□2-2
[文乃4]
蛇口のような形で壁から突き出しているパイプを外したり、向きを変えることはできなかった。水槽の中で仰向けに寝転び、パイプの口と水槽の底の間に顔をいれる。それが、ここ数日いろんな体勢を試した中で、星良の声を一番はっきりと聞き取れる方法だった。
「私、多分星良ちゃんのこと知ってるかも」
パイプの中で反響した、ぼやけた声が返ってくる。
「もしかして、テレビ?」
「うん、〝見つけてジーニアス″ってやつ」
全国の天才児たちを取材し、ドキュメンタリー方式で紹介する人気番組だ。
「わー恥ずかしいな……」
「絵、すごく上手だよね。詳しいことは分からないけど」
「そんなことないよ。好きなものを好きなように描いてるだけ」
「ふふ、星良ちゃんテレビでも同じこと言ってた」
テレビで見た彼女の姿を思い浮かべる。鼻が高く、フランス人形のようなぱっちりとした瞳が印象的だった。自分の外見がぶさいくな日本人形のように感じられて恥ずかしくなったことを思い出す。
「あのさ、明日、大水槽で運動する時、どこかに絵を描いてもらうことってできない? 小さく見つからないように」
星良は「あー」と気まずそうに間を作った。
「ごめん、私は、大水槽にはいけないんだ……」
「そうなの……?」
自分以外にも誘拐されている子供がいることを知って、勝手に全員が同じ生活をさせられているものだと思い込んでいた。
「ごめんね」
「ううん! 謝らないで! ごめんね。無茶なお願いしちゃったよね。私、小学校でも、あんまりクラスの子とは話をしないから、たまに失礼なこともしちゃうんだ」
「失礼じゃないよ。そう言ってもらえて、嬉しかった」
このパイプの向こう側は、外の世界に繋がっているのではないかと錯覚することがある。星良の声はそれほどまでに自然体で落ち着いていた。不安じゃないはずがないのに。
「でも、その番組を観たってことは、お父さんが私のこと大好きだってことも知ってるでしょ?」
番組の中では、警察の偉い人だという彼女の父親もインタビューに答えていた。彼は星良の才能を誇りに思うと、目を細めて笑っていた。
「お父さんが、同僚の人と私たちのこと必死に捜してるから、絶対にすぐに助けてくれるよ。私と、私の友達だもん!」
「とも、だち……?」
あまりに口にしてこなかった言葉なので、口にした時に舌がもつれた。
「私が?」
「そうだよ。もう友達だよ。こんな状況なのに一緒に頑張ってる、友達」
目から涙が一滴こぼれる。鼻をすする音で、星良も異変に気が付いたようだった。
「文乃ちゃん、もしかして泣いてる? 大丈夫?」
「平気。これ、多分嬉しい涙だから……」
ごしごしと目をこすり、意味がないとは知りつつも笑顔を作ってみせる。
「私、勉強もスポーツもあんまりできなくて、家だと、ずっとお父さんとお母さんに怒られてたの。いつもお前はダメだって、叱られて、叩かれて……」
「ひどい……。そんなことできなくたって、文乃ちゃんは文乃ちゃんなのに……」
「ううん。私が悪いの。あのね、私もね、実は人より得意なことがあるんだ」
「楽器とか?」
お互いの顔は見えていないのに、思わず首を横に振ってしまう。そんな美しい技能の話ではないのだ。
「違うの。私が得意なことはなんの役にも立たなくて、むしろ、すごく悪いもの。だから、怒られたって、嫌われたって仕方ないんだって、私は思ってる」
――これはあなたのためなのよ!
