7.11

 ヤンがクッキーを焼いてくれた。当主を継ぐ前、父から仕事を教わっていた頃によく作ってくれていた、甘めのものだ。どうやら俺は疲れた顔をしていたらしい。

 ヴァルターがそこまで教えてくれたのかは分からないが、ヤンは紅茶やコーヒーにも詳しい。疲れた時は勿論、落ち着きたい時、落ち着いた時に向いた飲み物を用意してくれる。ヤンの支えがあってこそ俺は成り立っているのだと感じる。

 仕事もそろそろ普段通りに戻る頃だ。そうしたらヤンの好きなケーキを買って、ルッツと三人でのんびりと過ごす時間を作りたい。

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