第4話 ラッシュワールドのうらばなし 2話め 座談もどき 猫又参戦

『吊革世界(ラッシュワールド)の裏話』


第2話 破 座談もどき 猫又参戦





―人物紹介―


司会進行:にゃん丸「に」

時おり解説:みなはら「み」


―タイトル(お題)―


吊革世界(ラッシュワールド)の四方山ばなし 転じて 関連含む四方山ばなし


―キャスト(朗読者または演技者)―


『吊革世界』

僕(主人公):にゃん丸「に」

彼女(OLさん):稲荷狐「狐」

おじいさん(長老):かずま「か」


『テレビ脇の恐怖』

あたし(主人公):猫又「猫」

ゴミ箱の草?:みなはら「み」


『あなたに逢えた、ぼくは待ってる』

ぼく(わんこ):にゃん丸「に」



◇◇◇


―本文―



に(にゃん丸)「えーと、何からお話ししましょうか?」


猫(猫又)「あたし、参戦(笑)

まずは自己紹介ね、にゃん丸ちゃんよろしく♪」


に「え!?えっ!?」

狐(稲荷狐)「猫又ちゃん!?」

か(かずま)「猫又!?」


猫「よしっ、驚かせた(Vサイン)」


み(みなはら)「おじゃましま〜す(苦笑)

ちょっと方針変更しましたので、連絡に来たよ」

み「まず、『吊革世界』の座談会、解説ということで、企画を始めたのですけど、

『テレビ脇の恐怖』とか、2編の詩、『あなたに逢えた、ぼくは待ってる』、『踏み石の如く』。

これを一括したテーマの座談会、解説といたします」

み「だから、そちらの朗読、演技者だった猫又は合流となり、

にゃん丸くんは両方の演出をしたのだから、いろいろ話してみてください(笑)」


み「あの辺りの文章って、結局のところ、演出ネタや感情表現として、『吊革世界』の派生作品なんだよね。

つり革が難産で、つり革を追い抜いて出来た3作には、

やっぱり、切り分け出来なかったつり革書いていた時の想いが混じっているのですよ」

み「そんなことなので、合同で書くのが良いのかなというところです」

猫「みなはら、解説乙(笑)」


か「すげーな、にゃん丸ちゃん、ダブルで出演かぁ」

み「いや、かずま。

初めはあんたもダブル出演の予定だったんだ」


か「え〜!?、何の役でなの?」

み「『テレビ脇の恐怖』の草役(笑)」

猫、狐「「ぷっ(爆笑)」」

か「ひでぇ!!」


み「なんかね、かずまの役に合わなかったから、仕方なく自分でやった(苦笑)」

狐「草はみなはらさんかぁ(笑)」

猫「合う合う(笑)」

か「おれも草やりたかった(笑)」

み「草、意外と人気だな(苦笑)」



み「それでは、あとはにゃん丸くん、頼むね。

後ろに引っ込んでいて、何かあれば話すから」

猫「茶々入れに(笑)」

狐「こらっ!!」

み「いや、いいよ狐さん。その通りだから(苦笑)」

猫、か「「(笑)」」

狐「(ため息)」

に「???」

み「にゃん丸くん、よろしく♪

これ台本ね(笑)」

に「あ、はい!」



◇◇◇


に「それでは(台本を見ながら)、

まずは吊革世界(ラッシュワールド)からのお話で進めますが、

他のお話は、その都度、必要に応じて割り込みをかけながら説明致します…」


猫「(爆笑)」

狐、か「「(苦笑)」」

猫「てきと〜(笑)」

か「そういえば、吊革世界って何なの?」


猫「あたし等はね〜(稲荷狐をチラ見)」

狐「あ、うん、わたしたちの世界、隠れ里とか結界かな。わたしわ(猫又ちゃんも)そう思ったの」


か「あやかしが住んでいるってこと?」

猫「なわばりを持ってる人喰いや、御霊喰いはそんな感じで神隠しを起こしたりするのさ」

猫「人喰いよりも御霊喰い、魂を喰うやつが厄介でね(笑)

生きてる人がたくさん居なくなると騒ぎになるけど、

死んだ人の魂や霊が居なくなっても、事件にはならないから(苦笑)」

狐「そういった迷惑なやつ、はぐれのあやかしわ、そこの管理者だったりする亜神や代行者なんかに討伐されたり、フリーの狩人なんかに狩られたりするんだよ(猫又をちらり見る)」

か「あーそうか(納得)」


に「かずまさん、このお話は特にそういういきさつとは関係ないみたいです」

に「えーと(台本をめくり)、みなはらさん自体は、かずまさんがしていた長老のおじいさんが言っていた『待合室』のようなところか、冥界あるいは地獄のようなところと、漠然と決めていたそうです」