私に怯えながら、平手を振りかざす母親の姿が頭に浮かぶ。
「多分、別に私のことなんて捜してないと思う。学校のみんなもそう。誰も悲しいだなんて思ってないし、戻ってこなくてもいいって考えてると思う。だから、星良ちゃんに友達って言ってもらえたことが嬉しかったの……」
返事はなかった。陰気なことを話して嫌な気分にさせてしまったかと不安になるが、少しの間をおいて、普段通りの、いや、普段よりも少し陽気な彼女の声がパイプから転がり出てきた。
「ねぇ、文乃ちゃん。このパイプってさ、長いかな?」
「どうだろ……わかんない……」
今度は声の代わりに、ゴン、というなにかをぶつけるような音が響いてきた。
「いてて……」
「だ、大丈夫? 星良ちゃん!」
「平気。ちょっと肩打っただけ。ねぇ、文乃ちゃん、手、いれてみてよ。私もやるから」
パイプの中から、ゴソゴソと音が響いてくる。星良が手をいれているのだ。
正直、ウツボの口の中に腕を入れるような気分がして気が進まなかった。だが、これはウツボではなくパイプだし、この向こうには星良がいるはずなのだ。そう自分に言い聞かせると、恐怖心はすぐになくなった。
パイプにゆっくりと腕をいれる。体や肩の角度を調節しながらできるだけ奥へと手を伸ばす。すると、中指の先にパイプの冷たい感触とは明らかに違う、熱を持った柔らかいものが触れた。
「今指に触った! 分かる? 文乃ちゃん!」
「うん……!」
「あー、でも、ここが限界かな……」
肩をねじ込もうとするが、それ以上奥ヘ腕を差し込むのは無理そうだった。
「小指は無理かな」
「小指?」
「うん。じゃあ。代わりに、中指で指切りげんまんしよう」
私の中指の先に、熱を持った指先が重なる。おそらく星良の中指だ。
「私は、文乃ちゃんのこと好きだよ?」
予想外の言葉に驚き、私はいったん腕を引いてしまう。だが、星良の指がまた私の指を引き寄せた。
「わ、私をちゃんと知らないから、そんなこと言えるんだよ」
「そうかもしれないね。でも、今は好き。それは本当。どんなに文乃ちゃんがそれを否定したって意味ないの」
未来はなにも保証せず、それでも代わりに、今の気持ちをはっきりと彼女は私に見せつけてくれた。じわりと、目の奥から涙がこぼれてくる。
「まだ私は文乃ちゃんの顔も見たことないけど、優しいとこいっぱい見つけたよ? 文乃ちゃんだってつらいのに、大変なのに、私に当たり散らしたりしなかったし、楽しく会話してくれた。私も、文乃ちゃんに助けられてるんだよ?」
「それは、私のほうだよ……星良ちゃんがいたから、私……」
「じゃあ、お互いさまだ!」
星良が、私の中指の第一関節をぐっと引き寄せた。
「だから私はね、文乃ちゃんに幸せになってほしい。だから、諦めたりしないで。絶対にここから出て、絶対に幸せになろうよ。約束!」
本当の指切りげんまんに比べたらずいぶんと心もたない接触だったけれど、私たちは彼女と約束をした。
「ゆーびきり、げんまん! うーそついたら、はーりせんぼんのーます! ゆーびきった!」
ぎりぎりまで伸ばしていた腕に限界が来て、歌い終わると同時に指は離れてしまった。
「約束だよ……?」
「うん。ありがとう……」
誰かにここにいていいと、そして、幸せになっていいと言われたのは、いつ以来だろうか。誘拐され、水槽の中に監禁されている状況だったが、その一瞬は私の人生で一番希望に満ちた時間だった。
やがて、いつもならばありえない時間に私は水槽から外に出された。
水槽に迎えにきたのは誘拐犯たちではなく、警察の制服を着た女の人だった。
彼女に抱きかかえられながら、私はひと月近く過ごしていた水族館の外観を初めて見た。そして、私と星良以外にも、たくさんの子供たちが監禁されていたことを知った。
「あの、星良ちゃんに会いたいんですけど……。高峰、星良ちゃんって子です。私の隣の水槽にいた女の子で……!」
運び込まれた救急車の中で頼んだが、忙しそうにバタバタと動き回る婦警さんは「あとでね」と言うだけで彼女を捜してはくれなかった。
星良も水槽から出してもらえただろうか。まだ、中に取り残されていたりしないだろうか。
閉められてしまったバックドアの窓から、私は必死に外へと目を凝らした。
