第2話そして俺は転生する
「おーい。起きろー。お前はまだ死ぬには早いぞー」
次に俺が目を覚ましたのは謎の空間だった。
目の前に居たのは男だ。
だが俺はすぐにそいつが人間ではない特殊な存在である事に気づいた。
男は言った。
「水野宏樹君だね。よく来てくれました。」
俺はその言葉を聞くと穏やかな笑みを浮かべ立ち上がり、そのまま男に飛び掛った。
「何するんだよ」
驚く男を尻目に俺は男の首を強い力で締め付け叫んだ。
「お前が神か。丁度良かった。俺はお前を殺せなかったことだけが心残りだったんだ。」
男は苦しそうな様子でうめくように言った。
「違う。僕は悪魔だ。」
俺は笑みを浮かべて言った。
「そうか。じゃあ、ついてなかったな。無駄死にじゃないか。」
男は必死にあがき言った。
「妹を生き返らせたくないのかい」
「本気か」
俺は少しだけ手を緩めた。
「僕には可能だよ。もっとも今は無理だ。条件があるけどね」
「言ってみろ。聞くだけ聞いてやる。」
「簡単な話しさ。好きなチート能力を選んで異世界に転生し、その異世界で大戦争を起こして、僕の封印を解いて欲しいんだ。」
「なんだ。そんなことかその程度で良いのか?」
男は俺の言葉に驚いた様子で言った。
「そんなこと。結構無茶な要求だと思うんだけど」
俺は笑って言った。
「これまでの理不尽さに比べたらよっぽどましだ。だがな」
俺は再び首を絞める手に力を加えた。
そして、男を死ぬ寸前まで追い詰めて言った。
「チート能力を選べなんていうなめた口を利くのはやめろ。お前が俺に移譲するのはお前の権能の全てだ。覚えて置けよ。もし約束を破ったらその時は、悪魔と人間のどちらが恐ろしいか思い知らせてやる。」
男は息も絶え絶えに俺の言葉に頷いたのだった。
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