第18話もふもふと殲滅再び。

 風猿に案内され、ゴブリンの棲家が見える場所に到着。


 さてと、戦闘時は従魔6体出せるから、全員出しますか。【ディスチャージ】し、ラビー、アンソニー、ライムを出した。


 アンソニー可愛い。あの厳つい猿はどこへやら。それでも大きいですね。ゴリラじゃなく、こう見るとイェティみたいですね。イエティってほら、ググッたらわかる、雪男みたいな、真っ白な猿人みたいなやつ。白くないけど……。

 もちろん抱きつきました。以外ともっふもっふ。気持ちいい。最高。


 さて、もふもふを堪能したところで、行きますか。

 作戦なんて、特に無し。必要ないでしょ。


 ゴブリンシャーマンとホブゴブリンと、もしホブ、シャーマンより上級が居たら仲間にする事伝える。


【魔獣戦闘モード】


 うるちゃん始め、みな一斉に、元の凶暴な姿に戻る。


 うわ~、怖っ!!よくこんなの仲間にしてるよね。ガチャ様々だよ。こんなのに囲まれたら、チビります。それにしても威圧感半端ないです。


 ――――――――――――


 見張りはゴブリン三体。


 さっそく、うるちゃん率いる狼部隊が【影縛り】で拘束からの噛み砕きで、倒す。そこに、ライムとレモンで処理。


 うるちゃん部隊は棲家から発生する臭気で、目を回したが、気力で持ち直す。無理して来なくても良いと言うが、大丈夫とのこと。


 ゴブ汰を先頭に進ながら、まばらに居るゴブリンを倒していく。それをライム達も処理しながら進む。

 別れ道はなく、更に進んで行くと、広い空間に出た。


 まぁ当たり前だけど、そこにはゴブリン達 が、数えるのもだるい程居る。


「さあ皆さん、好きに暴れてください」


 言うと同時に、皆一斉に飛びかかった。


 うるちゃん部隊は【咆哮】アンソニー軍団とゴブ汰は【雄叫び】をあげた。


 これは鼓膜が破れますね。鳥肌が立った。怒気が凄い。鳥肌程度で済んだのが、我ながら凄いと思った。ゴブリン達もほとんど失神や失禁してますよ。まぁ当然だけど、一方的な惨劇ですよ。残虐、鬼畜。レッサー、風猿は興奮してます。トランスってやつですね。うるちゃん達は楽しんでいる様子。


 さすがにゴブリンを哀れんでしまう。


 生き残ったゴブリンが2体いた。


 なかなかの根性ですね。


「なぁゴブリンよ、俺の仲間になるかい?」


 2体のゴブリンは、お互いに顔を見合う。で、出した答えは、無言で俺に【ぶん殴り】をかますということだった。


 そんな力が残ってましたか。せっかく情けをかけたのに、仲間になる気がないならしょうがないですね。1体を、左手で持っている杖で、ゴブリンの頭を打ち砕く。

 スキルがあったら【脳天かち割り】でしょうか。もう1体を素早く短剣で、ゴブリンの頭を切り落とした。

 杖が鈍器に変わってますね。これでは双短剣の意味がないので、使う時以外は巾着にしまう事にした。あくまで魔族変身グッズの1つだしね。


 周囲を見るとゴブリン達は絶命していた。相手になりません。当然だけど。


 みなさんに、【ダークヒール】をかけた。気休めです。


 はて? ホブゴブリンとか居なかったですね……。

 そこで、ラビーが、地下に続く階段を発見した。


 あ~なるほど。今回は地下道があるのね。この場の処理をライムに任せ、地下に降りていく。


 しばらく行くと、二股になっていた。ここで別れ道ですか。しょうがないから2班に別れた。


 右が、俺、ゴブ汰、うるちゃん部隊チーム。

 左が、レモン、ラビー、アンソニー軍団。


 レモン達に、くれぐれも上級ゴブリンは、仲間にするから、倒さないようにと伝えた。


 進んで行くと、更に二股になっていた。


 え? う~んそうですか。レモン達は大丈夫かな?


