第16話 もふもふと依頼。

 家に着くと、庭の一部が馬小屋と馬車を停めるスペースが出来ていた。

 馬小屋には馬2と、馬車1台が停まっていた。

 家に入り、リビングに行くと、ライム達とレスガーシュさん達が、戯れていた。


「おかえりアオバさん、見たとは思うけど馬車を置くことにしたけどいいよね?」


「全然構いませんよ。ちゃんと馬の世話してくださいね」


 そう言い自室に戻った。うさ子も着いてきた。

 しばらくうさ子と遊んでいた。


 ――――――――――――――――――――


 カーンカーン、カーンカーン


 夕刻の鐘が鳴った。


 おや、早いですね。あっという間に飯時ですか。


 では、装備を取りに行きますか。シーナとイスカ、ゴブ汰を呼んで、武器屋へ向かった。うさ子はラビーに預けた。


 途中、イスカとゴブ汰が仲良さそうに話しているのを、シーナはうらやんで見ていた。ゴブ汰達と話せなのをとても残念がっていた。


 会話が出来ないのはもどかしいよね。言葉を理解さえ出来れば……方法はあるといえばあるけど。


 武器屋に着いてコツゲンさんからそれぞれ武器を手渡された。


 付加宝石エンチャントジュエリーを埋め込むにもそれなりの力と魔力を使うらしかった。バランスが難しいらしい。失敗すると、割れてしまう。ストーンならまだしも、宝石ジュエリーだと細心の注意を払わないといけない。精神的にシビアだと言う。それを無料にしてくれるなんて、さすがです、コンゲツさん。


 みんな、それぞれ受け取った武器を見て、感激していた。確かにかっこいい。一際目立つ輝きを放っている付加宝石エンチャントジュエリーを、くわえている龍が今にも動き出しそうです。


 シーナはその軽い大剣を背負った。

 白銀色の大剣に薄らと赤いオーラを纏っている。

 いや~目立つよシーナ。可愛い姿とのギャップ萌えです。


 イスカのクナイも赤いオーラを薄ら纏っている。三本づつ、既に太ももに装着されたホルダーに入れる。かっこいいし、セクシーです。


 ゴブ汰も自身より大きな棘付き棍棒を手に持つ。こちらは茶色のオーラを薄ら纏っている。今の姿とのギャップ。これはこれで可愛い。元の姿になったら……。


 俺も両脇に装着したホルダーにそれぞれ短剣を入れる。左に光のオーラを纏った短剣。右に闇のオーラを纏った短剣。持ち手の龍と付加宝石エンチャントジュエリーがアクセントになっていてかっこいい。


 そして杖。杖はとぐろを巻いている龍が両手で付加宝石エンチャントジュエリーを持っていて、光とも闇ともいえない、いやどちらかと言えば闇寄りかな。オーラを纏ってる。口は大きくえている感じでひらいている。多分ここから魔法が出るのでしょう。

 杖はなくても魔法を放てるが杖を使えば威力倍増かな?


 俺は武器を、両脇に短剣、腰にガチャ、右手に杖を持つ。

 何か凄いですね。苦笑した。


 みんな満足し、コンゲツさんにお礼を言って店を出る。


「いつでも来てくれ。これからもご贔屓ごひいきに」


 次いで防具屋。

 カンゲツさんから、ゴブ汰は大盾を受け取った。

 こちらも茶色のオーラを纏っている。盾1面に鳳凰ほうおうの装飾に付加宝石エンチャントジュエリーが付き、なかなかかっこいい。ゴブ汰は気に入った様子。軽く振り回す。凄いぞゴブ汰。武器にもなりそです。それを背中に装着する。ゴブ汰が一瞬光った。

 みんな、マントが欲しいと言いだしたので買ってあげた。


 シーナは赤いマント。何故赤? 余計目立つよ。まぁマントのお陰で、可愛いいだけじゃくかっこいよくも見えるね。


 イスカは黒のマント。うん、かっこいいですね。似合う。くノ一より、暗殺者に見えます


 ゴブ汰まで欲しがった。茶色のマント。何かもうゴブリンに見えなくなって来たよ。ついでにゴーグルも与えた。似合いますね。タンク職の、緑色のちっさいおっさんって感じだよ。


 計9銀貨。


 お礼を言って店を出る。


「また来てな。コンゲツ共々ご贔屓ごひいきに」


 装備も整ったし、何かクエストでも受けますか。もう暗くなるし、1つだけでも。


 ギルドへ行き、掲示板にちょうど良いクエストを探した。


 何かないかな~。ありましたね。


『レッサーウルフ討伐』

 ランク:F

 内容:レッサーウルフ10体討伐する事

 報酬:銅貨6枚

 ポイント:1

 期間:2日以内

 依頼元:ブランモン冒険者ギルド


『レッサーウルフの素材』

 ランク:F

 内容:レッサーウルフの肉×5 毛皮×5を採取する

 報酬:銅貨10枚

 ポイント:1

 期間:当日

 依頼元:ブランモン冒険者ギルド


 新たなもふもふですね。早くもふもふしなければ。


 マシェリさんに依頼書を渡し、出現場所を聞いた。

 街を北に行けば居るらしい。


 早速向かった。


 ゴブ汰は大盾を手に持ち振り回している。棘付き棍棒は、背負っている。はしゃいでます。イスカもゴブ汰と楽しそうに話している。そんな2人を見つめるシーナ。うーん、決めましたよ。後で良い物をプレゼントしましょう。そう思いながら、シーナの頭を撫でてあげた。


 それにしても現われませんね。途中、拳闘兎ボクシングラビットが5体居たので肉と毛皮を採取した。イスカがあっという間に倒した。


 さらに歩いているとイスカが言った。


「アオバ様、あそこ見てください」


 左の方を指指すと、軽い丘になっていて、その頂きに狼らしき群れがいた。


 10体以上いますね。赤いのが、多分レッサーウルフでしょう。黒いのは何かな。大きな黒い狼が2体。その周りに赤い狼。


「アオバさん、レッサーウルフと、あれはダークウルフかシャドウウルフですね。ダークならランクD、 シャドウならランクCだけどBでもおかしくない強さです」


 なるほどね。早くもふもふしたいな。


 ちょっと遠いな。鑑定届くかな。【鑑定】おっ届いた。


 名前:なし Lv20

種族:狼族 種類:シャドウウルフ

属性:闇

HP140/140

MP80/80

筋力:C 精神力:C 敏捷:B ストレス:2


 名前:なし Lv5

種族:狼族 種類:レッサーウルフ

属性:土

HP15/15

MP5/5

筋力:D 精神力:D 敏捷:D ストレス:3


 シャドウウルフですか。ステータス高いですね。HP140もあるよ。

 これは是非仲間に。レッサーも一体は仲間にしないと。


「みなさん、あれはシャドウウルフですね」


「アオバさん分かるんですか?」


 あっ鑑定は出来ない世界かな、今更だけど、当たり前の様に鑑定してたよ。


「何となく見た感じで、そうかな~て。ほら俺、魔獣と過ごしてた人間だよ」


 シーナが疑いの目で俺を見ている……。


 対する仲間のステータスはどうかな。


 名前:シーナ・プルモア Lv15

種族:人間 性別 女 年齢:15

職業:戦士 ランク:F

属性:火

HP85/85(+50)

MP85/85(+70)

スキル【身体強化】Lv1【ファイアスラッシュ】Lv1

筋力B: 精神力:C 敏捷:C ストレス:3


 名前:ユズ・イスカ Lv:6

種族:猫耳人 性別:女 年齢:17

職業:くノ一 ランク:F

属性:火

HP62/62(+50)

MP230/230(+170)

スキル【身体強化・敏】Lv1

筋力:C 精神力:C 敏捷:B ストレス:2


 名前:ゴブ汰 Lv6

種族:小鬼 種類:ゴブリン

属性:土

 HP177/177(+120)

MP40/40(+40)

特技【ぶん殴り】Lv1

筋力B: 精神力:C 敏捷:C ストレス:2


 いい感じに上がってますね。いけるかな?

シーナとイスカは、まぁ大丈夫でしょう。てか

てか、イスカのMPが上がり過ぎ。ゴブ汰にMPがついてる。付加宝石エンチャントジュエリーの効果かですね。


 するとシャドウウルフが咆哮ほうこうした。耳が痛い。体の芯から震えるほどの雄叫びだった。すると、シャドウ・ウルフをせんとうに、一斉にこちらに向かって突進してきた。


 顔がハッキリと見えて来ましたね。いや~怖い。鋭い目つきで血走っている眼。牙は剥きすぎの涎垂れすぎです。なかなかの凶暴さ。


「みなさん、依頼以外のレッサーは1、2体は仲間にしたいので倒さないでね。シャドウも一体は仲間にしますからね」


 みな頷き、それぞれ身体強化した。俺も【魔獣戦闘モード】唱えた。


 ゴブ汰が凶暴化た。グロいってより、何かもうかっこいいです。大盾を前方に置き構えている。そのすぐ後ろにシーナとイスカと俺。


「うわ、何ですかこれは? 力がたぎる」


 と、イスカ。


 ウルフ達は目と鼻の先まで迫った。


「さあ、みなさん気合い入れて、いきましょう。怪我をしても、すぐ回復しますので、安心してください」


「はい」

「おっしゃ~!!」

「ワカッタ」


 イスカさん気合い十分ですね。


 レッサーの群れが一斉に、ゴブ汰に体当たりするもビクともせず、構えていた大盾で【ぶん殴り】をかます。すかさず大盾をぶん回し、レッサーを弾き飛ばしていく。やっぱそう使いましたか。何となく予想は出来たけど。


 ゴブ汰が、雄叫びを上げながら、ケラケラと笑っている。


 そして、左手に大盾を持ち直し、右手で、背中から棘付き棍棒を抜き、レッサーを打ち砕く。大盾でもレッサーを叩き砕き、そして潰す。


 怖いです。ゴブ汰さん……。貴方は立派なサイコパスです。


 シャドウがシーナの周りを縦に横に駆け回りながシーナを引っ掻いていく。対してシーナの攻撃は当たらない。分が悪いですね。


 俺は右手で構えた杖をシーナに向け【ヒール】を唱えた。すると、龍の口が光り、シーナを回復していく。これはかっこいい。同時に、左手で【ダークヒール】を唱え、ゴブ汰を回復。ゴブ汰はまぁ気持ち的に。


「シーナ、大丈夫だから落ち着いて」


 レッサーの何体かは、俺に突っ込んでくるが杖で殴り倒し、頭蓋を割る。短剣を抜く暇がなかったんです。



 イスカは、もう一体のシャドウと攻防を続けている。


 お互い速いですね。が、イスカがだんだんシャドウを押していく。恩恵と身体強化と戦闘モードかけてあるからね。速いですよ。野生化した猫は凶暴です。怖かです。イスカも笑ってる。くノ一じゃなく、狂戦士ですね。職業間違えてるよ?


『ゴブ汰&イスカ。サイコな二人』


 これを題名に、何か映画でも作れそう。


 などど思っていたら、シャドウが、突然地面から影を出し、イスカを拘束した。


「――――っ にゃっ? 動けにゃい」


 シャドウがイスカを噛もうとしいる。


 危い!!


