第31話 朝食
朝、
メアリーを起こして二階の店へ向かうとちょうど獣人達が食事をとっていたので一緒にテーブルを囲んで話を聞く事にした。魔物の子供達はまだ怪我が酷く動ける状態では無いのでまだ眠っているらしい
一応、ミンジュンの指示で孤児のユニとジルが看病に当たってくれているそうだ。
獣人達のリーダーと思われる鼠人族のギジが今までの経緯を説明してくれた。
「オデ達はここから北西にある山脈に住んでいる獣人………いつものように狩に出ていると偶然、怪我している魔物の子供見つけタ……彼らは山賊に拉致され、捕まっていたが隙を見て奴等のアジトから逃げ出したそうダ……」
なるほど彼らが魔物の子供を保護してこの近辺まで連れて来てくれたのね〜
ガラガラガラガラーッ
一階から昇降機が上がって来てカシャっと扉が開くと、車椅子の少女セシリーが朝食を食べにやって来た。メアリーがササッと椅子を隣のテーブルへとよけるとセシリーは彼女に一礼して更に彼女の手を握りキラキラした目で彼女を見つめた。
「メアリーさん! やっぱりアナタは私にとっての憧れであり目標ですーっ! どうか私もお供につけていただきたく思います。」
「セシリアさんは受付の仕事やってますよね? あそこがいなくなったらみんなが困ってしまうので ダメでしょう」
そこへミンジュン達が朝食を運んで来た。
他の孤児達は木製の配膳車を使って持って来てくれた。っていうかいつの間にそんな物を購入したのよ?
「先生、メアリーさん、夜は大変でしたね」
「ホント大変だったのよー でもまだあの魔物の子供達からは何も聞けて無いのよね、この件もまた何か変な組織絡みっぽいわよ〜」
「そういえば守備団長のハインツさん達が言っていたのですが裏山で悲鳴が聞こえたって報告を受けて調査に行ったそうなのですが見つかったのは血痕やボロボロの衣類のみだったそうです。しかもその衣類がどうも最近国境付近で暴れ回っている山賊団と同じ物だとか?」
へえ〜山賊団ねぇヤツらもこの町のオーブを狙っていたりするのかしら?
「そんな事より先生、コレすんごく美味しいですよ。 やっぱり私、ミンジュンさんの料理が大好きですーっ!」
アラッ確かに美味しいソーセージね、あとバゲットも焼きたてでチーズを乗せて食べると最高にイケるわねーっ♪ それにメアリーが大好きなのは料理じゃなくて彼本人なんじゃなくって?
もちろんメアリー自身には自覚は無いだろうけどね
「いやぁメアリーさんにそんなに喜んで貰えて嬉しいです。」
偶然、孤児達の手に出来た無数のアザが目に付いた。 何かしら?
「ねぇミンジュン、その子達ってもしかして戦ったりとかもするの?」
「ああ、彼等の中にも冒険者になりたいって頼み込んで来た子がいたので一応カイラが暇を見つけて彼らに色々教えてくれているみたいですよ。彼等もこの間の勇者とその仲間達の活躍を耳にしているそうですしね。」
そこへ鼠人族のギジがジロジロとミンジュンを見ているわね、まぁそりゃ気になるか勇者様が目の前にいるんだものね。
「おーいミンジュン腹減ったよ」
カイラがいきなり皆の目の前に現れた。
転移魔法ってヤツかしら?
カイラは目の前のテーブルに置かれているパンを2、3個持って厨房へと走っていった?
「カイラさんきっとスープ取りに行ったんですよ。
私ももらいに行ってこよっと」
「そういえばセシリー昨日アナタが調べてくれた
例のお化け屋敷の件なんだけどアタシとメアリーちゃん、そしてあと出来ればカイラも連れて行きたいのだけど?」
「えっカイラさんって確かここのギルドマスターですよね。 ギルマスが直々に行かれるのですか?」
いやぁ別に彼まだ何もしてないわよ顔を立てる為というかやっぱり貴族の息子だからギルマスに選んだってだけなのだけど
「何〜っどうしたのオレがカッコいいって?」
スープとコーヒー、パンが乗ったトレイを持ってカイラが厨房から戻って来た。
「違うのよ〜 今晩お化け屋敷の件を調べに行くからアンタもついて来てくれないかしらって話♪」
イヤそうな顔をされたがミンジュンがやんわりと頼み込んでくれたおかげでカイラはOKしてくれたわ
「ギルマス、幽霊退治にはアレが必要では?」
セシリーは孤児のベルに頼んで一階奥の倉庫から銀のダガーを数本持って来てもらった。
おおーっ!流石はセシリーね! この車椅子娘は何でこんなに有能なのかしら?
「銀のダガーがレイス系……つまり実体を持たない悪霊系の魔物に有効なのですよ……まぁそれ以外の手段があれば問題無いんですけど」
「どういう事なのかしら?」
「例えばオレのような魔法騎士もしくは魔法師や聖職者などをパーティに用意するって事だよ。」
じゃアタシの
コレはギルマスのカイラにしっかり頑張って貰わないとね〜
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