7.5
ようやく文字を書くだけの頭が回ってきた。昨日はルッツとヤンのことでいっぱいで、何も手につかなくてほとんどテオドールに任せきりになってしまった。
ヤンが痛みを訴えてからそばにいようとしたが、思った以上に不安な顔をしてしまっていたらしい。早々にヘレナに部屋を追い出されて、廊下で待っていた。
元気な声が聞こえてきた時もヤンのことばかり心配してしまった。でも、ルッツの顔を見た瞬間、“父親になったんだ”と、強く思った。この子を、ルッツを大切にしたい。俺とヤンの、新しい家族。息をしているのが不思議なくらい小さくて、それでもヤンに手を取られてお包みの上から触れたら、とてもあたたかかった。息をしている。新しいいのちが、いま生きている。嬉しい。こんなにも嬉しい。
眠そうだったヤンを休ませたくて部屋を出た瞬間、涙が溢れた。良かった。本当に、会えて良かった。ルッツ。大好きだ。
〔ところどころ、文字が滲んでいる。〕
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