8.5

 ルッツが生まれた日にテオドールに任せていた仕事の確認と俺のサインが必要な書類、そして両親や祖母への手紙などに追われて、ルッツのもとへ行けたのが夕方になってしまった。

 ヤンには大丈夫だと言われたが、やはりヤンとルッツのそばにいたい。と言っても、今はただよく食べてよく寝てくれたら良いから、俺に出来ることは無さそうだが。


 ルッツは、俺が行った時にはよく眠っていた。時折小さく手を握ったり開いたり、もぞもぞと動いてみたりするのが可愛らしい。生きている、と思う。当たり前なようで、奇跡でもある。無事に生まれてきてくれた。それが嬉しくて、仕方がない。

 少しの間、周りへの挨拶で忙しくなるだろう。それが落ち着いたら、俺もルッツと触れ合いたい。俺達の新しい家族を、子供を抱いてみたい。

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