第9話

「えーっと。この先ですね」

徒歩5分の道のり。

会話はなくてもやり過ごせる時間。

この状況に対して

心の準備もしていなかったわたしは

距離を縮めることも出来ず

2人きりの空間をもて余してしまった。


「いらっしゃいませ」

お店に入ると、

店員さんの明るい声が迎えてくれた。

店内は見通せるタイプで

すぐに友香さんの姿を発見することができた。


「もー。遅いよー

佐藤さんも桜のお手伝いお疲れー」

友香さんたちはかなりのハイペースで

飲んでいたようで

普段よりみんなテンションが高い。


いまだにあまりゆっくり話せていない

わたしの使命は

これを機にみんなとの距離を縮め

あわよくば佐藤さんとも

仲良くなれればいいな。。

なんて。想いながらグラスを傾けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る