バトルロイヤル家族
「なんの冗談だ」
「分かるでしょ。お金が必要なのよ」
「だからって、母さんも弟も殺したのか」
「そうよ。だけどこの賞金で私は新しい家族を作るの」
「狂ってるよ。お前も俺もあいつも」
「言いたいことはそれだけ?じゃあね、お兄ちゃん」
女はそう告げて引き金に手をかけようとしたが、指が震えて眩暈に襲われる。
「これは神経毒!?一体いつの間に…」
「すまない妹。俺にはまだやるべきことがあるんだ」
長きに渡るゲームは決着を迎え、そこで映像は途切れた。
それを見て老人は満足そうに笑う。愛情をかけて育てた肉親の間で殺し合いをさせる。これ以上の贅沢はないだろう。
「最高の肴だ。もっと酒を持ってこい」
だがノックして入って来たボーイは銃口を差し出した。
「儂を殺せば賞金は出んぞ!」
慌てる老人の口元に、男は銃を突っ込んで言った。
「ボケたこと抜かしてんじゃねえぞジジイ。代金はお前の遺産で払ってもらう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます