第3話 過去の記憶
俺は中学の時にバドミントンで地区で俺の事を知らないやつはいないくらい強かった、そして栄光を手にしたてっぺんから見る景色はとても気分のいいものだった。だがそれと同時に追われるもののプレッシャーそして勝ち続けることの難しさを痛感した。
そんなときある試合で俺は自分の限界を明らかに超えるようなプレーをしてしまった。体力はみるみる回復し相手の球はスローモーションになって見えた今にして思えばこれはゾーンと言われる人間が常に自分にかけているリミッターが外れた状態の事だったんだと思う。
だが当時の俺はその試合に勝てればこの先の何もかもがいらないと思っていた今この瞬間死んでもいいと思えるくらいその試合に俺の全部をかけていた。その試合には見事勝つことができただがその後体には大量の蕁麻疹が出た。
すぐに医者にかかった結果、体を酷使し続けなおかつ精神がとてつもないプレッシャーに耐えれなくなり体に蕁麻疹として症状が現れたらしい。
俺はすぐに医者に聞いた俺はまだバドミントンができるのかと。
医者の診断では俺はもうできないと言われた、俺はどうやら選手としての寿命を使い果たしてしまったようだ。症状が何回も出てこのまま悪化すると気管支にも蕁麻疹が出たとき呼吸困難になって万が一死んでしまうかもしれないと言われたからだ。
俺は悔しかったバドミントンがもう続けれないということに。
だが俺はその時出せる全力を出した結果がこれならしょうがないと納得は出来た。
後悔がないかと言えばうそになる。もっとバドミントンはしたかったしこの先まだまだ強くなれたのにとか大好きなものが出来なくなったことは悔やんでも悔やみきれない。
だが俺はその時の自分の全力を出した結果だからこそ納得が出来た。
それからバドミントン部をやめてからの俺の日常は灰色だった。何をやってもつまらないそして何よりもバドミントンのように自分のすべてをかけて打ち込んでいたものを失ったことで虚無感に襲われていた。
だが俺の過ごしてきた時間はなにもバドミントンをやってきた時間だけじゃないことをバドミントンから離れた時間が選手として過ごしてきた時間はなにもバドミントンだけではなく俺に大切な仲間や大切な親友がいたことを俺に思い出させてくれた。
その時に俺は自分の過ごしてきた時間にはたくさんの意味があったんだと思えた。
けどそれはきっと一瞬一瞬全力で生きてきたからなんだと思う。
人は道を歩んでいるときは今この瞬間が人生のすべてのように思ってしまうが少し先の自分が振り返った時その時には気づけなかったいろんな大切なものに後から気づけるのだから。
「懐かしいことを思い出したな」
どうやら俺は屋上にきて眠ってしまっていたらしい。そろそろ最終下校時間なため帰ることにした。
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