あとがき
ありがとうございました!
本作、『コミュ障の紫さん、自殺に失敗して吹っ切れる』をここまでご覧いただいた読者のみなさま、大変ありがとうございました。
この物語は自殺というマイナスのスタートを切った紫さんが、それでも健気(?)に努力をして社会復帰していくというメインテーマを主軸として描かれたものです。
コミュ障の紫さんが七転八倒を繰り返しながらも、いろいろな苦難に立ち向かって幸せを勝ち取っていく姿を楽しく受け止めていただけたならこれ以上なく嬉しいです。
などと言いつつも、作者的にはそんなメインテーマよりもむしろ裏テーマがメインでした。
それは『自身の幸福のためにどれだけの努力が許されるのか』というものです。
今日のご飯にありつくために、雨風をしのぐ屋根と壁を確保するために赤の他人の財布の中身を勝手に使うのは大丈夫でしょうか。
それともそんなことは言語道断。「金が無いならホームレスになれ! 腹が減っても我慢してボランティアの炊き出しを待っているべきだ! 金も家も無くても人間なんとか生きていけるのだから人に迷惑をかけるんじゃない!」と憤慨すべきことでしょうか。
多分、後者の意見の人の方が多いと思います。当然のごとく。常識的に考えて。
それは窃盗という行為が犯罪であるという理由がもちろんあるとは思いますが、しかしそれ以上に、それを許してしまったら自分が被害に遭う立場にあるからだと私は考えています。
ならばそんな自分の立ち位置が変わってしまったら?
いざ自分がお金もなく、空腹にお腹を鳴らしていたらどうするでしょうか。
後者の人の意見に素直に耳を傾けて、家を引き払い、今の生活を全て捨て去ってボランティアの炊き出しを待つ生活を送れるでしょうか。
倫理的に、こんなことを言ってはいけないとわかっているのですが、すみません。
正直、私は自信がありません……。
この話は、そんな作者自身の弱い部分を紫さんへと持たせて、そんな紫さんだったら極限状態にどう振る舞うのかを追跡させた物語だったのかもしれないと、書き終わった今改めて考えてしまいました。
ちなみに、このお話の中での紫さんは知りませんでしたが、税金や年金を未納入でも市役所などで生活保護の申請はできるので、こんなに追い詰められることは現実にはなかなかありません。
生活が困窮している場合は何はともかく市役所へGOです。日本においては死なない限り何かしらの生きる道がちゃんと残されていますのでお忘れないように!
最後に、改めまして読者のみなさまに感謝です。
少しでもこのお話の展開にワクワクドキドキとしていただけたなら幸いでした。
次回作でもご縁があれば嬉しいです!
スーパー野菜人
コミュ障の紫さん、自殺に失敗して吹っ切れる 浅見朝志(旧名:忍人参) @super-yasai-jin
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