page.15 留守番
アルバートとエヴェリンが買い物へ出かけ、私はひとり庭の手入れをしていた。頼み込んで手に入れた、私の仕事だ。
「私も、庭は歩く」
そう言って、アルバートから譲ってもらった、私の仕事だ。
花壇に水を
特に、枝を切るのは楽しい。
枝を切りながら、ふと
「何か、用か?」
「なんで
「この家の、
「
「……そういうことになる」
「爆発するんだろ?」
これが、
「私は、しない」
「絶対嘘だよ!」
「絶対、しない」
「なにしてるの!」
悲鳴のような声をあげて現れたのは、ひとりの女性。
「ママ! こいつ、爆発するよね?」
「馬鹿なことを言わないの! その……すみません。この子が失礼なことを言って。ハミルトンのご夫妻にはお世話になっているのに」
「いいえ、気にしません。ただ、彼の
「……ええ、そうですよね。その……それで、申し訳ないんですけれど」
女性は、少年の肩を掴みながら
「どう、されました?」
「……二度と、この子と話さないでください。……私たちに、近づかないで!」
子を抱き上げ、背を向け、走り去る女性。
「……貴女の認識も、誤っている」
切りかけの枝をそのままに、私は屋敷へと戻った。
庭はもう、歩くまい。
なにもしないこと。もしかしたら、それがこの家で私に求められていることなのかも知れない。
そしてそれが、この星で、
私は、誰もいないダイニング・テーブルでひとり席につく。妙に感傷的になる自我に対してセルフ・エラー・チェックを走らせながら、問いを繰り返した。
「アルバート、エヴェリン。貴方たちは何故、私をここへ呼んだのだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます