第14話 猫カフェ

「あ、悪い。帰ってする事があったので帰るから」

「分かった」

「バイバイ!月咲さん」

猫カフェには入る直前に月咲が寮に戻った。

「それじゃあ、入るか」

「うん!初めてだから緊張する」

「別に緊張するようなこともないだろ。大人しいだろうし」

なんで緊張するの!?ずっと一緒にいてもそれはわからん。まあ楽しそうにしてるから別に良いか。まあこういうとこが可愛いよな。妹として。妹としてだ。でも血はつながってない?んーこの場合はどうなるんだろ?まあいいか。なんだか2人ってのも久しぶりな気もする。楽しむか。

「うん」

「それじゃあ入るぞ」

「せーので入ろう」

「え?え、じゃあいくよ。せーの」

「あ、いらっしゃいませ」

「え?」

そこにいたのは最近知り合ったばかりの女の子だった。先に質問をしたのはその子だった。

「翔さんがなぜここにいるんですか?」

「ルナこそ」

数人の店員の中に良く見知った顔の人がいた。いつもとは違う雰囲気だった。そこら辺のスーパーにいそうな店員のスーパーのエプロンのような姿。そこに猫耳を付けていた。

「あ、ミミちゃんもいるの?」

「ええ。いますよ。私はここで働いているのでここにいます」

「へぇ。猫耳をつけてるのか。お前の趣味か?」

「なわけないですよ。ここの制服ですよ。文句あります?」

「いや、気性の荒い猫だなって思っただけ」

「バカにしてるんですか?」

このままいじり続けたら喉でもならすんじゃね?いややめておこう。

「いや、けして」

「まあいいです。席にご案内しますね」

「おう」

「ルナちゃん。ここの制服可愛いね」

「ありがとうございます…」

素直に可愛いと言われて照れているような恥ずかしいような表情になっていた。

「ミミちゃんも接客するの?」

「ミミは猫の世話ですね。動物とはすぐに仲良くなりますから。小さい動物だけですが」

「仲間意識とかあるのかな?」

「わかりません。で?注文は何ですか?」

「おっと、それじゃあ…オススメは何だ?」

「オススメ?オススメはりんごジュースですが」

「じゃあそれを頼む」

りんごジュースってここのはおいしいのかな?まあ何かあるんだろう。炭酸はないしな。

「じゃあ私も!」

「はい」

「ルナと入れ違いでミミちゃんが来た」

「ミミちゃんも接客?」

「違うよ。猫ちゃんたちと一緒に遊んでるだけでいいって。時間になったら餌をあげればいいって」

「お世話をすればいいってこと?」

「うん。あ、そうだ。翔にーには、この子を貸してあげる。マリンちゃんだよ」

30匹くらいいるよな?同じ用なのも多いし。

「にゃー」

「マリンちゃんも挨拶してる。はい」

「ありがとう」

「紅葉お姉ちゃんにはメルちゃん。はい」

「みゃーん」

「ありがとう」

「バイバイ!またね」

「はい」

「りんごジュースと何それ?」

「猫と遊ぶおもちゃですよ」

「あれ?お兄ちゃんのと違うおもちゃ?」

「はい。ランダムでおもちゃがもらえます。それじゃあごゆっくり……」

「にゃーん。にゃんにゃん」

「どうしたのにゃー」

「にゃーにゃんにゃー」

「メルちゃんも一緒ににゃー」

「みゃんみゃーーみゃー」

「ほらお兄ちゃんもやるにゃー」

「俺は恥ずかしいからいいよ」

猫語。紅葉も女の子なんだな。

「翔にー」

「猫がしゃべ…なんだ、ミミちゃんか。どうしたの?」

「その二匹喧嘩しそう…」

「え?そんなわけないだろ?」

「にゃーにゃぁ!」

「みゃーみゃぁぁ!」

「どうしてわかるの?ミミちゃんすごい!」

「すごくないよ。リリちゃんが教えてくれたの」

「ダメでしょ。喧嘩しちゃ。め!」

「にゃ~ん」

「みゃん」

ミミちゃんの一言で猫達が静かになった。す、すごい。あれ?そう言えば教えてくれた?猫の言葉わかるの!?

「ミミ、そろそろ休憩だけど、する?」

「あ、休憩中は猫耳外すのか」

つけてた方が正直言ってかわいいと思うんだけどな。

「そんなにずっとつけているわけがないですよ。なんだか目がキモイですよ。で、ミミ?」

「みんなと一緒にいる」

「いつもそう言って猫たちと…今日も眠いのね」

「今日も何匹かと一緒に寝て良いって」

「まあ俺は帰るかな」

「ばいばい。翔にー」

「またのご来店お待ちおりしています…もうこないでください」

「聞こえてるぞ」

「は!まぁ翔さんなのでいいですけど」

「またね」

そう言って俺たちは猫カフェをでて寮にもどった。

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