26.3
ヤンと家の周りを散歩した時に、子供を見かけた。歩く姿すらまだ危なっかしいその子は、俺と目が合うと笑って手を振ってきた。昔から子供は好きだが、最近は特に可愛らしいと感じることが多い。
親とも少し話をしたが、その子は肌が弱くすぐに荒れてしまうのだという。命に関わる症状ではないが、掻いた痕が痛々しく何とかしてやれないかと思っているらしい。薬は、何も命を救うだけではない。生きることはできていても、歩けても話せても、困っている人はいる。そういう人への助けになれたらと思う。
次に町の診療所を訪問する時には、そういったことも併せて聞こう。一人で生活できる老人も、腰の痛みがなくなればより過ごしやすいだろう。今日見かけた子供だって、肌の荒れが治ればそれを気にせずもっと目一杯遊べるはずだ。
他にも薬を卸している家は勿論ある。しかし、町の人により近い仕事が出来るのはきっと俺だ。俺だから寄り添えるのなら、全力で寄り添いたい。多くの人の助けになりたいなら、声を聞くべきは町の人達だ。生まれや地位を気にすることなく、すべての人により良い生活をするための手助けを。それを叶えるためにも、明日からもまた、頑張ろうと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます