第15話 メアリーの決心
メアリーの説明があまりにしどろもどろだったのでアタシはミンジュンが席についたのを見計らいこれまでの経緯を話した。
村長がメアリーの両親の家を燃やし彼女の親を殺し、さらにメアリーに手を挙げたがペンダントの力で覚醒して
「僕もかつて自分達の身が危なくなった事があり、ペンダントが
なぁカイラ! 」
「そういえば昔あったなそういう出来事が……
そのペンダントは先代の英雄様が持っていたという伝説があるくらいなのでもしかするとそれは宝具と呼ばれる特殊な力を備えた貴重なアイテムなのかもしれませんね」
そんな物をメアリーに?……
いやもう遅いわね。ペンダントが反応したって事は既に次の勇者として選ばれてしまったんでしょうしね。こうなったらもう彼女を育て上げるしかないのかしらね
「それと先程のメアリーさんの住む所がないって話なのですがもし良かったら、ここの2階が1部屋だけ空いていますのでどうでしょうか。」
「えっ!いいんでしょうか? 私、今お金持ってないんですけども」
「そうなのよ〜アナタ達が村に渡したお金は村長に使われて彼女は今一文無しなのよね」
「お金はいらないですよ。ちなみに村を出てメアリーさんはこの先はどうしたいのですか?」
「メアリーちゃんはまだ11歳だし、とりあえず学校へは行かせるべきじゃないかしら」
「フム、それは良い考えだと思いますよ。メアリーさんの学費に関しては是非、父と相談させて下さい」
「私…イヤです!学校に通ったとしてもこの足と顔では友達も出来ずきっとまたイジメられるだけです
それよりも………それよりもどうかここで働かせてください私、自分でお金を稼いで火傷の治療費を貯めます!」
まあそりゃそうよねーまずは顔の火傷の治療からよねまずは……
「あのうすまんが儂らそろそろ……」
ヨハンとボミエは自分達が住んでいる宿舎に帰ると言うのでアタシは送って行こうとしたところをメアリーがズルズルと足を引きずってついて来た。
何かしら?
「ヨハンさん、私に剣術を教えて下さい!」
イヤーっ! 無理でしょうそもそも歩くのがやっとのその足で一体どうやって戦うのよ?
「メアリーさんや、お前さんは剣術を学んでどうしたいのじゃ??」
「私…初めて村を出てロッペンハイマーの町に来ました。今日見た物の全てが新鮮で楽しかったです。もっと世の中を見てみたい、これからもたくさん冒険をしてみたいと思っています。そうなると魔物と戦わなければならないのでその為には剣術を学ぶ必要があると思います」
ヨハンは頭を抱え、困った表情でアタシを見てきたので頷いた。
「そうか分かった考えておこうかのう」
「そんじゃまたニャー!!」
店を出ると、アタシとメアリーは2人に向かって手を振って見送った。……ってアタシお魚なので手が無いんだったわ?
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