第7話

突然の息がかかるくらいの距離。

動揺するなという方が無理な話。

慌てて体勢をかえようとしたせいで

机に積み上がっていた

書類がバタバタと形を無くしてく。

もはや、平静をよそおうフリに無理があるのは

重々承知していたが

わたしのなかに他の選択肢はなく

「あれ?佐藤さんも飲み会

行かれるんじゃなかったでしたっけ??」

平然とシラを切る。


「うん。行くよ。だから

はやく終わらせちゃお?。」


ほら。また。

手元の資料を確認してたはずの目が

こちらをほんの一瞬みただけ。

その動作だけが

わたしにはスローモーションのように

見えてしまう。


わたしは

ぽちの沼にはまり始める。


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