第8話 もふもふとゆっくり。

 今は何時くらいかな? レモンがお腹の上で跳ねてるおかげで起きた。というか、起こされた。


 まだ疲れが残っているものの、お腹が空いたので居間へ行く。俺の分の朝食が置かれていた。ママさんいわく、姉弟が起こしても起きて来なかったので、俺以外はみんな先に朝食を済ませたとの事。俺の分はちゃんと残して置いてくれていた。


 ママさんの微笑みが素敵。なんか勘違いしそうですよ。相変わらずの美しさです。さらに癒し系な人だ。


 朝食を食べてから、今だ目覚めぬ少女のところに行った。ママさんが付き添っていた。

 しかしよくみると、まだ幼さの残る少女って感じで、銀髪が特徴的なストレートロング。顔も可愛らしい。身長はそれほど高くはない。

 可哀想そうに。よっぽど怖い目にあったんですね。


 ママさんにお礼を言い、自分の部屋に戻った。


 部屋に戻ると、床にばらまかれている大量の物体に目が止まった。よく見ると、魔核コアやら通貨などだった。

 ライムに聞いたら、レモンと遊んでいて、ボディアタックをくらって、たまらず吐き出したらしい。ついでだからと全部吐き出したってさ。


 昨日のドロップ品、こんなにあったのね。整理するのが面倒臭いですね。渋々、ダラダラとしながら整理したら、小一時間くらいですかね。時計がないからわからないけど、だいたいそのぐらい。かかってしまった。


 小魔核コア×96 ゴブリン 中魔核コア×1シャーマン 大魔核コア

 ×1ホブってとこかな。それにコイン22枚。


 こんなにゴブリン居たんだ。数えてみると、改めてゴブリンの多さに驚かされた。そりゃあ疲れる。もう二度とごめんですね。でも一つの棲家にこんなに居るもんかな?


 銅×184 青銅×110 銀×5 金×3


 これは通貨だね、ゴブリン結構持ってますね、有難く頂きます。通過の単価は、ママさんにでも聞きますか。


 後は、シャーマンが使っていた杖。魔法を飛ばしてたやつね。シャーマンが被っていた物。そしてあまり触りたくないやつが2つ。見た感じ、黒いオーラみたいなのが見えるもん。1つは、あれですよ。遺体に刺してたやつ……絶対そうだよ。


【鑑定】した。


 名前:ゴブリンシャーマンの杖

特徴:火属性魔法を放てる。

付加エンチャント火属性


 名前:ゴブリンシャーマンの被り物

特徴:被ってるとシャーマン気分になれる


 名前:ゴブリンシャーマンの儀式の短剣 

特徴:儀式の時に使う。


 名前:陰執眼ストーカーの指輪

特徴:装着者は何者かから常に見られている気配を感じる


 この杖火属性付いてる。いいね。よく見るとドクロがアクセントとなってカッコいいな。何かの動物かな、角生えてるし、しかも目に赤い宝石が埋め込まれてる。これは付加石エンチャントストーンってやつかな。これで火魔法が使えるのですね。

 被り物はシャーマン気分……。まぁこれも角生えたドクロで出来てちょっとカッコイイけど。


 で、問題の……ほらやっぱり……シャーマンは、いったいどんな儀式してたんだよ。それより何でこんなのドロップするかな~。そして、さらに問題の指輪ですよ。なんですか、常に見られているって。ストーカー……呪いの指輪かな。


 ゴブ汰に杖と被り物を欲しいか聞いてみたけど、要らないと即答された。魔法使えるよって言ったらちょっと興味を示し、チラッとだけ杖を見た。


 コインはコインケースに杖は俺が持ち、それ以外は全て巾着にしまった。


 ついでにステータス確認しますかね。


 名前:アオバ・ミネギシ Lv5

種族:人間 性別 男 年齢:20

職業:テイマー

属性:光・闇

HP440/440(+200)

MP1080/1080(+500)


 固有スキル

【補充】【ガチャ拡張】【コイン獲得】

【天使の慈愛】Lv2【堕天使の加護】Lv1【天魔召喚】Lv1【言語理解】


 スキル

【Monster Paradise】【捕縛の鎖】Lv2

【テイム】Lv1【ネーミング】

【ディスチャージ】【魔獣戦闘モード】Lv1

【鑑定】Lv2【言語理解】Lv2


 魔法

〖スターヒール〗Lv2〖ダークヒール〗Lv1

 

