誰でも旅行やビジネスで困らないレベルの英語を身に着けられる方法

@Miriam

第1話

電車にいつ乗っても、車両の壁や中吊り広告のどれかは英語学校や英会話、雑誌にも英語の教材の宣伝がそこかしこに載っています。

資本力のある大手はTVにも宣伝を流して、「英語を話せずんばビジネスマンに非ず」のような強迫観念を押し付けてきます。


確かに英語の読み書きが出来て喋れれば、世界中だいたいの場所にいっても意思の疎通は出来るようになり、ネットショップを開くにしてもマーケットが全世界に広がりますから、飛躍的に成功するチャンスも増えます。

もちろんVISAなどは必要ですが海外でも働く事が出来て、国内にしても就職に転職に有利になります。


携帯式の機械翻訳機も出てきていますが、複雑な会話や専門的な内容、さらに長文を正確に訳せるようになるには、まだしばらくかかるでしょう。

ネット翻訳もありますが、ビジネスの場でいちいち検索などやってる暇などありませんし、ネットが繋がらない環境や電源が切れたらお終いです。


大勢の人がそれを理解していて、中学高校と6年間、人によってはさらに大学で英語を勉強して、その上で英語学校に高いお金を払ったりしていますが、街を歩いている日本人の全員が英語を喋れるようにはなっていませんね。

そして本題に入りますが、これから紹介する方法は英語圏に住んだり働いたり、日本でも外資系の会社で英語圏の同僚やボスとやり合うには困らないぐらいの英語力の勉強方法です。


*英語を使って詩人になりたいとか、英語で本を書いてベストセラー作家を目指すぜ!という方は、別な勉強方法と特別な才能が必要になると思われますので、ご了承ください。



***まず最初に、何はともあれ覚えよう***


最初から身も蓋もない事を書きますが、高校生以上になってから英語を勉強が出来るようになるには、まずは単語を覚えないと話になりません。

最低でも3000語ぐらいを、正確な発音と一緒に暗記しましょう。


はい、物を投げないでください。

仰ることはよーく分かります。


「それが出来たら苦労しないよ!」ですよね?

しかし良く考えてください。


相手にどんなにゆっくり喋ってもらっても、どんなに丁寧に発音してくれても、単語の意味を知らなかったらそこで終わりです。

絶対に分かりません。


相手が喋ってるのを聞くだけで英語が出来たら、誰も苦労しませんね。

一時はTVで有名人も使って宣伝していた英語の教材がありますが、あれを暗記すれば確かに教材の通りに繰り返しはできるようになるでしょう。


しかし内容を理解するには、意味を知らないと無理なのは子供でも分かりますよね。

こちらが高いお金を払っている英語学校なら、外人の先生がにこやかに何度でも繰り返してくれるでしょう。


しかし例えばニューヨークのファストフード店で、ガムをクチャクチャと噛みながら愛想のかけらもなく「Next!」と呼んでくるような店員のお姉ちゃんが、こちらの英語力を忖度してくれるでしょうか?

