……そして始まる狂乱のグルメパーティー!
な話なんですが、自分で書いていて何を書いているのか分からなくなってきました。
うん、一度落ち着きましょう。
異世界ものであるのは確か。
今や一大ジャンルとなった異世界ものですよ。
可愛いエルフも出てきますし、そうそう、このエルフさんがまたかわいいんですよ。
でもそれもオカンという存在の前では霞む。
勇者さえも霞む。
それぐらいオカンのキャラクターが愉快で強烈で楽しいんですね。
なんといっても倒した魔物を余すことなく料理するんです。
ぶっ殺す、という意味の料理ではなく、食べる方の料理です。
現実世界ではお目にかかることのない食材を、現地の調理法とスパイスで美味しい料理に変えていくんです。
クエストなんかただの食材集めと化していくんです。
しかもこのオカン、とにかくコミュケーション能力が高い。
あっという間に異世界に溶け込んでいくんです。
周りを巻き込みつつ、異世界に新風を巻き起こしていきます。
……そろそろネタバレ境界線に踏み込んできたような気がします。
いや、すでに踏み込みすぎているかも。
とにかく楽しい要素をこれでもかと詰め込んだ豪華な鍋のような作品。
美味しい食材だけで作っているから絶対に美味しいはず! というような作品です。
とにかく読んでみることをお勧めします。
この作者の物語は、独特の笑いのスパイスが効いていて、すごく後を引く旨さなのです!
本文10万字辺りまで拝読した範囲でのレビューです。
ジャンル的には、いわゆる異世界転移系のファンタジーですね。
単純に主人公が転移するのではなく、自分の母親を一緒に巻き込んでしまう、という状況設定はタイトル通り。
「巻き込み型」の異世界ファンタジーは決して少なくなく、幼馴染の女の子とかクラスメイト全員とかは定番ですが、最近では母親や祖母といった家族まで転移してしまう作品が散見されるようになってきました。
この作品も母親同伴タイプの異世界物なのですが……
何しろ主人公と一緒に転移してきたのが、「エセ関西風のおばちゃんパーマな母親」だっていうんだからインパクトが凄まじい(笑)。
途中で主人公が可愛いエルフの女の子と仲良くなったりもするわけですが、その場におかんが居合わせているときの居心地悪さと来たら、同情せずに居られません。
しかし主人公の思惑なんかおかまいなしで、おかんはガンガン異世界の人々を巻き込んで突き進むわけです。
おばちゃんパワーの快進撃は、あらゆる異郷の困難をフッ飛ばし、まさに無双状態で事件を次々に解決していきます。
その有様はノンストレス――なんですが、一緒に居る主人公の立場としては、それを素直に喜んでいいのかどうかビミョーなところ。
この辺りの「連戦連勝なのに何かが違う……!」という複雑な心情のギャップは、母親同伴系ファンタジーのお約束にして醍醐味でしょうね。
就活の真っ只中、面接当日交通事故に遭い異世界に飛ばされた主人公ですが、なんとオカンと一緒!?
個性的なキャラクターのオカンは、サバイバル能力もコミュニケーションスキルもあり、モンスターのいる異世界に数秒で順応してしまうほどの強者です。
まるで関西人のようなノリで、モンスターや吸血コウモリを豪快に調理する様は、とても人間の為せる技とは思えません。
オカンは本当はモンスターなのでは?
いえ、違いますよね。
モンスターのような、強烈キャラなのです。
勇者養成所に通う息子よりも、勇者らしい最強のオカン。
作者様の筆力により、短編よりもさらにパワーアップしています。
もはやどちらが主役かわからない。
え? もちろんオカンでしょ?
作者様の異世界ワールドを是非ご覧下さい。
(11 おかんのそれは“てへぺろ”ではない 拝読後のレビュー)