猫「あ〜、つなげないんだ」

み「いや、わからない。気が向いたら繋げるかも(笑)」

か、に「「!?」」


猫「出たなっ、妖怪!!」

み「いや、妖怪はそっちだろ(笑)」

み「猫又、お前さんがお話や遊びに飽きたら、そんな部分とつなげて楽しめることも考えているんだよ。

具体的に決めなければ、整合性を取れば新しく作れるから。ソケットってやつ(笑)」


猫「ん〜、ありがとう?」

み「(なぜに疑問形?)じゃあそんなところで」


か「あぁ、待ってみなはらさん!!」

み「何?かずま」

か「おれ、配役が長老じゃない。

なんでおじいさん役なの?」


み「あれ?かずま、お前わからないのか。

かずまが死ぬ話でじーさんだったじゃない。それ」

か「おれ死ぬの!?」

猫「死ぬよ(笑)

あたしが看取った」

か「看取られるの!!」

狐「うん、そうなんだって(笑)」

か「死んだのに笑われてる!?」


み「それで、生き返って神になる(苦笑)」

猫「どこかの救世主みたいだよね(笑)」

狐「こらこら(苦笑)」


み「今は猫又との娘と一緒に、人類救済の探索に出かけていて、まだ帰ってこない。

帰るのは未定」

か「失踪!?」

猫「難儀な人生だよね〜(笑)」

狐「かずまくん大変だよね(笑)

人間、ふつーがいちばん(苦笑)わたしわそう思うよ」


み「かずま、君はね、ちょっと数奇なところも演出しようかと変わっていったキャラだからさ(笑)

主人公と定義してた○○よりも、数奇さでは頭ひとつ上かなと」

み「そんなこんなで、立ち位置を変えながら、これからもいろいろと頑張っていただきます(笑)」

か「ははは…(乾笑)」


み「まあともかく、かずまが長老役だったのはそれが理由よ♪」


み「自分の考えの中で、かずまってのは高校生くらいのリア充的カッコ良さから、じじいに成っても人生を謳歌しているカッコ良さを持っているイメージがあるキャラなんだよ」

猫「(笑)」

狐「ほぅー」


み「主人公○○の、時おり熱いこともあるけど、基本ウジウジして後ろ向きなところとは違う」

み「悩みはあるし、大変な出来事にもあったけど、前を向いて歩いている姿はカッコいい(笑)」


か「おれ、褒められてるの?」

み「だから足を引っかけて、転ばせたくなる(笑)」

猫、狐「「(爆笑)」」

に「(驚)」

か「ひでぇ!!みなはらさんっ」

み「カッコいいと腹が立つんだよ(笑)

モテない作者のひがみと思っていいからさ(笑)」

に「みなはらさんって、そういう人だったんですか!?」

猫、狐「「そう」だよ〜(笑)」


み「にゃん丸くんもよろしくね〜(笑)

活躍して目立つのには、リスクがあるのだよ(苦笑)」

に「…ぼく、わき(役)がいいです」



◇◇◇


に「(台本を覗き、)さあ続けてお話いたします。

吊革世界ができたきっかけのひとつは、『横浜駅SF』なんですね」

に「(台本から)みなはらさんは、東京で電車通勤していた経験から、殺人的混雑について知っていたとのことです」


に「ねぇ、みなはらさん!この(台本に書いてある、)混雑しているピーク時に足が浮くと、駅に着いて、人が空くまで宙に浮いたままって、ホントなの!?」

み「うん、ホント(笑)

都市伝説みたいだけど、あの頃の同僚、同期入社のやつが体験したって言ってた(苦笑)」

か、に「「(驚愕)」」


み「まあ、話半分にしてみても、体重の軽い小柄な、例えば女の人とかなら、ホントあり得そうなところが恐ろしい(苦笑)」

み「あの頃、自分は環状線の新宿から渋谷間のラッシュくらいしか経験してないからね。

せいぜいが混雑時120%から150%だから、苦しいけどまだやれた(笑)

押されて、片足浮いたままなんて事もけっこうあるし、つり革離さないで押されて、一瞬両足が浮いたことも何度かある(苦笑)」


み「それを上回る乗車率200%とか言われていた、

神奈川から東京を経由して埼玉、東北へ向かっていたあの路線は、想像を絶していた世界だろうね(苦笑)

座席上の手荷物置き場に寝そべっていくと楽だ(笑)なんていう冗談が出る世界だったから(苦笑)」


み「たぶん自分だと、遠回りしても空いている路線を探すか、近くに引っ越すと思う(笑)

ほんとに、世のサラリーマンのお父さんたちには頭が下がります(ペコリ)」


み「そんなとこで、

じゃっ(笑)」


に「人の少ない、僕たちの世界だと想像がつかない(冷汗)

ありがとうございました!