してくれませんね。


向こうに通じなければ、今にも肩をすくめそうな表情で「Ha?(発音尻上がり)」と言ってきますので、血圧が上がる事請け合いです。

ですからまずは、単語と発音なのです。


言葉の意味と正確な発音が最優先なのです。

どんな長文でも単語の組み合わせで出来ていますし、発音が悪ければ通じません。


たまに「アメリカに住んだら英語が喋れるようになるよね?」とかいう人がいますが、99%の大人は無理です。

これには「でも子供の頃にアメリカに住んでいたら英語ができるようになるよ!」という反論がきます。


しかし子供は育つ過程で毎日毎晩、生活自体が勉強しているような物です。

脳味噌も柔らかく、大人よりも聞き取れる音の幅も多く、見たもの聞いた物、体験した事を通じて自然と言葉の意味を吸収していきます。


それがネイティブというやつですね。

地理的に地続きのヨーロッパで数か国語を喋れる人が多いのも、小さい頃から日常的に多言語の環境で自然と勉強している状態だからです。


しかし脳味噌が日本語仕様として完成して、見るもの聞くもの全てが日本語で脳にインプット、アウトプットされる大人はそうはいきません。

頑張って覚えるしかないのです。



***反復あるのみ***


ここまで読んで「そんなに覚えるのは無理!」と思った人も多いかも知れません。

しかし手はあります。


覚えるのではなく、覚えるまで繰り返すのです。

何だか、今やブラックの代名詞のどこかの社長の言葉のようですが、少し違います。


反復して脳味噌に消えない記憶として定着するまで刷り込むのです。

アイドルの歌なんかに興味はなくても、TVのCMで何度も繰り返される歌を無意識に聞いていると、知らず知らずのうちにサビの部分は歌えるようになっているでしょう。


同じ事を利用しましょう。

私は昔、当時付き合ってた彼女と車で出かける時は、流行っていたアニメの曲をループで流していました。


ある日カラオケに行き、その曲をセットしてマイクを彼女に渡すと、「無理無理、知らないから歌えないよ!」と言ってた彼女もあら不思議、最初から最後までバッチリ歌えました。

後で彼女からは、「勝手に人をオタクに改造するな!」と殴られました。


何が言いたいのかというと、無意識でも反復すれば覚える。

それを意識して覚えようと思って反復すると、さらに効率よく何でも覚えられる、という事です。



***そのやり方が分からないよ!***


ここでは私のやっていた方法を紹介しますが、人によってはもっと効率のいい方法があると思いますので、参考にして自分にあったやり方を試してください。

まずは紙の英和辞書を用意します。


最初は中高生向けのがいいでしょう。

ページをペラペラとめくると名詞にせよ動詞にせよ、重要な単語は赤字や太字で書いてあり、説明や例文も長いですよね。


それを全部覚える気でいきましょう。

Aから順番でなくてもOKですので、眼についた単語からいきましょう。


そして新しいノートを用意します。

IT技術は進歩しましたが、人間はそれほどには進歩していませんので、昔ながらの眼で読んで手で書いてのアナログ式です。


自分に最適化された自分だけの辞書を作るのです。

読んだだけでは覚えにくいので、自分の手で書くという事が大切です。


単語を書いて、発音記号もアクセントも書きます。

大抵の辞書の最初には、それぞれの発音記号に対応した口と舌の位置も書いてあるので、覚えておきましょう。


どこの国でも一割は良い人、一割は悪い人、残りは普通の人とざっくりと分類しますが、良い人以外の九割の人はこちらがどれだけ英語を喋れるか知ったこっちゃありませんので、頑張って理解しようとはしてくれません。

友達でもなく、学校や仕事とは無関係な人ならなおさらです。


特にアメリカ人なんかは、全人類が英語を喋れて当たり前と思っていますので、こちらが喋れる前提で一方的に喋ってくる事が多いです。

ジョークでも、「二か国語を喋れる人はBilingual、三か国語を喋れる人はTrilingual、では一か国語しか喋れない人は何と呼ぶ? 答えはAmericanだぜハッハー!」というのがありますが、そんな感じです。


インド人やロシア人、フィリピン人やブラジル人も、そして当然日本人も特徴のある訛り英語を喋りますが、取りあえず「Ha?(発音尻上がり)」と聞き返されないレベルまでは発音にも気を付けましょう。

通じたらいいんですよ、通じたら。


単語と発音記号とアクセントを写して、単語の意味も書いて、名詞なら動詞形を、動詞なら名詞形というふうに派生も書いておきます。

熟語も載っている場合が多いので、重要単語の熟語も一緒に書いておきましょう。


赤字とか太字の重要単語は複数の意味がある場合も多いです。

最初の重要そうな数個を書いておきます。


そして例文も載っていますが、辞書に載っている例文は当たり障りのない例文です。

という事はすなわち面白くも何ともないので、これを変更します。


どこかで「若者の教育には、楽しさという蜜が必要である」みたいな誰かの言葉を読んだ事がありますが、若者であろうが誰であろうが楽しくない事はやりたくありませんよね。

逆に自分の興味のある事柄を題材にすると、やる気も出るという物です。


例えばConvergeという単語があります。

今は辞書が手元にないのでネットの辞書で調べると、このような説明が出てきました。


一点に向かって集まる、集中する、(…に)集中する、一点に向けられる、まとまる、収束する、収斂

しゆうれん

する、(…を)一点に集める、集中させる


そして例文がこれです。

Squad cars converged on [at] the scene of the crime.


