げくうの大きく2つの社があるが、内宮に祀られるのが 皇祖神 天照大神であり、外宮に祀られるのが 食物や穀物を司る神 豊受大神とようけのおおかみだ。この2つの社は 4〜5㎞ほど離れていて、全く別の区画を有していた。

 そして、伊勢神宮では 20年に一度、社殿を作り替える"式年遷宮しきねんせんぐう"が行われる。


 伊勢神宮に祭祀される皇祖神 天照大神は、その別名を"大日孁貴おおひるめのむちのかみ"という。かの女神は 神世七代の最後の神々イザナギ・イザナミから誕生した三貴神のうちの一柱であるが、他の三貴神であるスサノオと月読つくよみのうち、前者との争いでも知られていた。

 その"荒ぶる神"スサノオとの争いの中で、天照大神は 特にとしての顔をのぞかせるのだが、そのことを描いた物語の名を「天岩戸」神話と呼ぶ。


 神世七代

  ① 国常立尊くにのとこたちのみこと

  ② 国狭槌尊くにのさつちのみこと

  ③ 豊斟渟尊とよくむぬのみこと

  ④ 泥土煮尊ういじにのみこと沙土煮尊すいじにのみこと

  ⑤ 大戸之道尊おおとのぢのみこと大苫辺尊おおとまべのみこと

  ⑥ 面足尊おもだるのみこと惶根尊かしこねのみこと

  ⑦ 伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冉尊いざなみのみこと

       ⬇️   

   天照大神 スサノオ 月読

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