…えーと、(台本に)書かれている、最初のプロットとしての会話をご紹介いたしますね」



 -『つり革 初稿(会話文)』-


「押すな押すな、押すなっ、押すなよ〜!」


「あしっ、足浮いてるからぁ!!」



だんだんに地面の端側に押されていくけれど、このすし詰めの状態では、人波に揉まれるまま、逆らうことも出来ない。


俺の隣に居た年配の会社員らしきおじさんは、

諦めてつり革から手を離して消えてしまった。


できた隙間に押されてきた人が詰め込まれてきて、

バランスを崩した俺は、誤って誰かの足を踏んでしまう。



「イタっ(>_<)」


「ごめんなさい!?大丈夫ですか?」


「…大丈夫。」


「すみません。」


「いいえ。気にしないで」



失敗した…。

相手は不機嫌だけれど、まだマシなやりとりだ。

あちらこちらで怒鳴り散らしている声が、微かに耳に届いてくる。


あっ、押されて地面から足が離れて落とされた!?



暗闇を長い時間落下して、俺は生まれ変わる。





「オギャー!!(>_<)」


「おめでとうございます、元気な女の子です!!」



◇◇◇


に「と、これが最初。

本来の吊革世界として、みなはらさんの思いついたお話でした(笑)」



狐「オスナヨオスナヨっ(笑)」


猫「コメディ?(笑)」

か「漫才ネタかぁ」



に「そんな感じのスタートだったんですね(笑)

それよりも、ぼく、女の子に転生する結末だったんですか~!?」


猫「(笑)」

狐「(笑)」


に「えーと(気を取り直し)、

みなはらさんの二稿は、以下のように考えが変わったり、足されたりしていったようです」



 -『つり革 二稿(プロット断片)』-


つり革につかまる幽霊たちで、すし詰めの現代せかい


つり革から手を離すと、体が透けて地面に立てなくなる。

吸い込まれて消えてゆく


騒いだり、誰かの邪魔をしたりするものは、つり革が消えて、透けた身体は、地面へと消える


つり革を離すと落ちて消える


 ※ 例で女子高生シーン書く



消えた人がどうなるか誰も知らない。

帰ってきたやつは居ない


消えた先がどこなのかわからない地獄?天国?転生なのか?


地面へと消えるので、天国ではないだろうといううわさを聞くし、みんなそう思っているのだろう。


むやみにつり革から手を離す人は意外と少ない。



時おりつり革と共に新しく人が現れることがあるが、

現れるのは新しく死んだ人だけ



ぎゅっとすし詰めなのだけれど、

生前の通勤もこんな感じだった


あまり苦痛に感じないちょっと、わずらわしい気持ちになるだけ


睡眠、食事などは要らない

そもそも欲求は希薄になるようだ


それでも、

いろいろと執着心のあるやつや、感情的なやつはいて、

セクハラ、暴力などで居なくなるやつはいる


となりの学生を、ねっとりとした視線で見ていたやつが今消えたのは、

何かしでかしたんだろう。ちなみに女性おばさん


(中断)



◇◇◇


 -アイデアメモ1-


くもの糸のカンダタみたい


天国へ登ろうとして、つり革の取っ手を離した途端、消えたといううわさを聞いた


OLと知り合って


手を繋いで一緒に

つり革を離す


双子に転生する



◇◇◇


に「二稿とアイデアメモ1は以上。こんな感じです。

えー、みなはらさんは、初稿から二稿への考えで、ヒロインと一緒に出てゆく話になって、

双子転生というお話の結末を考えたのが、今のお話の源流のようです」



か「今のお話も、あの二人は双子で生まれ変わったのかな?」

み「いや、決めてない(笑)」

猫「また来たよ(笑)」


み「実は双子転生を考えたあと、5人で手をつないで行ったら五つ子か!?とか(苦笑)

ダイビングのアクロバティックな多人数降下だとどうなるんだ!?とか(笑)」


に「いろいろ思いついたんですね(笑)」

み「うん。謎も解決されない。行き先も何もわからない。

そんな世界だからそれも決めなくてもいいかなと(笑)」


猫「で、あの世界になったわけか~(笑)」

み「そう。その辺りで世界の設定を詰め始めたんだよ。

それが下のアイデアメモ2と3だよ(笑)」



 -アイデアメモ2-


感覚があり、感情も現世と変わらない。

お腹が空かない、眠くもならない。

 →正常な神経では耐えられないか?


感覚や感情を鈍くするか?

 →お話、演出や世界背景への整合性はどうするか?


つり広告掲示板

 →ケータイは使えるけれど、ここしかアクセス出来ない。


電話は通じない。

 →ここと現世との通話は出来ない。


幽霊同士、お互いに死んでいるなら、通話出来るとするか?

 →隣とでは意味がない。同じ事故で死んだ友人、先になくなっている親とかはどうか?


ケータイ充電は?

 →睡眠も食欲もない世界なんだから、そんなの気にするな(笑)


つり革の機能で主人公を移動可能とするか?

 →冒険物語?さすがに無い。初めの設定から合わないだろう。


移動の場合、下から潜る?

 →主人公を少年にするか?


すし詰めの人の上を渡る?

 →クロコダイル・ダンディーかい!!←面白かったな、ダンディ(笑)



◇◇◇


 -アイデアメモ3-


おとなはつり革

子どもは託児所か遊園地



◇◇◇


に「こんなふうに、思いつくままに出されたアイデアが足されて、あの本編のお話になったんですね」





-つづく-

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