固有魔法

【属性魔法】【ソイルボール】Lv2 【ウィンドカッター】Lv1

【ウォーターボール】Lv1【ファイアボール】Lv1


 捕縛さ、一瞬しか見なかったけど、確かゴブリンを刺し殺したよね? 今度確認してみよ。魔法はそれなりに威力ありそうなんだよね。


 名前:ライム Lv7

種族:スライム 種類:ライムスライム

属性:水

HP 24/24

MP49/49

特技:【ポイズンミスト】Lv2【処理速度】Lv3

筋力D: 精神力:C 敏捷:D ストレス:1


 特技が増えてる。【処理速度】って。処理ばかりさせてたから……。


 名前:ゴブ汰 Lv6

種族:小鬼 種類:ゴブリン

属性:土

HP57/57

MP0/0

特技【ぶん殴り】Lv1

筋力C: 精神力:D 敏捷:D ストレス:1


 体力が凄すぎじゃないですか? MPないからその分かな? ゴブ汰に盾持たせればタンクになる? 盾でぶん殴りさせるってのもありかも。


 レモンは今回は変わりなし。


 すっかり忘れてた【MonsterParadise】略してモンパラ。見ようと思います。

 魔法のルーペを取り出し、中を覗くと、なっなんと、ただ洞窟と湿地があるだけ……。だけども、空も太陽までちゃんとある。よく出来ている。一見外から見ると、ただの何かの入れ物にしか見えないが、魔法のルーペを通して見ると中の世界がよく見える。


 ゴブリン達が、居ませんね。あの洞窟の中かな? 隠れてる?

 それならば。と思い、ゴブ汰とついでにライム達もモンパラに入れ、観察をしようと思います。ゴブ汰には洞窟の中にゴブリン達が居たら外に連れ出し、上を見て手を振ってみてと指示をする。ライム達を【補充】し、中に入れた。


「可愛い、これは癒される!!」


 ガチャの中の世界で、デフォになっている、ライムとレモンは湿地で跳ね回り、遊んでいる。仲がいいですね。

 ゴブ汰はゴブリン達を外に連れ、みんなで手を振っている。やばいっ!! これはキュン死だっ!!

 ずっと見ていられる。まさに魔獣の箱庭。今は2種だけど、数が増えればそれだけ魔獣の世界が広がる。


 まさしく俺は創造主。魔獣達の!! な~んて、大袈裟な事を思ったりした。


 全ての魔獣を集めたくなりましたよ。夢と希望と癒しがこの中にある。俺のテイマーとなった意義がここにある。今日より俺は全ての魔獣を集める。俺は魔獣王になる!! なんてね。


 魔獣をコンプする事をここに誓います。神様、この武器を作ってくれてありがとうございます。この日初めて神様に感謝した。前世でもしたことないのにですよ。




 ――――――――――――


 それからしばらくして、お腹も減ってきたので、昼食を、まだ行っていない定食屋で取ることにした。

 ママさんに断りを入れ、ついでに、通貨のことを聞いた。


 通貨

銅貨 青銅貸 銀貨 金貨 の4種

銅貨10枚=1青銅貨 青銅貨 10枚=1銀貨

銀貨10枚=1金貨

とのこと。物価の価値は実際売買しないとわからないですね。


 ママさんにまだ渡してなかった、きのこを全部あげた。もちろん食べれるやつ。とても喜んでくれた。手を握ってきたので握り返しましたよ。気のせいかな、ママさんが頬をほのかに朱に染め俯いた。おやおや、これはもしかして、気があるんですかね。微笑んだ。


 定食屋に来た。こじんまりとしてて居心地が良さそうな店だった。


「いらっしゃい。おや、あんたが噂のテイマーかね」


 俺の身なりを見ておばちゃんは言った。ん~確かにこの格好は目立ちますね。何か考えないとな。

 おばちゃんに案内され、テーブルに着いた。


「噂とは?」


 ラズベリーさんの娘達を助けてくれたこと。森で少女を助けたこと。可愛いらしい魔獣を使役していること。


 なるほどそう言いうとですか。それより、ママさんはラズベリーって言うんですね。これまた、綺麗でピッタリなお名前で。


 それから、牛飼いのおっさんオススメのキイ牛のステーキを頼んだ。出てくるまで店を観察した。お客はぼちぼち居て、ほぼこの村の住民かな?。後は他所の街に行く途中に寄った客って感じですかね。


 おばちゃんがステーキを運んできてくれた。

 さすが、おっさんオススメだけあって美味しい。ジューシーで肉厚。口に入れた瞬間とろけるような柔らかさ。味つけは塩だけ。ソースなんて要りません。

 表現の乏しい俺には、グルメレポートなんで出来るはずもなく、これが精一杯です。きのこのスープも付いている。ママさんとは違う味で、これはこれで美味。


 サービスにエールをご馳走してくれた。エールとは前世のビールと同じでしょう。こちらは、ほのかな苦味に、甘いフルーティな味わいにシュワーとして、キレのあるのどごし。そんな感じ。エールの方が俺は好きですね。


 おばちゃんにご馳走様を言って、家へ戻った。ちなみにご飯代は銅貨5枚でした。


 家へ戻った俺は目覚めない少女を一瞥いちべつしてから部屋へ戻る。


 まさしく眠れる森の美女ですね。王子様がキスでもすれば起きるのかな? などと思い、姉弟と遊び、時間を過ごした。


 夕飯も食べ、自分の部屋でモンパラを眺めながら就寝した。もちろん姉弟も来たが、今日はレモン達は休んで居ないと告げた。一瞬残念そうにしたけど、俺と一緒に寝たいと言うので寝てあげた。なんて可愛い姉弟何でしょう。自分の妹弟に思えてくるよ。



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