第8話 進化
〈『リトルコアスライム』へと進化しました〉
お、おぉ、おおぉぉ...?
進化したというのに、あんまり変わった感じはしないな。すこーしだけ、目線が高くなったくらいか、な?
まぁ、取り敢えずの《鑑定》!
種族:リトルコアスライム
称号:異世界からの来訪者
レベル:1/7
ランク:G
体力:G
魔力:G+
攻撃:G-
防御:G-
俊敏:G
運力:C
スキル:《鑑定 Lv.2》《アイテムボックス Lv.1》《言語理解 Lv.10》《溶解液 Lv.3》《吸収 Lv.2》《体当たり Lv.1》《疾駆 Lv.2》
おおおぉ...おぉ、おっ、お?
やっぱりステータス上でもあんまり変わってないなぁ。普通の数値にしてくれれば、もっと変化が分かりやすいんだけどなぁ。《鑑定》のレベルが足りんのかな。これだけ見せてくれているだけでも感謝はしているさ。けど、変化がわかりづらい事は否めないだろ。早急なレベル上げを要求しているね。
他のスキルもレベルは全然...あ、《溶解液》が3になっている。これはありがたいねぇ。これが俺唯一の攻撃手段だし、強くなってもらわねば困る。溶解できません=俺の敗北、となるからね。今のところは。他の攻撃系のスキルを得るまでは頼りきりだ。これからも宜しく頼むよ。期待しているぜ。
他には...お、《疾駆》が2に上がったな。これも、1回使用してみたから上がったという事か。レベル1からレベル2への条件が、使用するということなんだろう。これまでの傾向的にね。そこからは使用回数だとかある気がする。流石に詳しい条件までは分からないけど。
と、なると、《アイテムボックス》を1度使用してみないとな。《鑑定》と《アイテムボックス》、《溶解液》に関しては、早急なレベル上げの必要性を感じている、是が非にでもやらなければ。とにかく使い続けることがレベル上げになるのかな。
《溶解液》は魔力を消費するから、常時発動は難しい。いざ戦闘って時に、使い続けちゃって魔力切れして闘えません、ってのじゃ笑えない。一方で《鑑定》は魔力消費が無かった。《鑑定》は常に使い続けるよう意識してみよう。《アイテムボックス》は...使えるかな?どう使うんだろ?
んー、取り敢えずの《アイテムボックス》!
俺がそう念じると、目の前に黒い箱のようなものが──出てきてくれたら良かったんだけど、やっぱり出なかった。もう一度自身を《鑑定》してステータスを覗くも、やはり《アイテムボックス》のレベルは上がっていない。発動していないという事だ。
対象が無きゃダメってことかな。ほら、収納したい物がないと発動しません、ってこと。有り得そうだ。
俺は試しにそこら辺に落ちている石ころに近づき、その上に被さる。だって持てないし。こうするしかないじゃん?
まぁ、形はどうでもいいのよ。できるかどうかが問題なのです。発動しなければ次の手を考えるまでよ。
ほいじゃ《アイテムボックス》!
すると、俺の足元(?)にあった石ころが突如として消え失せた。どうやら、成功してしまったらしい。
念のためステータスを《鑑定》して見る。すると、《アイテムボックス》のレベルが1から2に上がっていた。
割と簡単に発動できたことが嬉しい。手が無いとダメとか言われたらどうしようか、と脳裏を過ぎっていたからだ。杞憂となって本当に良かった。
さて、《アイテムボックス》を使えることは理解したが、あの石ころは何処へ消えたのだろうか?教えてくれよー。あ、《鑑定》のスキル説明に載ってないかな。見て見よっと。
《アイテムボックス》
対象物を異空間へと収納する。
出し入れは念じれば可能。
レベルに応じて容量が増加。
(レベル)×1000リットル。
時間経過あり。
ほう、ほうほう!結構な量が入る事に驚きを隠せませんよ。そんなに使うか分からないけど、少ないより良いよね!んで、出すイメージで出てくる感じかな。
よーし、俺の目の前に石ころ出よ!
すると、俺が指定した場所に先ほど消えた石ころが出現した。しっかりと《アイテムボックス》を使えた証拠である。
次に、収納時もイメージでやってみる。説明書には、出し入れが〜〜とあることから、接触の有無は関係無いのかもしれない。あとは距離とかかな。とにかくやってみて、できなければ諦める。できたら嬉しい。という精神でいこう。
それ、収納〜。
お、できた。俺の目の前から再度石ころが消え失せた。《アイテムボックス》が発動し、異空間へと収納出来たのだ。
俺はそれから検証するかのように、距離を作りながら石ころの出し入れを行ってみた。
分かったことといえば、やはり距離に制限があった。それ以上遠くのものを収納しようとすると、魔力を消費する必要が出てきたのだ。その距離は大体5メートル──俺の人間の頃の目則のため、本当は数10センチ──であった。その範囲内であれば、どれだけ連続で使用したとしても、消費魔力は0である。但し、結構疲れる。魔力切れの疲れではなさそうだが、スキルの発動で何かを消費しているのかもしれない。もしくはただ慣れてないから、だけなのかも。今後注目していこう。
さて、これで一先ず色々と片付け終わったな。そろそろ前進を再開しようか。
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