第12話 旅立ちのとき


浮遊レビテーション


 アタシは念力サイコキネシスでメアリーを背中に乗せて満月が美しく輝く夜空を飛んでいった。


「さて、メアリーちゃんロッペンハイマーの町へ行くわよ〜♪」


「隣り町ですか? 私まだ行った事無いんですよーっ! でもどうして急に?」


「元勇者のイ・ミンジュン君と一緒にいた

 彼覚えてる?」


「えっと確か貴族の方でカイラ・フォン・ヒンデンブルク様だと思います。もしかして会いに行くんですか?」


「彼等なら貴方が証言すれば信じてくれるんじゃないかしら?頼めば協力も得られるだろうし、あと店の事も気になるしね!」


「わぁっ いいですね!ミンジュンさんの作った料理どんなのかスゴく楽しみです。」


 それにしてもさっきの覚醒、ペンダントの特殊な力がメアリーの感情を読み取ったのかしら?

 まぁいいわ

 それも後でミンジュン君達に聞いてみるか

 この世界で最初に行く町ロッペンハイマーは一体どんな所なのかちょっと楽しみね。

 …でもちょっとその前に、今日出会ってからまだ何も口にしていないのでメアリーがお腹空いてるだろうから先程焚火をした場所へ戻るわよ


「えっ先生、どうしたんですか」


「メアリーちゃんがお腹空いてると思ってお魚を取りに来たのよん♪」


 焚火に火をつけて彼女が暖を取ってるうちに何か食べる物でも捕まえてくるかな。


「メアリーちゃん、アタシちょっとお魚を取ってくるからここで待っててくれるかしら?」


「ハイっ先生」


 メアリーは嬉しかった。

 今まで村から出た事も無かった彼女を出してくれた先生に感謝とこれから起きる事に期待と不安、そしてワクワクが止まらない


「あーあったかい最高〜♪

 それにしてもお魚なんて何年ぶりだろうかな?」


 メアリーが物思いにふけっていると

 いつのまにやら3匹の緑色の肌の醜い魔物が

 彼女の周りを囲む様にゆっくりと近づいて来た。

 その醜悪なる姿を目の前にしてメアリーは恐怖のあまりに足がすくんでペタっと座り込んでしまった。


「ギャギャッ!」


「ヒィ…先生助けて?」


「ワン!ワン!!」


 その時、1匹の犬がどこからともなく駆け寄り、怪物供を追っ払おうと吠え出した。すると、離れた所から氷の矢が飛んで来て怪物供に命中すると、敵わないと感じたのかゴブリン供はサッサと逃げ出して行った。犬は近づいて来る2つの人影の元へ走り去って行き、その人影が夜空の光に照らされて

 ハッキリと顔が見えた。


 1人は年配の鎖帷子を着込んだ男性で鉄の兜を被り、赤い十字の付いた白いマントを羽織っている

 もう1人は魔法師の格好をした猫人で右手に持っている星の形をした杖が印象的だった。


「大丈夫ニャ、ゴブリン供に何かされたかニャ?」


「ハイ…あのえっと私はメアリーといいます

 助けていただきありがとうございます。」


「ははっ礼には及ばんよ。儂はヨハンと申す、

 こやつが猫魔法師のボミエ、それと儂の愛犬のチューリップじゃよ。ところでお前さん1人でこんな所におるのかえ?」


「いえ、先生がいます。お魚を取りに行ってまして、そろそろ戻って来る頃だとおもうのですが?」


「やったーオイラ魚は大好物ニャ」


「先生じゃと?」


「ハイっ私の知らない色々な事を教えてくれる私にとってはお母さんの様な方です」


「おっほー!それは会うのが楽しみじゃな?」


「ヨハン爺にも春が来たニャ」


 なんでだろう? このヨハンってお爺ちゃん妙に先生の事を聞いてくるなあ? そうだ!鑑定スキルで見てみようか。 よーしステータス……オン!


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 ヨハン・フィッツジュラルディン


【クラス】 聖騎士

  Lv 10

 HP390 MP279 SP290

 攻撃388 防御379 敏捷394


 【装備】

 聖教十字軍の剣、聖教十字軍の鎖帷子、聖教十字軍の籠手、聖教十字軍のブーツ、聖教十字軍の兜、大神官のペンダント


 【能力スキル

 剣技ソードスキルLv8、聖魔法Lv2、

 毒耐性Lv4、マヒ耐性Lv4、石化耐性Lv4



【加護】:なし

【称号】:聖教十字軍副団長の証

【進化】:条件を満たしていません


 

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【ボミエ・ルル・ユーミン】


【種族】 猫魔法士

  Lv 28

 HP200 MP300 SP30

 攻撃118 防御190 速さ210


 【装備】

 猫魔法士のローブ、猫魔法士の帽子、

 スターライトの杖


 【能力スキル

 火炎魔法Lv3、風魔法Lv3、水魔法Lv2

 回復魔法Lv2、状態回復魔法Lv2、星魔法Lv2


【加護】:ピックルの愛の証

【称号】:なし

【進化】:条件を満たしていません


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「その……メアリーさんや」


「ハイ何ですか?」


「その先生って方はど……どんな感じなのかのう

 スレンダーな感じなのかそれとも少しぽっちゃりな感じなのかのう?」


「もうヨハン爺あとで後悔しても知らないニャ」

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