第4話 もふもふと初テイム。

 う~んそれにしても、グロいですね……。

どうしますかね。

 これがリアルスライムか~。仲間にしたくないけど……。


 倒したスライムをみるとドロドロに溶けていた。

 うっ!! 気持ち悪い……。でも一撃って、スライム弱すぎですね。当たり前か、HP3しかないしね。


 そしてさっきから、他のスライム達が俺を喰らおうとしたり、体当たりしてるんだよね。全然効いてないけど。顔が必死で怖い。


 ビシャッ!!


 ビシャ? 体に水が飛んできた。どこから?


 ビシャッ!! ビシャッ!! ビシャッ!!


 ………… 飛沫しぶきが飛んで来る方向を見ると、なんとあのレモンスライムが口から水を飛ばしてくる。


 怖っ!! 水を飛ばしている顔が怖いんですけど、てか、スライムってこんな魔法使えるの?


 ビシャッ!!


「ええい鬱陶うっとうしい。」


「この人間強いぞ!!」


「おまえらが弱いだけだぞ!?」


「 人間が我の言葉がわかるのか?」


「そうみたいだね」


残念ながらわかるんですよ。こんなんだったらわかりなくなかったよ。


 そうだ、せっかくだから魔法を使ってみますか。

 腰に手をやると、あれ? ガチャがないぞ。


 ?? どっかで落としたのか……。やばっ!


 その場でバタバタクルクルキョロキョロしてる俺を、スライム達が不思議そうに、同じように目をクルクルしながら上を見ている。


 ……? スライムは何を見てる? そう思い、上を見上げると。


 ――――――なっ!! ガチャッ!!


 そう、ガチャが俺の上で浮いている。


「えっっ? どういうこと?」


 意味がわからない。そりゃそうでしょ。ガチャが空を浮いているなんて、誰が想像出来ます?


 もしかしてこのまま魔法打てんのかな? しっかりと照準はスライムに定めてるし、自動照準ですね。試してみますか。どれどれ、スライムの属性は水だから弱点は土だよね。


 魔法名がわからない。土魔法でいいかな?


「え~と、いでよっ違うな。よし、ガチャよ、土魔法放て~~。」


 すると、ガチャの蓋が開き、中が茶色く輝き出し、土の球が勢いよく発射された!!


 ポンッッ!!


「ポンッ?」


 スライム達もその発射された土の球を見つめていた。


《固有魔法【ソイルボール】を習得しました》


「ソイルボール……か」


 ソフトボール位の大きさだね。


 そのままソイルボールは弧を描くようにスライム達へ飛んで行き地面に落ち破裂した。


 ボーーンッッ!!


 ――――― おわっ!!


 破裂した土の球がスライム達を弾き飛ばし、消滅させた。


 スライム達は、何が起きたかわからないまま消えていった。


 消滅したと同時にコイン1枚と丸くて黒い小さな結晶かな? 5個が現れた。


 コインゲット。 コインケースに装着した。

 この結晶はなんでしょうか。


 名前:魔核コア

 魔物の体内にある動力源


 魔核コアか~。何に使うのかな。とりあえず、しまう。


 ガチャもいつの間にか定着しいた。

 なるほど、戦闘が始まれば空に浮き、終われば元に戻ると。


 それにしても、呆気ないですね。スライムじゃ比較できませんね。


【ソイルボール】土魔法

土の球を放つ


あの気の抜けたモーションからは、とても想像つかない威力? が、凄かったのかな。


 ステータスを確認した。MPが30減っていた。

 30? Lv1で30も持っていくなんて、やっぱ凄いのかな。


 でも、普通に考えたらかっこいいよね。武器が浮いて魔法を放つ。うん、拍子抜けしたけどかっこいいと思う。ハハハッ!!


 横の方で何かがゴソゴソと動く気配を感じた。


「あっ!! ちょっと待って! 生きてたんだ」


 傷を負って、のそのそと這って去ろうとしている、レモンスライムに声を掛けた。


 ……。


 沈黙するレモンスライム。


 どうする? 仲間にする? いやしかし、グロいんだよね。凶暴だし。他の魔獣もこんなのかと思うと気が滅入る。


 でもな~、このスライムレアっぽいんだよね。黄色いし、あっレモン色か。苦笑。


 せっかくだから仲間にしますか。最初の魔獣だしね。


 さてと、ちょっと試すかな。


「【捕縛の鎖】」


 そう言うと、地面から黒いオーラをまとい銀色に輝く鎖が、音もなく出てきて、レモンスライムを締めていく。蛇が獲物を締めるみたいに。


 これはかっこいいですね。


「なあレモンスライムよ。仲間になるかい?」


 一応聞いてみる。ならないならそれで終わりしてあげましょう。


「……なる。仲間になる。」


「えっ? 今何て?」


「いやだから仲間になると……」


「そうかそうか、仲間にならないか。」


 ……。


「冗談ですよ。【テイム】」


 そう言うと鎖は地面に戻り、レモンスライムはテイムされた。


「〖ダークヒール〗」


 左手から暗黒の光が出、レモンスライムの傷を癒した。


「おおお!! 傷が癒えていく!! ありがとうございます。ご主人様。」


 うっ!! ご主人様……その顔で言われると怖い……

 マジでビビる。夜とかに絶対近づいて欲しくない!


「名前ないよね 。付けてあげようか?」


「付けてくれるのですか? 有り難き幸せ」


 そんなキャラだった?

 何がいいかな。 スラリン、レモスラ、レモリン、レモ助 。ネームセンスないんだよね。レモン。


 まんまレモンでいいかな!!


「決めた。今日からレモンね」


「レモン…… ひねりが無いですね」


「おい!!」


「じょっ冗談ですよ。ありがとうございます」


 名前:レモン Lv2

種族:スライム 種類:レモン

属性:水

HP10/10

MP20/20

特技【ウォーターショット】Lv1

筋力D: 精神力:C 敏捷:D ストレス:1


 おっステが上がってる。名前付けたから?

 あっあの水、特技だったのね 。初見は特技見れないのかな?

 【ウォーターショット】とかレモンとか名前だけはかっこいいのね。


 こうして初めての、憧れの仲間を迎える事が出来ました。

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