第4話
次の日の朝、学校へ行くと、
「ほんとだよ! コンビニの駐車場に、このくらいの跡が残ってるんだから!! あれは絶対に、UFOが着地した証拠だよ!」
身振り手振りで、昨日の出来事を説明している。
(昨日の夜、未来ちゃんも、あの駐車場に居たんだ……。確か、翔ちゃんも穴が開いてるって言ってたっけ……)
翔ちゃんは一組だから、二組のこの教室には居ない……。
もし、この場に居たら、二人で盛り上がっていたに違いない。
「嘘ついてんじゃねーよ!」
「UFOなんて、そんなの居る訳ないし!」
「バッカじゃねーの!」
数人の男子が、未来ちゃんをからかい始めた。
中心になっているのは、いじめっ子のリーダー・
「バカはそっちだし! UFOは絶対にいるし、宇宙人だって!」
未来ちゃんも、負けずに言い返している。
「こいつ、頭おかしいぜ!」
「バカが移るから、近付かない方がいいよ!」
「もーっ!!」
未来ちゃんは強いから、こんなことを言われても平気だけれど、何人もの男子が寄ってたかって意地悪言うのは許せない!
「ちょっと、やめなさいよ!」
私はランドセルを背負ったまま、その輪の中に入っていた。
「じゃあ、天宮もUFO信じてんのかよ!」
今度は、男子達の矛先が私に向いてくる。
「それは……、たぶん……」
「あ〜っ、こいつも仲間だぜ!」
「頭、狂ってる!」
私を指差して、男子達が笑っている。
〝未来ちゃんは、嘘をついたりしない! 〟
そう言って、未来ちゃんを庇ってあげたいけれど……。
そんな強気で言い切れるほど、私はUFOや宇宙人の存在を信じていない……。
(もーっ、ほんと、大地ムカつく!)
完全な敗北モードのまま、授業が始まった……。
(だけど、未来ちゃんはどうして、そんな不確かなものを信じきることが出来るんだろう?)
教室の窓から、透き通った青い空を眺める……。
ところどころに入道雲が浮かんでいて、ジェット機が音を立てながらまっすぐに飛んでいる。
(UFO……、未確認飛行物体……、本当に居るのかなぁ……。でも、空には星がいっぱいある訳で……、その中に地球のような星があってもおかしくはないような気もするし……)
国語の授業そっちのけで、空への思いに浸る……。
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