第6話 衝撃的な情報
と、一通り自身のステータスを確認して、一息着いたところで、『リトルベイビーコアスライム』という名を改めて見た。こうして見ていると、本当に俺はスライムに転生したんだな、という実感が湧いてくる。不思議なものだ。俺はスライムを育て最強にするテイマーとして生きたかったはずなんだけど。世の中ままならない事だらけだ。
いや、まぁ、スライムに転生したことも悪いことばかりじゃない。
恐らくだが、この体のお陰で俺は喉の乾きを感じていなかったのだと思う。空腹感さえ湧いてこない。勿論、満腹感も湧かないが。スライムが魔力的な何かを養分として生きているからだろうか?詳しくは理解することなんてできないけど、飯を食う必要が無いことだけは確かである。その証拠、と言ってはなんだが、先程ベイビーホーンラビットを食した時、何の感情も起こらなかった。美味い不味いは勿論、食った、という感覚すら実は無かった。確実に言えることとして、
さて、これからスライムとして生きていくわけだが、目標として、目指すは最強のスライム。どの時点を以て最強と名乗るかは後々考えるとして、今はとにかく自己強化に励まねば。
現在ランクG-の最弱級。1番上はSランクだと予想しているので、"+"や"-"を考慮すると......20数個ランクを上げなければならない。...え、マジで?そんなに差があるの?でも、SABCDEFGの8個のランク帯に、3個の段階がある訳だから、確かに計算は間違っていないような...。
よし、考えるのは辞めよう。今は先ず、恐らくあるであろう進化をしてみようじゃないか。
ステータスを
俺は同じ道を前に進み続けることにした。
※ ※ ※
あの初戦闘から数分後。次の相手と接触した。その名も──ベイビーホーンラビット。
ありがとおぉ!!心の底から感謝する!お前の対処方はもう、かんっぺきだもんね!横に避けて、空いた腹に飛び付いて、《溶解液》なる俺の必殺技を撃ち込むだけだもんね!
俺はさっきと同様に、ベイビーホーンラビットの周囲を回る。ゆっくりと、ゆっくりとね。あまり速く動き過ぎるとアイツが驚いちゃうから。俺は怖くないよー。強くないよー。って感じに動くのがポイント。格下と思われることが必須なのだ。
やはりと言おうか、兎の性質を持っているのか、基本的に奴は臆病である。体躯が小さい俺に対しても、少しばかし恐怖を抱くようだ。その恐怖を拭いきれた時、俺に突進してくるのだろう。早く克服してくだされ。そして飛びかかってきてよ。
うーん、またまた硬直時間入ってるなぁ。中々飛び付いて来ないや。暇だし《鑑定》でもしてみようかな。一応、レベルは2に上がっていたからね。どれだけ情報が増えたか、確かめよーっと。
それ、《鑑定》!
種族:ベイビーホーンラビット
レベル:3/7
ランク:G
お、おぉう、おぉぉぅ......。うん、イマイチ。レベル表記が増えただけかー。まぁ、確かにね。ランクだけで判断ってのも、正確なものじゃないからね。ランクは自分の方が上だけどレベルは相手の方が上で、ステータスが負けてますよー、とかも有り得そうだからね。重要なことだとは思うよ。それに、このスキルレベルの上限は10だと予想している。つまりまだ【2/10】ということなのだ。先はある。嘆くな。
っと、そう言えば、こういう時に相手の情報──ステータス関係ではなく、本当の情報──を教えてくれたりしないのかな。試しにやってみよーっと。
ベイビーホーンラビットの情報を《鑑定》!
『ベイビーホーンラビット』
下級魔物。
非常に臆病。
肉は柔らかく、成体の『ホーンラビット』より高価。
そう、そう!こういうのを待っていたのよ、こういうの!情報量は少ないけど、見るの面白いよね。
へぇ、やっぱり下級魔物なんだ。お肉がやわっこい、と。高価なのは幼体の肉だからって事か。特に幼体は臆病さに磨きがかかりそうだもんな。あと、小さくて見つからないのかもしれない。草むらに隠れられたら大変だもんなぁ。俺のように、同じ体躯で同じ目線から探すと案外と見つかるものなんだけど。
よーし、次に俺の情報も教えてくれ!《鑑定》!
『リトルベイビーコアスライム』
最下級魔物。
最もスライムに近しい存在。
口当たりが良く、甘味として人気。
.........あれ、俺、最下級魔物なんだ。下級魔物なベイビーホーンラビットより下なんだ。ほんとのほんとに最弱モンスターなんだ...。泣きそう。
あー、最弱だってよ、最弱。それでもベイビーホーンラビットには勝ったんだぜ?凄くね?下克上達成してるじゃん。ここからの成り上がりの方が気持ちいいってもんだよね。俄然やる気が出てきたぜ。
って、ベイビーリト
俺食われるのかよおぉぉぉーーっ!!
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