第3話 感動の再開

(突然だがアリアナ。泣き止ませてくれないか…)

「もしかしてお姉ちゃんですか?」

「え?ベルですか?」

そういってアリアナと  泣いて抱き合った。

「お姉ちゃーーん」

「ベルーーーー」

感動の再会…良かったな。俺は少し離れているか。

「お姉ちゃんその人は誰?」

「この人は新しいご主人様ですよ」

「お姉ちゃんまた買われたの?」

「この人は変なことをするようなひとじゃないですよ」

「そうなの?」

「はい!」

「あの…ご主人様この子も一緒に、住んでもよろしいですか?私の身分で、こんなことを言うのは、駄目だとは思いますが、どうかお願いします」

「俺は問題ないけど、その子はどうなんだい?」

「ベルはアリアナおねえちゃんと一緒にいたい!お願いお兄ちゃん」

「可愛い2人に言われたら断れないな」

「ありがとうございます。本当によろしいのですか?」

アリアナは遠慮しすぎだよ。そんなに難しくならなくていいのに。うまく言わないとまた拒否されちゃうからそれっぽい理由を

「うん。可愛い2人と一緒に暮らせるのだし、それはとても嬉しいことだよ」

「ありがとう。お兄ちゃん」

「これからよろしくねベルちゃん」

これからは3人になるし、そろそろお金を稼ぐ方法を本格的に考えないとな。なにかいい方法あるかな?俺の

知恵だけでは考えられないや。まあそれは後で考えるとして、

「よろしく」

「それじゃあ3人で帰ろうか……あ!アリアナ食材買ってない!」

「早くしないと店が閉まってしまいます」

「そうだね!急がないと。ベルちゃんは何を食べたい?」

「鈴カステラがいいなぁ」

「んーそれはお菓子かな?今度買ってあげるね。ほかのものでもいい?」

「じゃあ、カレーがいい!」

「アリアナ、作れる?」

「はい!作れます」

「それじゃあ買ってかえるか」

「あの……甘口…」

何かもじもじして言っている。

「甘口ですね!昔から甘口しか食べれませんもんね」

そしたら急、顔がうれしそうになる。まあそのくらいの歳だもんな

俺たちは買い物をすませて帰った。

「ただいま!」

「おお!大きい!どこの部屋はいいの?」

「開いてる部屋なら好きに使っていいよ」

ベルちゃんは廊下を突っ走った。

「おー、広い、広い!」

「走ると転ぶよ!」

「アリアナ、料理の準備お願いできる?」

「はい。わかりました」

「ベルちゃん!どこかいい部屋あった?」

「お姉ちゃんと一緒が良い]

「アリアナが良いって言ったら、いいんじゃない?」

「やったー」

と会話をしていたら急に

「きゃーーーーーー」

パリんという音と同時に、アリアナの悲鳴が聞こえてきた。

「どうした?」

「お、お皿を割ってしまいました」

と言っているアリアナはどこか怯えているようだった。

「大丈夫だよ。安物だし。それよりアリアナに怪我はない?」

「割ってしまったのは事実ですし…」

「それはべつにいいって。それより怪我してない?」

「怪我は大丈夫です」

「そういえばなんで怯えていたの?」

「知り合いにお皿を割ってしまって殴られたりされた人がいたので、それを思い出してしまい、怯えていました」

「そっか。俺はそんなことしないよ。カレーはあとどのくらいでできる?」

「あとは温めるだけだから、5分ですよ」

「わかった。じゃあ椅子に座って待っているよ」

「もうすぐでできるの?」

「できるってよ。待ってよ」

そう言って首を大きく縦に振った。

明日はベルちゃんの服を買いに行くか。でもお金はどうやって稼ごう…まあサミュエルだっけ?あいつなら同じ貴族だわかるかもな。そんなことを考えていたら料理が出てきた。

「おー。アリアナ料理上手だね」

「私なんてまだまだですよ」

「お姉ちゃんは昔からおいしいのを作ってくれたよ!」

「あ、ベルちゃんきちんといただきますして」

「あ、いただきます」

「じゃあ俺たちも」

「「いただきます」」

アリアナは俺と一緒に食べてくれるようになった。意外とこれはすぐにやってくれた。すこしずつほかのことも普通にやってくれたらな。

「ご主人様は明日は予定ありますか?」

「ベルちゃんの服を買おうかなって。アリアナ、ベルちゃんと一緒に買ってきてくれない?」

「はい」

「お兄ちゃんは来ないの?」

「俺は少し行くとこがあってな」

「ふ~ん。そっか、残念」

「ごめんね。今度行こうね」

埋め合わせしてあげないとな。

「ダメ?」

「ベル。そんなふうに言うとご主人様が困ってしまいますよ」

「はーい」

「ごめんな」

「今度だよ!」

「またあの時のようになったら、どうするのですか?」

あの時、あれはサミュエルに感謝しないとな。明日はお礼もするか。

「それは手の印でわかるって」

「印ですか?」

「手についてない?」

「あ、なんかついてます」

「それは主人と従者の契約を、結ぶとできるらしい」

「昔はそんなのありませんでした」

「そうなの?最近変わったのかな?」

「そうだと思います。そういえばベルとは登録しなくて良いのですか?」

「それは、ベルちゃんの意思に任せるよ。ベルちゃ…寝ちゃったみたい」

「あ、寝ちゃ困ります。お風呂に入らないと…」

「先はいちゃっていいよ」

「ですが…それは従者が主人より先に入るなど良くないと思いますが…」

「そういうのは別にいいの。ほら、ほら。ベルちゃんも眠そうだし。出たら俺も入っちゃうからさ」

「はい」

ベルちゃんの洋服どうしよう……アリアナのじゃ体の大きさが違いすぎるし…今じゃもう店はやってないし……どうしよ。そういえばサミュエルのとこ近かったような…少し遠いくらいか。出るまでには間に合うかな。

「アリアナ。ちょっとベルちゃんのサイズに合う服を、サミュエルのとこからもらってくるから、ゆっくり入っててね」

「あ、お兄ちゃんもいっしょに入ろう!」

そう言い、扉を開けた。

そこで見たものは…って

「ご、ご、ごめん」

手で隠すのが間に合わなかったのか、顔を赤くしたアリアナは泣き目になっていた。そして、俺はとっさにドアを閉めた。

「ご、ご主人さま。もっと見たいですか?」

震え声で何を言っているの!?本音を言えば見たい。だがそこで言ってしまうと本当にやりかねない。ここは残念だが、

「いや、べつに。ってベルちゃんも裸じゃん!?」

「お兄ちゃんは一緒に入らないの?」

と言っている。まだ、裸を見られることに抵抗がないのだろう。そんことを考えてるときにまた開けかけたので俺はドアを後ろ向きながら閉めた。

「俺はちょっとこれから行くとこがあるから」

「それじゃあベルはお風呂入りますよ」

「すぐ戻るから」

それだけを言って俺は家を出た

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