泣いている男の子、呆然としたままの女の子、銀髪の少年、視線を動かし続けているうちに、私はテレビで観たのと同じ顔の少女を見つけた。
「星良ちゃん!」
窓を叩きながら叫ぶと、彼女がこちらに気が付いた。
「星良ちゃん! よかったね!」
叫んでから、彼女は私の顔を知らないことを思い出す。
「私だよ! 文乃!」
窓ガラスで声が遮られていたのか、それとも、聞こえていたが星良に反応する余裕がなかったのか、それは分からない。彼女は疲労に支配された顔を一瞬だけこちらに向けただけで、パトカーへと乗りこんでしまった。彼女の両脇はスーツを着た大人が固め、窓からも彼女の姿は見えなくなった。
その時は、きっとまたいつか話すチャンスがあると信じていた。
だが、実際には事件から時間が経てば経つほど、星良は遠い存在になっていった。
大人たちは誰も連絡先を教えてくれず、私から会いにいけば、事件のことを思い出させたくないから、と邪魔をされた。
誘拐されたままのほうがよかったのかもしれないという気持ちに囚われる時もあった。だが、そんな気持ちは私の身勝手な考えでしかないのだからと、必死に心の奥底に押し込めた。
あの事件のことを思い出すのはつらいはずだ。私が無理矢理に星良と会って、彼女を傷つけるようなことがあってはいけない。
私はいつしか、彼女と会えない現実を受け入れた。
誘拐犯の元から帰ってきても、両親の私への態度はまったく変わらなかった。
また家でも、学校でも独りぼっちの生活が続いた。
それでも、誘拐される前の毎日よりも誘拐されたあとの毎日は、希望一つ分ましだった。
――絶対に幸せになろう。
彼女とのその約束が、絶望の少し上に膜を作り、私をそっと抱きしめてくれていた。
*
なのに、目の前で彼女が血を流して死んでいる。
「星良、ちゃん……?」
教室の床に投げ出された手足と開き切った瞳孔を見て、私はもう彼女には〝未来〟と呼べる世界がないことを理解してしまった。
内側に鉛が詰まっているかのように体が重い。朦朧とする意識の中で、私は今見ている光景が夢であることを願った。しかし、後ろから聞こえた声が、現実へと私を引き戻す。
「とにかく、逃げろ――!」
そこには、灰土ウノか、サノか、そのどちらかが立っていた。
彼が着ているシャツには大量の血液が付着している。そして、彼の足元には、血の付いたナイフが転がっていた。その赤は、星良の腹から流れ出ている液体と全く同じ色をしていた。
入ってくる情報の処理が追いつかない。頭が破裂してしまいそうだった。
体も喉も言うことを聞かず、警官とウノがなにかを話している間も、体を起こすことすらできなかった。
動けるようになったのは、警官に校門まで運び出されてからだった。
「大丈夫ですか?」「なにがあった?」「怪我はないか?」
次々と押し付けられる質問を無視していると、私は救急車の荷台へと座らされた。救急隊員に渡された毛布の、けば立った感触が肌に刺さって不快だった。
「なんで……」
あの衝撃的な光景によって麻痺していた思考がだんだんと動き出す。マグマのように熱い感情が、内側から私の体を焼き始めた。
彼が、星良ちゃんを殺した――。
どちらの人格かは分からない。だがあの教室には、彼女と私と、彼しかいなかったのだ。
周りの警官の会話が耳に入る。
「本庁からきた刑事によると、中にいるガキはアクチルらしいぞ」
「まじですか。アクチルがアクチルを殺してたってことすか?」
「やつらはなに考えてるか分からねーからな」
その時、廃校に面した道路の奥に灰色の影が動くのが目に入った。
少しずつ集まってきていた野次馬の後ろを、パーカーを着た男が走り去っていったのだ。数秒後には、今度はその男を追う彼の姿が見えた。メガネをかけていない。ウノだ。
まわりの警官の意識は校舎に向けられている。彼らはまだ中にウノがいると思っているのだ。すぐに近くの警官に彼の存在を知らせようとしたが、寸前で私は思いとどまる。
なぜ、彼らに任せなければいけないのだ――。
あの日、私たちの誘拐にかかわった人物はまだ刑務所の中で生きている。
彼も、そうなるのだろうか。世界で最も尊い存在を殺しておいて――?
