第5話 サミュエルが誘拐される!?

「ご飯も食べたし、そろそろ出かけてくるから。アリアナじゃあ行った来るね。ベルちゃんをよろしく!」

「はい。行ってくらっしゃい」

「お兄ちゃん行ってらっしゃい!」

2人に見送られながら、俺は家を出た。

「どうしようかなぁ~良い仕事ないかな?サミュエルならわかるかな?聞きに行ってみるか」

サミュエルは仕事しているのかな?どんなものか聞いてみるか。

あ、どうしよう…先に言えって言われたけど、言ってないや。あれ?どうやって言えばいい?この世界には電話とかはないし…

まあサミュエルのとこに行ってみるか。

サミュエルのところについたとたん、門番たちが、大慌てで俺に話をかけてきた。

「慶喜様。どうか我々に力を貸してくれないでしょうか?」

「なにかあったのか!?」

「大変申し上げにくいことなのですが、お嬢様がさら攫われてしまいました」

「な、なにがあったの?」

「我々にも分かりません…」

「どうか、お願いします」

そう言って深々と頭を下げてきた。

「わかった。力を貸そう」

「じゃあ俺は町の方に行って、いろいろと聞いてみるよ」

「あ、ありがとうございます」

そういって俺は町に向かった。その途中にアリアナ達にあった。

「ご主人様、私のところにこのような手紙が!」

「この娘は預かった。返してほしければ、地図の場所に書かれている場所に来い」

「え!?どうして俺がサミュエルのを知っているって誰の仕業だ?」

「とりあえず行ってみましょう!」

「ベルも!ベルも!」

「ベルは待っていてください」

「ぶー」と言いながら、ほっぺを膨らました。

「いや、ここは俺だけで行く。女の子に怪我をさせるわけにはいかないし」

「じゃあベルはサミュエルさんのところに預けておきます。あのくらいの人ならメイドがいるはずです」

「本当にいいのか?」

「はい。ご主人様の身に何かあったら困りますので」

「俺もアリアナの身に何かあったら困るから」

「これは譲れません」

「わかった。危なくなったら逃げてね」

「いえ、私をおとりにしてでも逃げてください」

「そんなことできないよ…わかった」

まあ、いざとなったら、命令って言えば良いし。

「あの、門番さん。中に女の人はいますか?いらっしゃるなら、ベルを少し預けたいのですが…」

「慶喜様のメイドでしたっけ?中にいますよ」

「は、はい」

そうして、ベルちゃんを置いて地図の場所に向かった

「ここについて何か知っている?」

「いえ、存じ上げません。すみません」

「いいよ、別に。あれ?何か書いてある」

「あれ?そういえば俺文字読めないはずなのに読める?あれ?」

「読めなかったのですか?」

「異世界は別の文字だったからな」

蓬田慶喜、其方一人で入れ。メイドはそこいろ。

「じゃあ俺一人で行ってくるから。もし2人で行ったらサミュエルがどうなるかわからないからな」

「わかりました」

また看板があったので読んでみた。

前の大きな部屋で我と娘はそこで待っておる。

「ここか?サミュエル!」

「あ、慶喜?なんかあったの?そう慌てて」

「慌ててって…」

~遡ること30分前~

「そこの娘よ」

「わたくし?」

「其方は蓬田慶喜と言う男を知っておるか?」

「知ってるけど?」

「それじゃあ協力してもらう」

「は、その、あっ!っん!」

「悪く思わないでくれ」

「全てはあのため」

そのままサミュエルは連れて行かれたのであった。

しばらくして私は目を覚ました。

「目を覚ましたか」

「何が目的なの?お金?それなら払うけど!だから解放しなさい」

「そんなものに興味はない。蓬田慶喜は異世界から来たと聞いた。そこでおびき寄せるためにお前を使った」

「だったらあいつのメイドでも良いじゃない」

「あの娘達は隙がない。目の前で蓬田慶喜が見ておる」

「分かったわ。で、私は何をすれば良いのかしら?」

「この部屋なら何しても構わん」

構わないって…どういうことかしら?まさか慶喜を暗殺!?

「殺したりはしない。少し接触をしたいだけだ。この部屋には魔法がかかっている。簡単には入ることが出来ない」

「まあ、そのうち来るだろう。お菓子でも食べて待っていよう」

そう言って鈴カ○テラなどのお菓子を持ってきた。

そのままお菓子を食べて30分くらいたったころ、慶喜が来た。

「この部屋か?」

「あれ?開かない」

そのドアは魔法が掛かっている上簡単には開けることが出来ない!あの子は魔法を使える種族なのか?

慶喜!魔法を使われるかもよと言おうとしたその瞬間、

「あ、これ引くやつか」

「そんな馬鹿な!あのドアは普通の人ならば開けれぬ魔法が掛かっているはず!」

「その魔法って押しドアと引きドアを反転するやつか?」

「なわけ!この娘は返す!」

「お前は誰なんだ?」

「ガルシア・アリッサだ」

「お前は貴族か?またはそれに使えるものか?」

「貴族でも奴隷でもない」

「なんなの!それ。もしそれが国にバレたら大変なことになるじゃない!」

「どういう意味だ?」

「この世界では貴族か奴隷しかいないの。それ意外は問答無用で売られてしまうのよ…」

「そうなのか…?」

「どうして、サミュエルは庇う感じなの?」

「この子は悪い奴じゃないわ。何か使えるに相当する主人を探してるみたい」

「俺じゃダメか?」

「貴方は我が使えるに相当する貴族か?」

「それはわからない。だが俺は強制はしない。命令もしないだか…」

「あ、お兄ちゃん!」

「ベルちゃん!?」

「ベル!入っちゃだめですよ!てかどうやって来たのですか!」

「あの人に連れてきてもらった!」

「あ、フォスター何やってるの?」

「ベルちゃんに『アリアナお姉ちゃんのとこに行こうよ!』って言ってたから追いかけてたの。だけどベルちゃんが『驚かせよう』って言って先に行っちゃったの。でもね楽しかった!」

意外と子供だったな。メイドは何人か居るみたいだけど。あんな小さい子に任せたのか。

「まあ、いいわ」

「アリアナもあがって来なよ」

「良いのですか?」

「大丈夫だよ。あがって来なさい!フォスターも」

「あ、サミュエル様。ご無事で何よりです」

「分かったー」

「あ、ベルちゃん待ってー」

「フォスターちゃん早く!」

仲良くなって何よりだな。まあこの子はどうなるのかな?…っていない!?

「サミュエル!あの子は?」

「それならさっき飛んでいったよ」

「何で言わなかったの?」

「口封じの魔法でそのことは言えなかったのよ!一時的なものだけど」

「ならしかたない」

「それは誰ですか?」

「んーさっきまでここに居た女の子なんだけど…」

「そうですか」

「それじゃあ帰ろう!」

「そうね!」

「お兄ちゃん!フォスターちゃんを止めてもいい?」

「サミュエルはいいのか?」

「別にいいんじゃない?フォスター迷惑をかけないようにね」

「はーい!」

「あ、フォスター自己紹介して」

「私は、フォスター=アラビア。よろしく!」

「フォスターちゃんよろしくね。俺は、蓬田慶喜。こっちはアリアナ=ワード

「じゃあ4人分よろしく」

「わかりました」

「それじゃあフォスターをよろしくね」

「あ、サミュエル。ちょっと相談に乗ってくれない?すぐに終わるから」

「いいけど?」

〈俺さ、仕事が無いんだけど…〉

〈え?じゃあどうやって貴族に?〉

〈俺の世界から持ってきた物が高値で売れたから〉

〈そっか。それは量産できないの?〉

〈それは難しいかな…〉

〈ごめんね。力になれなくて〉

〈いや、別にいいよ。それと、お前って喋り方が毎回変わってるよな〉

〈う、うるさいわね!〉

〈まあ、いいけど〉

「みんなごめんな!帰ろうぜ。あ、サミュエル、家まで送るよ」

「あ、サミュエルお姉ちゃんも一緒に泊まろうよ!良いよねお兄ちゃん!」

「サミュエルはどうしたい?」

「え?慶喜が襲わないって約束するならいいわよ」

「襲わないよ!」

「それじゃあ、アリアナ一人分追加で」

「わかりました!」

「今日のお昼はハンバーグですよ!」

「あたしの大好物!」

そんな会話をしながら俺たちは外に出た。今日はいろいろあったなぁ…あ!服を買いに行かないと。午後はみんなで行くか。

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