21.3
今日の日記は、私が書くこととなりました。ジーク様の日記なのに私が書いていいものかと思いますが、ジーク様の日記だからこそ、彼が許したことなら良いのでしょう。
今晩はなかなか寝付けず、少しお話ができたらとジーク様の部屋を訪ねたところ、ちょうどこの日記を開きペンを手にした瞬間だったようです。慣れてくるとなかなか良いものだと言われましたが、私は文字を書くのがあまり上手くありません。それを伝えたら、お試しとしてこの一頁を使えということでした。私はジーク様のように多くの言葉、多くの表現を知りません。
とても緊張しながら、書いています。
眠れないのは、なんとなくでしょうか。ベッドに入っても落ち着かなくて、そういう時はホットミルクや蜂蜜入りの紅茶を淹れるのですが、それよりも先にジーク様に会いたくなりました。今、ジーク様は私の後ろに立ち、私が日記を書くのを見ています。少し恥ずかしくなりますが、私は彼の穏やかな笑顔が好きなので、その顔を見ることができて、嬉しいです。
上の文章を書いている間、ジーク様は、恥ずかしいと仰いました。おあいこです。
少しの間、こちらを見ないようにお願いしました。恥ずかしさより、次に日記を開いたあとの顔が楽しみだからです。
ジーク様。貴方がいたから、私は今日まで生きることができました。貴方のおかげで、隣に愛する人がいる幸せを知りました。貴方と旅をしたから、私は私であることを許し、認めることができました。貴方のいない人生など考えられません。私がおばあちゃんになって、ジーク様がおじいちゃんになっても、ずっと一緒にいたいです。
貴方を愛しています。ジーク様が大好きです。
Yang Hoffmann
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