警官の目が反れた隙に、私は救急車から飛び出した。
野次馬の間を抜けて、駆けつけた警官が放置していた自転車にまたがった。
*
「なんで! 星良ちゃんを殺したんですか……‼」
自分で叫んでおいて、いったい、なんのための質問なのだろう。と疑問に思う。
理由がなんであれ、許すつもりなどないのに。
トイレの床の細かいタイルが膝に食い込む。だが、一ミリだって動くつもりはなかった。彼の首に沿えた両手は震えていたが、恐怖ではない、怒りによるものだった。
「知らねーよ。サノに聞いてくれ」
ウノの声は、数日前に話した時とまったく同じトーンだった。緊張感もなく、私への恐怖心すら感じていない。呑気にすら思えるその態度に、心の中でまた一つ怒りが蓄積されるのが分かった。
「気が付いたらああなってた。なにがあったのか俺が聞きてーくらいだ」
「じゃあ、サノさんが刺したんですか……! アクチルを殺してたんですか!」
ウノは頭をかきながら口を尖らせる。
「だからそれも全部わかんねーんだって。お?」
ウノが手首に腕時計に目を向ける。時計の文字盤は、あと十秒で八時になることを示していた。
「もう三十分かよ」
残念そうにそうつぶやき、ウノが目を閉じる。
瞼が開かれると、私の下で横たわる男があたりを見回して、私の表情を含めた現状を確認し始めた。
「廃校から逃げ出したが、高峰星良を殺したと思っている文乃に追いつかれて、報復されそうになっている、というところか?」
抑揚の少ないその話し方はサノのものだった。
「パーカー男?」
サノが呟いたその言葉は私ではなく、耳につけた通信機の向こう側にいる、小茉莉に向けたものだったらしい。サノはしばらく小茉莉の話に耳を傾けたあと、鋭い視線を私に向けた。
「今から少し動くが、文乃さんに抵抗するわけじゃない。だから、その手に力をいれて首を絞めないでくれ」
サノはこちらを警戒させないようにゆっくりと腕を動かし、トイレの床に転がっていた彼の肩かけバッグへと手を伸ばした。
「予備だ。これも複数回線で同時につながるように設定してある」
そう説明しながら、バッグから彼がつけているものと同じ型のヘッドセットを取り出し、私の耳へと取り付けた。
『文乃ちゃん⁉ そこにおんねんな⁉』
耳の中で小茉莉の声が響く。あの場にいた張本人であるウノとサノよりも、彼女のほうがよっぽど焦り動揺していた。
「僕を今にも絞め殺しそうだ」
『お、落ち着きーや、文乃ちゃん』
「落ち着けませんよ! だって! この人が星良ちゃんを殺しちゃったんですから!」
『ウノもサノも人殺しなんてするやつちゃう! まぁ、正義感とか倫理観とかじゃなくて、単純に警察に追われるような面倒なことはしないから、って理由やけど……』
「小茉莉さんはあの教室を見てないからそんなことが言えるんです! テーブルの下にガスを噴き出す装置があって、気を失って、目を覚ましたら血だらけのサノさんがいたんです!」
サノの肩が動くの感じ、首を押さえつける。
「抵抗しようとしたんじゃない、多分、僕の力じゃ文乃さん相手でもこの状態から脱出はできない」
サノは腕相撲で小茉莉にすら勝てない、と教えられたことを思い出す。
「見せたいものがあるんだ」
サノは左腕の袖をめくりあげながら、その内側を私へと向けた。そこには星良の血で書かれた文字があった。
《3ニンメ ガ 殺シタ》
「三人目が、殺した……?」
