第4話幕間ーー「氷の歌」


ーー開かずの扉の中は、「和室」になっている


あたり一面に、「犬の焼き物」と「結界」が立ち張られてる

まりかんざし

ーーこれを見るたびに、もの悲しい気持ちになる

(相変わらずーー「大きいな」)


ーーにしても、あの子が、いや、あの子の家が「」をやらかしてしまうなんて、想像もできないな


そう考えるーーここのお父様はいい人だ、

ーー「朱門実の娘」に対して「冷淡」だということを除けば



ーー朱門は、肉体が普通の「人間」と違うーーわかりやすく言えば平安時代

の陰陽師の依り代の末裔のなれのはてということか

ーー聞こえる


子供の声だーー、この家の先祖は「79人」もの子供を殺している

ーー簡単に言えば、「捨て子殺しだ」


江戸時代ーー養子とは異なり、捨て子は世間やお上から「養育費」が出る

だからーー殺して、「金」だけを奪い取る

ーーあの「老婆」はそういうことをしてきた「人」だ

ーー特に、「神隠し」という名の「事件」をよそおい子供を奪い殺し続けた


ーー違う地域から子供を奪っても、自分が本来いる地域では「見知らぬ」子となるから「結果」--殺した子供を外に出しても「問題ない」し堂々と「養育費」をもらえる

最悪の詐欺師だ

あの子に何も言えなかった理由は、「子供」を作らないということか

ーー別に、「子供」を作らない人生を否定するわけじゃないが

お前は一生男とそういう仲にはなれないし、子供ができないということをいうのは

酷すぎる

というか今さらになって、あいつの「予知眼」を信じていいのか、という気分にもなる


ーー自分にだって、10歳になる「娘」がいる――9歳になる「息子」がいる

ーー9歳になる「義息子」がいる6歳になる「娘」がいる

ーー奪われるわけにはいかない、出会わせるわけにはいかない


ーーこの世には想像もつかない現象がある「神の祟り」で死んだ

「老婆」は妖怪になりーー「人」の子供を殺し、奪いーー「親」のゆがんだ顔と

「金」を何よりも楽しみしている


だがーーこの79人のように「被害者が」「加害者」になることもある


灼囲しゃくがこいとは、「79」人の冥福を祈り

天罰を与えた「川」の神に祈るー―そんな仕事だ


「--舞います」


大丈夫、大丈夫だよーーあなたたちはきっと幸せになれる

神よ、天よ、私に力をくださいーー「子供」たちを守れる力をください

氷の歌という、灼囲に伝わる「舞」で舞いつつもー―祈りをささげる


ーー少しばかりの後悔と明日への希望を載せて




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