例文の訳はこちらになります。

「パトカーが(あちこちから)犯行現場に集結しつつあった[集結した]」


思ったよりも想像力を刺激する例文ですが、まだちょっと物足りないと言うか、漠然としすぎててドラマもありませんね。

そこでこの単語を使って、自分の興味のある例文、最初の部分を読んだだけでこの単語を連想できるような例文を作ります。


例えばスターウォーズが好きなら、こんな感じでしょうか。

The energy from an internal power reactor is sufficient enough to blast off the Death Star's converged laser cannon again in 15 minutes.


もし単語がsuccessorなら最初に思いついたのがこれで、短いですが私にとっては分かりやすいです。

kenshiro is the legitimate successor of Hokuto-Shinken.


もし単語がIncarnationなら、なろうテンプレ風な例文はこんな感じでしょうか。

The boy confronting against an inquisitor in a cathedral has his clear memory of former incarnation.


分かりやすい例文を作れば出来上がりです。

同じように続けて他の単語も追加していきます。



***考えるな、繰り返せ***


そして、これがキモになりますが、自分で作ったそのノートを毎日繰り返して読むのです。

覚えるまでひたすら読み返します。

毎日繰り返します。

毎日です。


そう聞くと辛そうに聞こえますが、何時間もやる必要はありませんし、もちろん一回で覚える必要もありません。

一回は30分でも一時間でも良いですし、まとまった時間でなくても空いた五分や十分を合わせて使っていきましょう。


普通の人には、大量の単語を短期間で暗記するのは無理です。

受験生みたいに勉強だけに集中できる環境でもないでしょうし、日々の生活にも追われるでしょう。


しかし、ひたすら繰り返す事によって脳味噌に刷り込んで、記憶を定着させるのは誰にでも出来ます。

先の例の通り、全く覚える気がなかったアニソンも繰り返して聞かすうちに、無意識に刷り込み完了で覚えさせる事ができました。


自分で分かりやすい例文を書いて、覚えようとして繰り返して読んだら、刷り込み出来ないはずがありません。

時間が一時間あるとすれば、最初の30分は新しい単語をノートに追加、残りの30分はこれまでに作ったノートを繰り返し読みます。


自分の書いた興味のある例文ですので、覚えるのも早いはずです。

毎日繰り返すうちに、自然と覚えます。


さっきの例でいきますと、単語の意味を隠した状態で例文の「The energy from」とか「Kenshiro」を見ただけで自分で作った例文が頭の中に出てきて、単語の意味も出てくるようになります。

そうなったら刷り込み完了状態です。


そして作ったノートの単語が全てその状態になったら、新しいノートに移ります

そこまで刷り込みが完了すると、古いノートの単語は一週間に一回、一か月に一回ぐらいの間隔で見直すだけでも、もう忘れる事はありません。


もちろん病気の時や、忙しくて時間がない場合は、無理してやる必要はありません。

大切なのは忘れないうちに反復して、記憶を定着させる事です。


英会話学校で外人の教師と楽しくお喋りしたり、教材を買って勉強した気になっても、後になったら何も身についてないのは、この反復による記憶の定着がないからだと思います。

絶対記憶を持ってるような天才以外は、ひたすら反復して刷り込みましょう。


くどい程に何回も書きますが、覚えるまでは反復あるのみです。

毎日繰り返すと、そのうちに嫌でも覚えます。


3000語と聞くと大変そうですが、この数は高校卒業までに教えられる単語の数とほぼ同じです。

これまでに覚えている単語もあると思いますので、一年ぐらいあれば余裕でマスターできると思います。


もちろんそれで終わりではなく、さらに数を増やすも良し、専門分野やビジネス方面へシフトしてもOKです。

最終的には6000語かそれ以上になると、特殊な場合を除いては分からない言葉はなくなるでしょう。


因みにですが、以下はネットに載っていたネイティブの語彙数になります。

中学生:約2万語

高校生:約2万2000語

成人: 約2万3000~2万8000語程度


日本語なら同じように数万語は覚えている勘定になりますが、そんな実感はありませんね。

ですからこれを見て絶望的な気分になったり、不可能な事にチャレンジする必要はありません。


ここで目指しているのは、あくまで日常生活やビジネスで困らないレベルの英語の勉強方法です。

語彙数が9000~10000あると、周りから英語がとても出来るレベルと認められるそうですが、まずは一歩一歩を確実に進んで行きましょう。



***文法も押さえよう***


3000語ぐらいをマスターすると、ニュースや普通の会話で使われている単語のかなりの範囲はカバーしている状態になります。

特に英語のTV局が配信してるニュース動画、それに政府や会社の公式な動画なら極端に変な言葉や難しい言葉は使わないので、聞き取れるようになってきます。


その段階まで来たら、文法もある程度は押さえましょう。

英語で博士論文を書いたり(この場合でもネイティブのProof readが何回も入りますが)小説を書きたいならともかく、こちらも最初から100%を目指す必要はありません。


こちらの言いたい事を、間違いなく相手に伝えることが出来ればいいのです。

気楽にいきましょう。


一点だけ気をつける事としては、問に対するYesとNoになります。

日本語の返答は直前の問に対するYesかNoですが、英語の返答では質問には関係なく事実に対してYesかNoになります。


普通の疑問文なら関係ない場合が多いのですが、ややこしくなるのは「Don't you~」とか「Can't you~」とかの否定疑問文の場合ですね。

例えば、Can't you swim?みたいな質問の答えですが、泳げるならYes、泳げないならNoになります。


泳げる場合は、Yes(I can swim)となります。

これが普通の質問なら問題ありませんが、例えば恋人からYou don't like me?と聞かれて、うっかり日本式思考回路でOf course I don't!とか答えようものなら大惨事になります。


それほど出くわす事ではありませんが、もし人生の重大事の質問でこのパターンが来た場合は要注意ですので、よく考えて答えましょう。

ネットでも大勢の人が解説してますので、興味があれば検索してみてください。


そして、英語圏のスラングや熟語をベラベラ喋るならともかく、日常会話やビジネスで使う文や言い回しのパターンはそれほど多くはありません。

あっても数十程度です。


自作ノートの例文を辞書の例文を改変して作っているなら、かなりな部分は既に頭に入っているはずです。

接続詞や品詞にもルールがありますが、それほど難しい事はありません。


勉強のために勉強しているのではなく、英語で意思疎通できるように勉強しているのです。

そして勉強中は間違って当然ですし、間違ってたら直したらいいのです。

インド人の根拠ゼロの自信を見習いましょう。



***いい時代になりました***


昔とは違い、今はインターネットという便利な物があります。

例文にしても、単語を放り込んだらオンライン辞書から、海外の書類まで何でも出てきます。


Youtubeにも、確かアメリカ育ちの人が英語教育チャンネルみたいなのをやってたはずですし、アメリカのTV局も動画配信をやってます。

どんな趣味であれ、英語の文書や動画は見つかると思いますし、仲良くなったらフレンド登録してボイスチャットもできます。


オンラインゲーム、特にFPSをボイスチャットありでやってると、FxxKが常に飛び交うある意味リアルな戦場になりますので、それは別の話になりますが。

趣味以外にも、日本の観光地を英語で紹介していたりするので、地元や行った事がある場所なら分かりやすいと思います。


ハリウッド映画を英語の字幕付きにしている学習用ブルーレイもありますし、日本のアニメや漫画も英語版が出ています。

例えば家でDVDを何回も見るぐらいトトロを好きなら、英語版を購入すればキャラが喋っている台詞をそのまま英語で喋れますね。


漫画にしても同様で、日英両方で同じページを開いて台詞を覚えれば、日本語版のキャラが喋っている台詞を英語で言えるようになります。

いくらでも自分の好きな分野の教材が転がってる状態ですので、良い時代になったものです。


後は面白そうな洋ゲーをやってみるとか、逆に日本のゲームで出てくる言葉からも覚える事があります。

私はMesmerize, Eruption, Dormant, Alter-Ego, Omnipotentというような無数の言葉を、昔やっていたゲームから覚えました。


