第4話部活と女

「ぶーぶーぶー」

 俺は携帯の通知音とともに目が覚めた。

「おはよう、私も昨日は楽しかったよ。これからもよろしくね。空君」

 携帯の画面にはそう表示されていた。俺は嬉しさのあまり眠気がまるでこのメッセージに吸い取られていくようになくなった。なんていい朝なんだろう。

 俺は何回も送るメッセージを考えた末

「おはよう、こちらこそよろしくね」

 という超短文だった。本当は悔しかったが自分を慰めるためシンプルイズベストと自分に言い聞かせた。

 その後いつものように朝の支度をして家を出た。


 クラスに着くと何人かのクラスメイトから挨拶をしてもらった。段々クラスになじんできたなと思った。

「おはよう!空君」

「おはよう!真雪」

「おい春ーー、お前いつの間に真雪ちゃんとそんな仲良くなったんだよー俺も混ぜろよー」

 いい感じのとこに優が入ってきた。

「空君と優君は部活何にしようと思ってる?」

 真雪が聞いてきた。俺もこの話がしたかったから嬉しかった。

「俺は見てから決めようと思ってるけど、中学の時はサッカーやってたしサッカー部は気になってるかなー」

 真雪は驚いた顔をした。

「本当に?私ね実はマネージャーやりたくてね、それもサッカー部が一番気になってるとこなんだよね」

 俺は今サッカー部に入ると決めた。

「そうなのか、俺は絶対軽音楽部はいるわー」

 優が言った。

「すごい似合ってる」

 俺と真雪はハモってお互いの顔を見た。

「だろー?俺結構歌も歌えるし、最近の趣味はギターなんだよねー俺ギターボーカルやりたいんだよー」

 優の喋りは止まらない。俺たちは朝の会が始まるまで優の話を聞いた。


「キンコーンカンコンキーンコーンカンコン…」

「皆さんおはようございます、今日は朝から部活動説明会なのでクラス委員長、副委員長を先頭に出席番号順で並んで体育館集合です。じゃあみんなクラス委員長、副委員長のいうことを聞くように」

 俺らはクラスをまとめて体育館に向かった。


「これから部活動発表会を始めます」

 体育館に着くとすぐに部活動発表会が始まった。

「ではまず、男子サッカー部の皆さんお願いします」

「♪~~~」

 音楽が流れ来て、部活動のメンバーが出てきた。そしてサッカー部の皆さんは団体でのリフティングパフォーマンスを始めた。かっこよかった。

「今の良かったねー」

 隣にいる真雪が話しかけてきた。

「すごかったよね、俺もやってみたいな」

 その後もいろんな部活が紹介されえたが俺はやっぱりサッカー部に心を引かれた。

「これで部活動紹介は終わります。」

「じゃあ一年六組から教室に戻ってください」

 俺たちは教室に戻った。


 教室ではどの部活に入るかという話でいっぱいだった。

「真雪は体験入部どこ行くか決めた?」

 俺は勇気を振り絞り聞いてみた。

「私はやっぱりサッカー部のマネージャーになりたいからすぐ入部届出しちゃおっかな、空君は?」

 真雪は見かけによらず決断が速いタイプだと思った。

「俺もサッカー部にすぐだそうかなー、発表格好良かったし、俺も来年にはあんな風にできるといいなー結構リフティング得意だけど音に乗せてってやったことないし、今日帰ったらやってみようと思う!」

 色々言ったが俺の本当の理由は真雪が入るからである。

「空君は結構サッカー上手なの?」

「んーー自分じゃ判断できないけど一応中学の時はレギュラーで出てたよ」

 俺はちょっと謙虚目に言ったが実は中学では東京都選抜に選ばれていた。だから少し自信はあったが大口叩いてレギュラーとれなっかたら恥ずかしいので謙虚目に言った。

「えーそうなの?じゃあ高校でも試合出れるんじゃない?出れたら私、全力で応援するってかさせてもらう!」

「まじ?俺絶対レギュラーとる!」

 嬉しくてつい言ってしまった。

「春山くーーーーん」

 遠くから声がした。

「サッカー部にするの?」

 和田だった。

「サッカー部にするって今決めたけどどーした?」

「俺もサッカー部に入るからこれからよろしくな!」

 あ、やべえこいつの笑顔まぶしい。

「お、おう。よろしくな。そういえば真雪もマネージャーとして入ってくれるらしいよ」

「じゃあ真雪さんもよろしくね」

「こちらこそ!和田君」

 和田はそれだけ言って席に戻っていった。

「面白いやつだな」

「そうだねwww」


「よーーし、じゃあ今から入部届今から配るから配りきったら今日は解散ね」

尼崎先生はそういってプリントを配り始めた。

「はーい、じゃあ解散さようならー」

台風みたいな人だなと思った。


俺は家に帰ってすぐに入部届に名前と親のサインをもらって拓に電話をかけた。

「拓ー俺やっぱサッカー部に入ることにしたよー」

「おおお、お前の唯一の才能だもんな。サッカー部そんな良かったのか?お前じゃレベル合わないんじゃね?」

「真雪がマネージャーやってくれるって、あ、やべ入部届書いたって言うの忘れてたー」

俺は即効メッセージを送った。

「おー空ー成長したなー、お前から送るとは」

「俺頑張る」

「サッカーのことか?」

「どっちもーー」

「おいお前ーーw頑張れよ」

「おう!」

「あと俺も野球することにしたんだ。甲子園いけたら応援来てくれよww」

「もちろん親友だろ?」

「おう」



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