「いいか、正直に言う。気を失っている間、あの教室で何があったのかは分からない。分からないんだ。僕も気が付いたらあの状況に置かれていて、腕にこの文字が残されていた」
『三人目⁉ それって、まさか、あんたの中に三人目の人格があるって意味か?』
「それも分からない。少なくとも僕もウノも、僕ら以外の人格を認識したことは一度もないからな」
「夜! 寝てる間に三人目がこの体を使って、アクチルを殺してたのかもしれないじゃないですか!」
「可能性はある。だが自覚はない」
彼自身も戸惑っている。演技には見えなかった。
「でも……、その文字を描いた人間が、いるはずですよね?」
「だろうな。だが、それが第三人格とは限らない。そんなものはそもそも存在せず、眠っている間に、誰かがここに書いたのかもしれない。僕に高峰星良殺しの罪を着せるために」
『パーカー男!』
小茉莉がヘッドセットの中で叫ぶ。
『ウノは、学校から逃げ出した時に、同じように敷地内から飛び出してくるパーカーを着た怪しい男を見つけて、そいつをその駅まで追いかけててん!』
「そうか、なら急がないとな……。教室に仕掛けていた監視カメラのメモリーカードを持ち去ったのも、そいつかもしれない」
『あれパクられてたんか!』
サノは腕を袖で隠してから、私と目を合わせた。
「文乃さん、ここで僕の首を絞めて殺すのは自由だ。だけど、そうしたら、現場から逃げたパーカー男の正体も、眠っている間になにがあったのかも、なぜ警官を父親にもつ高峰星良が失踪していたのかも、すべての真実が分からないままだ」
正論だ。正論過ぎて、吐き気がする。
「君がここで僕らを逃がせば、僕らはパーカー男を捜し出しその正体を確かめる。あの教室でなにがあったのかも明らかにする! その時、まだ君が僕を殺したければそうすればいい……!」
頭の中に、あの教室の光景が浮かぶ。血を流している高峰星良、返り血を浴びたサノ。だが、教室があの惨状へと変化する数分間、私は眠っていた。目の前の男が、彼女を刺す瞬間を見ていたわけではない。
「自分を信じてくれとは、言わないんですか……?」
「助けてくれ、と泣き叫んで、誘拐犯は僕たちを助けてくれたか?」
サノの目は、触れればこちらが火傷してしまいそうなほどに冷たかった。希望的観測や先入観を持たずに、ただ私と現状を観察している。
「悪いが僕という人格は、他人の善性や思いやりだなんて、曖昧なものに頼るようにはできていないんだ。そんなもの、あの地獄を抜け出すのには必要なかった」
そうだ。彼らはあの水槽の中で生まれた、必要なものをそぎ落として、欠落させて研ぎ澄ませたのだ。
「――っ……」
サノの論理に納得したはずだった。なのに、お腹の中でドロドロとしたタールのようなものがうごめくのを感じた。
「時間がたてば私が冷静になるとは思わないでください。私は、彼女がいなくなった世界にもう悔いはないんです……。あなたを殺して刑務所に入ることなんて、私にとっては怖くない……」
今の私の体を動かしているのは、脳からの電気信号でも筋肉でも神経でもなく、星良ちゃんをあんな姿にした人間に復讐をしたいという想いだけだ。
その想いを成就させるために今必要なことは、身を切られるようなこの憎しみを抑えることなのだろう。
私は、サノの首から両手を引きはがした。
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