第85話旅行だ! 海だ! アオハルだ! (遠くで壁を殴る音が聞こえる)
「
化石骨騒動の後日。キヤ達歯車鍛冶工房メンバーはフクィーカツ名物の一つである巨大な塩水湖のビーチに訪れていた。塩水湖と言えどその大きさは非常に大きく琵琶湖や死海よりもなお大きいサイズである。湖と言いながら場所によってはビーチのようなサラサラの砂がある場所もありもうほぼ海と言ってもいいだろう。
ちなみにこのビーチはナルニィエスの実家ハインツナイツ家所有のプライベートビーチである。縁を結んだおかげで色々取り計らってもらい、数日は使っていいらしい。持つべきものは上流階級との縁である。
青い空 (キヤ・サイドチェスト)、白い雲 (マーソウ・モストマスキュラー)、透き通る青色の湖 (ゴルドワーフ・ダブルバイセップス)。工房男衆+オネェがむさ苦しい満面の笑みを浮かべながらそれぞれボディビルのポーズキメて映りこんでいなければカンペキだった。その後三人は大きなタンコブを作って砂浜に埋められた。
「男ってホントバカよね」
「もう今日お兄ちゃんと口きかない」
「すみません、ちょっと同意です……」
非難轟々の女性陣。誰だってキレる。俺もキレる。ところでここは湖とは言え水遊びする場所だ、当然全員水着である。ちなみに水着は旅館の貸出品で、キヤがもらったチラシの割引チケットについていたオプションである。
大事な女性陣の水着のデザインについては大まかに言っておくと、サツキがフレアビキニにキュロパンを合わせたもの、カレンがクロスホルターにローライズを合わせたもの、マーシュンはスク水である。てかなんでスク水があるんだよくやったジジイハゲろ。
ちなみに何とは言わないが女性陣の中では意外にもサツキが一番大きい。続いてカレン、そしてマーシュンだ。ちなみに工房内で一番大きいのはゴルドワーフである。性別のカテゴライズにこだわらなければ。
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
「顔が
「あの、大丈夫ですか?」
「だいじょばないかな……今イイ感じにグリルからローストくらいに足ツッコんでる……足突っ込むどころか全身埋まってるんですけどね……ふひひ」
アツさで頭をやられているのか何を言ってるのかわからないキヤ。悪ふざけの代償を払い続けるキヤにカレンがおずおずと近づきしゃがむ。考えてみてほしい。見目麗しい美少女が水着と言う布面積の乏しい衣装で自分のすぐそばにしゃがむということを。
自分を心配そうな目で(なおキヤ達を埋めたのはほとんどカレンだ)見ながらサイドの髪を耳にかけるカレン。キヤが僅かに動く首を回してカレンを見るとそこは桃源郷であった。詳しく語る必要もあるまい。だがキヤは割とそういうことには純情なのでゆっくーりと目線を元の位置に戻す。だが一度目に焼き付いてしまった刺激的な光景はキヤの身体に変化をもたらす。あまり女性、特にカレンに知られたくない変化を
「あー、その……カレン。そろそろ掘り出し……いや、ちょっと間をおいて掘り出してください、いや、ちょっと間を置いてマーソウ呼んできてもらえる?」
「なぜです? サツキさんからはそろそろキヤさん達を掘り出して合流しようと言われていて、後はキヤさんだけなんですが」
「いやね、のっぴきならない理由があるから仕方ないことなんだコレはだからマーソウ呼んできてお願いマッソォ」
なぜか若干慌てているキヤだがカレンはサツキから早く掘り出してお昼にしようと言われているので無慈悲に気を高める
「時間推してるので行きますね、
「チョマテヨカレン、ままま待ってください、お願いします!」
「せいっ!」
「ア゛ァァァァァァァ!!」
どぱん!!! ドザァァァ……
カレンの体内で練り上げられたそこそこの量の気が拳に集積、そしてその拳を軽く地面に当てキヤを埋めていた砂を一気に吹き飛ばす。カレンは修行の末あらゆる場所に含まれる魔力の元、魔素を自身の気を操り動かすことで標的にした場所に様々な影響を与えることが出来るようになった。原理的には竹の水鉄砲が近いだろうか。水が魔素で水を押し出す棒が気だ。
そして打ち上げられた砂が収まったころ、キヤは体育座りをしてそこに居た。固く手を
「ほらキヤさん、皆さん待っていますから早く行きましょう、ほら、手を貸しますよ?」
「ちょっともうちょっとこの海眺めてたいから先に行って……」
一緒に連れ立って二人で皆の元に戻りたいカレンVS工房長として男としての尊厳を守りたいキヤ。お願い頑張ってキヤ、あなたがここで立ったら今までのバレバレの挙動不審というなの隠ぺい工作が水の泡! フラグが立ってるヒロインにこんな情けないところを見られちゃったら社会的に大変なことになっちゃう! 大丈夫、ほんの少しだけ時間を置けばまた一人で立てるようになるんだから!
次回、キヤ(の尊厳)死す! デュエ〇スタ〇バイ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます