第11話 真実? そしてウンコダイブ?


 コツン!コツン!


 誰かの気配を察知したので急いで透明化した


 そこへ片側の壁に片手をつきながら、危い足取りで木の棒を持ったバーコード頭の村長がフラフラしながら入ってきて大声でがなりたてた。


「おい起きろ糞ガキ〜っ⁉︎」


 右手に持っていた木の棒の先でメアリーの頭をボコボコ叩く。


「勇者様からもらったお前の治療費なコイツで無くなったから」


 持っている酒瓶を見ずとも臭いでわかった。


「あとお前、あのワシの大事な2人を酷い目に合わせたらしいなぁ!」


 村長は木の棒を投げ捨て、右手で握りこぶしを作ってメアリーに向けて思いっきり振り下ろす。

 何度も何度も右の拳を下からえぐってみぞおちに入れられ何の抵抗も出来ず、必死で痛みをこらえようと歯を食いしばっているメアリーだった。

 アタシは頭にきて村長をぶっ飛ばしてやろうと思い透明化したまま近付いたその時、村長はメアリーの髪の毛を引っ張り上げ、耳元で小さく呟いた。


「いいことを教えてやろう。お前の家に火を放ったのはワシらじゃよ

 この村で村長になり好き勝手にするのにお前の父は目障りじゃったからのう

 だがお前だけしぶとく生き残りおって、死ぬ迄こき使ってやるわい

 お前がこの事を他の者に言いふらしたところで

 残念ながらこの村でお前の言う事など誰も聞かんわいガハハハッ!!」


 メアリーは事実を聞かされ愕然としていた。誰が見ても彼女が強いショックを受けたのは明らかだった。唇は開いたまま硬直し、眼を盛んにしばたたかせて、喜怒哀楽のどれにも属さない表情を見せた。


「そんな …… どうして、あんなに優しかったお父さん…お母さんを…よ…くも!」


 メアリーはギロリと怒りのあまりに睨み潰そうとでもしているかのように、忌ま忌ましげな表情で村長を見た。


「お前…このワシに向かってなんだその目は!」


 村長が木の棒を振り下ろした。…がメアリーの怒りの感情にペンダントが喜びに打ち震えているかの様な強い光りを放ち力強く輝き出し、木の棒とメアリーの間に半透明な盾の様な形の何かが展開されていた。


「ちょっと?何なのよコレは?」


【村人メアリーの装備しているペンダントの特別な力の導きによりEXスキル『エアクイックシールドLv1』を覚醒させた事を確認しました 】


「ま…眩しいっ…なっ何じゃこりゃ??」


「絶対に許さない……」


 あまりの眩しさに距離を取った村長を睨みつつ

 先程投げ捨てられた木の棒を拾い、メアリーは怒りに満ちた表情でジリジリと村長に近づいていたが透明化していた魚がメアリーの前に突然現れ足を止めさせた。


「メアリーちゃん!こんなバーコード頭の為にわざわざ貴方が手を汚す必要無いわ」


 ピシッと村長は自分の意思とは別の力で気をつけの姿勢 を取らされた。


「うわっ?何じゃどうなっとる体が動かんぞ?」


 念力サイコキネシスで村長を木の板へ貼り付けてクルクル回転してやったわ。人間ルーレットの刑よ!


「バッチリ聞いたわよ〜!アンタがこのの両親の仇って事を!アンタの家も村も同じ様に跡形無く燃やしてあげるわ」


 炎念力パイロキネシスLv3で納屋を燃やすと

 炎は直ぐに燃え広がり、村長の服にもジワジワと煙がついて一気に燃えた。


「ふ…服が燃える!熱い熱い熱い熱い熱い熱い!

 誰かーっ水持って来い!」


「アンタ馬鹿なの?

 ここにそんな物あるわけないでしょ〜っ!

 でもほら、ちょっとくさいけど火を消すのにいい所あるわよね?火を消したければあそこに飛び込んだらどうかしらん♪」


「クッソー!!」


 念力サイコキネシスを解くと、村長は走り出し、自ら肥溜めに飛び込んで行った。


 いいわね彼、クッソーとか言いながら肥溜めに飛び込んで行ったわね。彼こそがまさに真のウンコマンね!


 村々を燃やし尽くしてやろうと思ったのだけどメアリーがそれは駄目だというので納屋だけ燃やして村を後にしたのだけど

 本当にこれでよかったのかしらね〜?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る