「俺1人で右に行くから、そっち《左》は任せたよ。」


 うるちゃん達に言った。


 さらに進むと、これまたさっきよりは広い空間に出た。


 あれ? 見渡すとゴブリンしか居ない。な~んだハズレか。

 数はかなり居ますね。さっさと片付けましょう。


【ソイルボール】【ファイアボール】【ウォーターボール】【ウィンドカッター】


 久しぶりに魔法を放った。無駄に5発ずつ。


 ゴブリン共を弾き、焼き、切り裂き、溺死させる。

 怒号と悲鳴のハーモニーが心地よい。わけはなく……。


 何故5発かって?


《スキル【ファイアボール】のLvが2になりました》

《スキル【ウォーターボール】のLvが2になりました》

《スキル【ウィンドカッター】のLvが2になりました》


 そう、ただ単に魔法のLvを上げたかったんです。

 MP半分は持っていかれたけど。


 さ、うるちゃん達と合流しよ。


 ――――――――――――


 合流すると、ほとんど片付いていた。ゴブリン達とシャーマン1体、レッサーも2体倒れていた。


 ホブゴブリン2体とシャーマン1体が残り、うるちゃんとゴブ汰が睨みをきかしている。ゴブ汰の後ろにレッサーが控えていた。


「アオバ、もう話しはついてある」


 うるちゃんは言った。


「ありがとう」


 うるちゃんの頭を撫でてあげた。


 さすがうるちゃん。なかなか出来た狼さんです。


 ガチャを手に持ち、ホブゴブリン達に向かって言った。


「貴方達は、これより、この中に入って貰います。この地に戻ることは出来ませんが、安住の地となる事をお約束します。よろしいですか?」


 ホブゴブリンとシャーマンは頷いた。


【テイム】&【補充】をした。

 補充をする前、シャーマンに、以前殲滅した時のドロップした儀式の短剣を渡した。持っててもしょうがないから。


 さあ、次行きますか。


 俺はうるちゃんに騎狼きろうし、ゴブ汰はいつの間にか仲良くなったレッサーに騎狼きろうした。


 おお。これがゴブリンライダーですね。

 ゴブリンライダー誕生に感動した。


 レモン達と合流する前に分岐点でライムと会った。どちらに進むか迷っていた。


 ライムに、向こう《右方向》の処理をしてもらうよう頼んだ。

 終わったら外で落ち合うように言った。

 その時、うるちゃんが、レッサーにライムを乗せてあげるよう指示を出した。


「スライム使いが荒い主人だ!!」


 ごめんなさい……。


 そう呟き、ライムは、レッサーに騎狼きろうし、この場を後にした。


 ゴブリンライダーに続き、スライムライダー誕生ですね。俺が知ってるスライムライダーは、スライムに誰かが乗ってるんだけど。しかも、乗りこなしているという。あははっ

 滑稽こっけいな姿に思わず笑ってしまった。


 ――――――――――――


 レモン達と合流すると、既に終わっていた。レモンは処理をしていた。


 さすがですね、わかっていらっしゃる。

 上級ゴブリンは無し、こっちの被害もなし。


 今回の収穫は、ホブゴブリン2体。シャーマン1体でした。なんだか、張り合いがなかったな~。今回は殲滅というより、制圧でしたね。さっさとこんな所出て戻りますか。


 外に出て、ライムを待っている間、レモンにもレッサーを乗せてみた。周囲を走り回っている。とても可愛い。

 既にデフォ化しているレモンがレッサーに乗ってるさま。レモンも落ちないように必死なっている。面白い。これはこれでありですね。

 ゴブ汰も気に入ったらしく、レッサーの頭を撫でいる。レッサーも尻尾しっぽを振っている。


 さて、ゴブ汰お気に入りレッサーをどうすればいいか、レッサーに名前をつけて補充する? う~ん、どうにかしてあげたいけど。ちょっとステータス確認しますか。


 名前:ゴブ汰 Lv13

種族:小鬼 種類:ゴブリン ナイト

属性:土

HP212/212(120)

MP53/53(40)

特技【ぶん殴り】Lv2【ぶん回し】Lv1【雄叫び】Lv2

スキル【挑発】Lv1【HP強化】Lv1【防御】Lv1

筋力B: 精神力:C 敏捷:C ストレス:1


 はい? 何ですか、ゴブリンナイトって。盾持ってるから? 進化したの? いつの間に……。

 そういえば、盾装備した時、一瞬ゴブ汰の体光ったよね。あれかな。あれだよね。それしか思い浮かばない。【挑発】【HP強化】【防御】まで覚えてるし、やっぱり盾職タンクだね。 理想通りです。


 とりあえず、騎狼きろうしたままテイムしたらどうなるか、試してみましょう。


【テイム】


《固有スキル【ガチャ拡張】発動。保有所持が50体に増えました》

《スキル【魔獣契約】を習得しました》

《スキル【魔獣相棒】を習得しました》


 え? なんだこれ?


【魔獣契約】

 主となる者と従となる者の血を1滴垂らすと主従の関係を結べる


【魔獣相棒】

 相棒となる者の血を1滴垂らすと相棒の関係を結べる


 血を垂らす? 何処に? どういう事でしょう?


 とりあえず【魔獣契約】を唱えた。

 すると1冊の黒いファイルと、1枚の紙が現れた。


 紙にはこう書かれていた。


 1.甲は乙を主と、乙は甲を従とするし行動を共にする。

 2.あくまで主従の関係であり甲は奴隷ではない。

 3.乙が甲に対して奴隷又は虐待をした場合は乙に対してが下される。

 4.契約破棄は、甲乙どちらかが申告すれば破棄出来る。又、甲乙どちらかが死亡した場合、契約解消になる。


 なお、契約成立後に甲乙のどちらもステータスupの恩恵が加わる。


 これは契約書ですね。なんだろう。堅苦しいですね。ステータス恩恵は嬉しいとこです。

 これで商売出来ないかな? テイマーじゃなくても魔獣を従える。儲かりそうな気がするけど、お互い言葉分からないから無理か。いや気持ちが通じれば!!でも好き好んで凶暴でグロい姿の魔獣を従える人はいないか。

 あっでも獣人にだったらイケそう!!


 ファイルを開くと1枚の白紙の紙が綴られていた。


 白紙ですか。もしかして、ここに血を垂らすのかな?


 ゴブ汰に【魔獣契約書】と【魔獣相棒】どちらがいいか聞いてみたがゴブ汰が即答した。



【魔獣相棒】を唱えた。

 すると、1枚の何も記入が無いゴールドカードが現れた。


 おお、キラキラしている。

 もしかして、ここに血を垂らすのかな?


 試しにゴブ汰とレッサーの血を垂らすと、カードにゴブ汰とレッサーの名前が刻まれた。右下端に➡のマークがあったのでタップしてみると、なんとゴブ汰とレッサーの姿に変わり、それぞれのステータスも記入されていた。


 裏には注意書きが書いてあった。

※魔獣のステータスは自動更新されます。

※相棒解消は基本出来ません。(死亡した場合以外)


 まさかこんなカードが手に入るとは。見るだけでワクワクします。

 子供の時に集めたトレーディングカードを思い出しますよ。集めたい衝動にかられた。


 どう変わったか【鑑定】し確認した。


 名前:ゴブ汰 Lv13

種族:小鬼 種類:ゴブリン ナイトライダー

属性:土

HP212/212(120)

MP53/53(40)

特技【ぶん殴り】Lv2【ぶん回し】Lv1【雄叫び】Lv2【相棒強化】Lv1

スキル【挑発】Lv1【HP強化】Lv1【防御】Lv1

相棒:レッサーウルフ

筋力B: 精神力:C 敏捷:C ストレス:1


 名前:なし Lv10

種族:狼族 種類:ゴブリンナイトライダー

属性:土

HP120/120(50)

MP80/80(50)

特技【影縛り】Lv2【噛みつき】Lv2【咆哮】Lv2【脚力】Lv2【体当たり】Lv1【落狼らくろう防止】Lv1【スタミナ】Lv1

相棒:ゴブ汰

筋力:C 精神力:C 敏捷:B ストレス:1


 ほえ? ゴブリンナイトライダー? 何か凄い種類になりました。なるほど、確かに相棒関係になってますね。かっこいい~。 ゴブ汰はステータス変わってない。特技に【相棒強化】レッサーは【落狼らくろう防止】【スタミナ】が加わりましたね。

落狼らくろう防止】って。


 レッサーもファミリー恩恵のせいか、強くなってんですけど。しかも進化した? 一回りも大きくなってる気がする……。


 こちらは契約みたいな恩恵はないみたいだね。


【補充】は一緒になるか試した。コブ汰を補充したらレッサーも補充された。


 なるほど、セットってわけですね。


【ディスチャージ】した。やっぱセットだ。一緒に出てきた。なら、名前付けても平気だよね。


 とにかく、可愛いい。デフォ化のゴブ汰とレッサーがとても愛らしい。


 ゴブ汰に、レッサーに好きな名前付けなと言ったら、「おやつ」と答えた。おやつって……食べる気なのでしょうか……。レッサーに名前を付けてあげた。


 名前:おやつ Lv10

種族:狼族 種類:ゴブリンナイトライダー

属性:土

HP140/140(50)

MP90/90(50)

特技【影縛り】Lv2【噛みつき】Lv2【咆哮】Lv2【脚力】Lv2【体当たり】Lv1【落狼らくろう防止】Lv1【スタミナ】Lv1

主:ゴブ汰

筋力:C 精神力:C 敏捷:B ストレス:1


 カードを確認した。レッサーの名前がおやつに変わっていた。ステータスは変わってなかった。が、ステータスの右下端に➡が追加された。タップするとゴブリンナイトライダーの姿が写ってた。


 ヤバい可愛い。おやつもゴブリンナイトライダーの姿もデフォ化されてる。このカードだけでご飯が食べれます。


【魔獣契約】と【魔獣相棒】か~。これシーナ喜ぶよね絶対。


 獣人相手の商売でも考えてみますか。


 ライムとレモンにもレッサーに乗るか聞いてみたけど、酔うから遠慮するとの事。スライムが酔うとか、笑う。


 さて、どのくらいゴブリンは居たのでしょうか。

 ライムとレモンにドロップ品を出してもらった。


 小魔核コア×132 中魔核コア×1

 銅×596 青銅×101 銀×42 金×8

 コイン27枚入れた。


 どんだけ居るんだよまったく。

 相変わらず、ゴブリンは小金持ちです。


【鑑定】したアイテムに儀式の短剣があった。

 どうやら、気づかないでシャーマンを倒していたらしい。また儀式ですか……。

 魔力の指輪(MP20増幅)もあったので、ゴブ汰にあげた。MPが少ないゴブ汰は喜んでいた。


 残りのレッサー2体と風猿3体と、アンソニー、ライム、レモン、ラビーを【補充】した。


「さて、この棲家を破壊して戻りますか」




 ――――――――――――――――――――


 ギルドに戻り、マシェリさんに報告した。


「ほんとに、この数をお一人で?」


 魔核コアの数を見て、さすがにマシェリさんも驚いていた。


「たまたまたですよ。それに従魔が優秀なのです」


 たまたまって、何だよ、どんなごましかですかね。ちょっと苦笑した。


 マシェリさんはまた何も言わず、報酬だけ渡した。


 依頼報酬。銅貨×21 青銅貨×1 銀貨×5

 ファミリー報酬。銀貨×6

 ゴブリン、レッサー、風猿小魔核コア×156 中魔核コア×1

 合わせて156銅貨 1青銅貨 。


 後はEランク昇格のみとなった。掲示板を見たら、Eランクの依頼に、風猿の素材系があった。風猿はEランクでしたか。まぁこれは昇格したら、受けよ。素材はあるしね。


 ホームに帰ると、うさ子がお出迎えし、俺の頭に乗った。何か久しぶり。


「ただいま、うさ子」


 うさ子を撫でながら言った。


 みんなはまだ帰ってきてないみたいですね。



 とりあえずお腹空いたので何か作りますか。と思ったけど作るの面倒くさいから、何か食べに行きましょ。


「うるちゃんにうさ子、お留守番よろしくです」


 そう言い、ホームを後にした。



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