22.3

 妙にヤンがそわそわしていたと思ったが、日記を開いて理由が分かった。ヤンは、いつだって俺にたくさんの幸せをくれる。

 先日の手紙に書いたことへの返事にもなっていて、これを書く前に繰り返し読んでしまった。普段から出来る限り感謝や好意を伝えるようにしているが、それでもヤンのくれる喜びにはまだ足りない。俺の思いを伝えきるのにも、一生をかけたって足りないのだろう。それでも、ヤンの喜ぶ顔が見たいから、思いを秘めるなんて出来ないから、この先もずっと愛を誓い続けたい。


 俺は、ヤンと過ごしてきた過去を、もっと上手く出来たはずだとどこか悩んでいたのかもしれない。そんな不安を拭ってくれた。いつだって俺を救ってくれるのはヤンだった。今も、きっと未来もそうなのだろう。

 そして、俺もまたヤンを救うことが出来ていたのだと知ることができた。ヤンの支えになることができていた。昨日はペンを渡して良かった。

 ありがとう、ヤン。大好きだ。

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