 咄嗟に俺も【捕縛の鎖】を放ち、シャドウを捕縛した。


 イスカは拘束から解かれた。


 シャドウはこれには驚いた。


「誰ぞ、妾を捕らえたのは」


「あそこにいるアオバ様ですわ」


 イスカは、俺を指し言った。


「シャドウウルフさん、ちょっと待っててくださいね。先に向こうを片付けますので。イスカ、さっき『にゃっ』て言ったよね。ね。猫が出ましたね」


 俺はそう言い、ニヤニヤしながらシーナの元へ向かった。


【スターヒール】


「シーナ、どう? 倒せそう?」


「速いです。全然攻撃が当たりません」


 そうか。俺はシャドウの傍へ駆け、耳元で叫んだ。


「わっ!!」っと。


 シャドウは驚ろき怯んだ。


「シーナ今です」


 シーナも驚いたけど、俺の呼び掛けにハッと我に返り、シャドウを素早く斬り伏せ、体を2つに割った。


《アオバ・ミネギシのLvが16になりました》

《アオバ・ミネギシのLvが17になりました》

《アオバ・ミネギシのLvが18になりました》


 3も上がったよ。


 ゴブ汰もレッサーを一掃していた。


「さて、シャドウウルフさん、俺の仲間になりますか?」


「よくも仲間を殺ってくれたね。人間ごときが妾を捕らえるとは、妾も落ちぶれたものだ。いや、お主、人間か?」


「まぁそれはお互い様ですよ。殺るか殺られるかでしょ。落ちぶれてませんよ。ただ貴方が油断しただけです。てか、俺は人間です。」


「油断……確かにそうかもね。人間……魔を感じたのは何故だ? 面白い人間だ。 仲間になろう」


 魔を感じた? 何を言ってんだろうか。さて、このシャドウさんは名前を付けないとね。


「うるちゃんがいい」


 シーナが言った。


 うるちゃんって。


「もっとかっこいい名前ないの? シャドウウルフだよ。狼オブ狼だよ。うるちゃん……」


 そう言うと、【捕縛の鎖】は解かれ、シャドウウルフはテイムされた。


「「へ??」」


 俺とシャドウウルフは素っ頓狂な声を出した。


 まだ【テイム】って言ってないけど?……。


 こうして、シャドウ・ウルフこと、うるちゃんは仲間になった。


 名前:うるちゃん Lv20

種族:狼族 種類:シャドウ・ウルフ

属性:闇

HP210/210(+50)

MP140/140(+50)

特技【咆哮】Lv3【影縛り】Lv2【噛み砕き】Lv2【引き裂き】Lv2【脚力】Lv3

筋力:B 精神力:C 敏捷:A ストレス:1


 特技が多いですね。イスカを拘束してたのは【影縛り】でしたか。これは使えますね。【噛み砕き】に【引き裂き】何だか怖い。たれ? 脚力あるのにイスカが優先だったのは、使わなかった?

 まぁ何にしても、うるちゃんは頼りになりそうです。


【ダークヒール】してから【補助】した。


「なんですのこれはああぁぁぁぁ」


 言いながら吸い込まれて行った。


《固有スキル【ガチャ拡張】発動。保有所持が30体に増えました》


「イスカ、レッサーとシャドウの解体よろしく」


 イスカは頷く。俺はイスカに肉切り包丁を渡す。イスカは黙々と解体作業をこなしていく。俺は魔核コアとコインを拾っていく。


 おっGODコイン発見。確か、好きな従魔を呼び出せるんだよね。


 生き残っているレッサーはいるかな?


 居ましたね3体も。瀕死です。3体共仲間になると言うので、回復してあげ、補充した。


《スキル【テイム】はLv3になりました》

《スキル【ダークヒール】はLv2になりました》


 すっかり暗くなってしまった。


 イスカも解体終了。


 残骸は、ライム居がないから処理出来ませんね。仕方ない、そのままにするしかないですね。


 レッサー魔核コア×16 肉 ×16 毛皮×16

 シャドウ魔核コア×1 肉×1毛皮×1

 コイン×3 GODコイン×1



 ――――――――――――――――――――


 ギルドに戻りマシェリさんに報告した。


 余った素材はどうすれば良いか聞いたら、買取も可能だし、同じ依頼書が残っていれば、達成したことにしてくれるとのこと。1枚残ってた。後、『拳闘兎ボクシングラビットの素材』依頼書を渡し、素材も渡した。

 余りの拳闘兎ボクシングラビット魔核コア×5 レッサー魔核コア×6 毛皮×1 シャドウ魔核コア×1も渡した。


 マシェリさんはシャドウウルフを倒した事に大変驚いていた。だって、俺はFランクですから。


 肉は自分達で食べます。

 シャドウの毛皮は、何とゴブ汰が、シャドウのマントを欲しいと言いだした。コートじゃなくてマントですか。なかなか洒落てますね。ガンテツさんに頼んで作って貰おうかなと思い、巾着にしまった。



 本日の収穫。

 討伐の報酬 6銅貨。素材報酬×3 30銅貨 拳闘兎ボクシングラビットとレッサーの魔核コア×11銅貨 シャドウの魔核コア3金貨


 ファミリー報酬

 1依頼に付き、1銀貨。4依頼なので4銀貨。


 ランク3のファミリーは1銀貨から報酬が入るらしい。素晴らしいシステムです。


 ファミリー口座を作るか聞かれたのでお願いした。

 ファミリー報酬が自動的にその口座に入るらしい。

 引き出せる人は、家長か代理。もしくは一任された人。



 依頼のランクポイント4が入り、 Eランクまで後40。



 それから1度ホームに帰り、みんなで、『冒険の舌』で飯を食べて本日の活動終了。


 ちなみに俺とシーナがLv3 イスカとゴブ汰がLv6上がりました。






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