もちろん動画や映画、それに漫画で気になる単語があれば、それもノートに適時追加して覚えていきましょう。

その場合は台詞をそっくりそのまま例文として使えば、すぐに覚えられるでしょう。


冠婚葬祭のいろんなシチュエーション用の例文にしても、ネットにはいくらでも転がってますので利用しましょう。

単語だけ入れ替えて、まとめたのを読み返すうちに覚えます。



***結局はやるか、やらないか***


長々と書いてきましたが、まとめると以下になります。


1)とにかく単語を3000語は暗記せよ。 話はそれから。

2)自分の興味のある例文を利用してノートをつくれ。

3)記憶が定着するまで、ひたすら反復せよ。

4)役に立つ物を有効利用せよ。


最低限なら一年、長くても二年ぐらいで不自由しない程度には読み書き喋りが出来るレベルになります。

TOEICは簡単なので、900点以上は楽に取れます。


日本に暮らしている場合は世界中の本が翻訳されて読めますし、普通に生活する中では特に英語は不要です。

でも英語が出来ると、いろいろとチャンスが広がります。


友達がネットショップで物を売ってたのですが、最初は日本国内向けのみでした。

しかし宣伝もしていない海外からの問い合わせが来るようになって、そのつどヘルプを頼まれてましたが、去年サイトをリニューアルして英語のページも作りました。


お礼に回らない寿司に連れて行ってもらいましたが、今では外国からの問い合わせと売り上げの方が多いようです。

一億人と少しのマーケットと、数十億人のマーケット、どちらが規模が大きいのか考えたら当たり前ですよね。


そこまで大きな話でなくても自分が旅行に行った時や、逆に日本に来ている外国人が困っている時、意思疎通できてお互いにいい思い出ができれば良いんじゃないでしょうか。

来年の東京オリンピックで外国からの観光客も増えそうですし、もしかしたら即物的か精神的に良い事があるかもしれません。


他のメリットは、特に首都圏や大都市圏なら仕事にあぶれる事がなくなり、条件のいい会社に上向き螺旋階段のように転職していける事でしょうか。

単に英語が出来る人は帰国子女を含めて日本には掃いて捨てる程にいますので、大人になってから勉強した英語だけで食べて行くのは競争が大変です。


しかし繰り返しますが、ここで紹介しているのはネイティブ並みの流暢さで英語をペラペラに喋れるようになる方法ではなく、旅行やビジネスで困らない英語の勉強方法です。

相手の言葉を正しく理解して、こちらの伝えたい事を正しく相手に伝える方法です。


帰国子女のようなネイティブ相手には同じ土俵、すなわち英語のみで戦っても勝ち目はありません。

ですので勝負するべき場所は別のところにあるのを理解しましょう。


それはズバリ、英語ができるXXXというような、しっかりした専門分野を持った上に英語をプラスするいう事です。

もちろん本業がしっかりしている事が前提ですが、日本の会社を転職すると給与や条件が下がるのとは逆に、外資系だと給与がその度にかなり上がって行きますのでウハウハです。


海外に眼を向けると、転職エージェントでVISAをサポートしてくれる会社もありますし、直接目当ての海外の会社のウェブサイトから履歴書を送るのもありです。

やってみるだけはタダです。


思いがけないところに引っかかる事もありますし、無駄ではありません。

日本の会社に勤務していても、もし大きな会社だったら海外支社に駐在からの出世コースに乗れるかも知れません。


アメリカでは勤勉で質の高いサービスを提供する店が少ないです。

お金を湯水のように注ぎ込めば何でも可能ですが、一般向けのサービスは日本に比べると一歩も二歩も劣っています。


去年か一昨年に、ドイツ生活と日本生活を比較した本も出版されて、そちらでも日本の勝ちとしてましたが、それと同じですね。

戦前でもアメリカでは、丁寧親切でキッチリと仕事とする日系人が経営するクリーニング屋さんは人気でした。


現在でもそれは同じで、アメリカで日本レベルの車の修理工場や、電気屋さんや水道の配管作業のビジネスを始めたら、大繁盛すると思います。

実体験ですが、水道を修理に来たのに前よりも派手に水漏れで床が水浸しや、問題なしと言われた車で高速を走ってる最中にタイミングベルトが切れて死ぬかと思いました。


そしてどの仕事でも一時間で150ドルぐらいはチャージされますので、かなりな高給取りです。

ついでに上記の理由で、海外に住んでいる日本人でも英語できない人は多いので、そういう人も一手に独占状態にできますし、良いんじゃないでしょうか?


また、日本食や寿司はすっかり海外にも定着しておりますので、日本で調理師免許を持っている板前の人なら、英語の通じる場所ならどこにでもいけるでしょう。

実際に私の親戚が板前でロサンゼルスで働いていますし、そこからの話ですがドバイやラスベガスに行ったり引き抜かれた人もいます。


日本で調理師免許という国家ライセンスを持って経験のある板前は、海外の日本食や寿司レストランでは圧倒的なブランド力があるのです。

有名ホテルの日本食部門などに行けば、その親戚からの情報なら月に5000ドル+チップは固いそうで、労働条件がしっかりしている環境なので有給は完全消化が義務、ベネフィットも全部あります。


他にも食べ物関係ですと、日本のカレーやラーメンも大人気なのはご存知の方もいるでしょう。

ニューヨークにはゴーゴーカレーが出来て、ハワイにはココイチや天下一品がかなり前からあります。


ラーメンもすっかりアメリカやヨーロッパに定着して大人気、インドネシアでも日本のお蕎麦屋さんや定食屋さんがあります。

しかし当然、英語圏の中でも日本のそういう店がある方が、まだまだ圧倒的に少ないのです。


大都市でも日本のように歩いて行ける範囲に店が固まっている場所はそうそうなく、人口が十万人ぐらいの街はいくらでもありますが、日本人経営の日本の食べ物屋さんがある方が珍しく、言ってみれば目の前はまだまだブルーオーシャンなのです。

特に近年は外国人観光客の数も多く、インターネットでも常に全ての物が紹介されて検索する事ができます。


しかし動画を見る事は出来ても、実際に日本に旅行に来たり、海外の日本の店に通える人は少ないです。

ですから英語さえできれば、日本で狭いパイの奪い合いをする必要はなく、やる気さえあれば需要>供給の今こそ海外展開のチャンスではないでしょうか。


もちろん下調べも準備もなしに海外に行くのではなく、しっかりした計画や準備は必要でしょうが、まずはやる気と英語の疎通能力です。

最初はどこかの期間限定のイベントスペースに出店して様子見、そしてその反応次第で考えてもいいでしょう。


去年の夏、由比ガ浜でも逆パターンでハワイのフリフリチキン屋さんに出店してもらってましたね。

確か熱海の温泉街でも、似たような事をやってたと思います。


自分で飲食関係の仕事をしていなくても、もし資本があれば日本の有名なチェーン店と交渉してフランチャイズの権利を買って海外に出店できるでしょうし、なくてもスポンサーを探したり、今ならクラウドファンディングでお金を集められるかもしれません。

そしてそれをするには英語で疎通できる事が大前提なのです。


いろいろ活動する過程で思わぬ縁ができる事もあり、もしかしたら数年後にはシンガポールとかドバイに住んで仕事している可能性だってあります。

あるいはハワイやラスベガスで、日本人向けの観光会社でのんびりと仕事をしているかも知れません。


疎通さえ出来て眼を向ければ、世界には拾う神が結構いるのです。

「Strain your eyes and try to find it. There are still stars in the darkness.」という事です。


さて、ここまで長々と、誰にでも出来るであろうやり方を書いてきました。

そして結局のところは「You can lead a horse to water, but you can't make it drink」ですので、やるかやらないかは読んでるあなた自身です。

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