第2話 ちょっと近くを探索してみると……

 そうと決まれば楽しい冒険の開始〜 レッツだゴーよ〜!……アレ?……何かしら紫色の霧?…何よ!

何よ何よちっとも前が見えないじゃないのーっ!

海の底で霧が現れる現象なんてあるか?


 突然、横から大きな水竜が口を開けて現れた。

その瞬間バグっ!!と鋭く尖った歯で胴体を食いちぎられ、あまりにも一瞬の出来事に状況を理解する前に意識を失った。


 そ…そんなぁ降ってわいた第二の人生。いや、魚生をエンジョイする前に一瞬で終わっ……たじゃないのよ。 もし…事前に察知出来てたら…嗚呼……もうダメ意識が…



《 確認しました。新たな能力— 【探知】《ディテクション》 — Lv1を獲得に成功しました》


 んっ……何だ?どうやらまた生き返ったのか

 第3の人生なのかしら?

 いや違うぞ! コレは生き残れたんだわ


 なるほどね! 自動回復セルフリカバリーLv2で食いちぎられた所を自動的に時間をかけて少しずつ修復、回復させていったわけね。お陰でSPがもう殆ど残って無いわ。コレはマズイわね今魔物に襲われでもしたら戦えやしないわ。

 何とかSP回復の手段を見つけないと…

 前世の柔道3段だったアタシなら

 よっしゃー かかって来いやー!なんてどんな喧嘩でも行っちゃうんだろうけど……

 残念ながらアタシは今お魚なので、手も足も出ないので今の状況じゃ戦いようが無いのよね? 困ったわねー

 さっきのでかい水竜とかパニック映画とかに出て来るようなデカイ人喰いサメとか放射能を浴びて変貌した生物とか正直、そんな巨大な魔物と戦って勝てる確率は限りなく0%に近い。

 よし、まずはこの念話テレパス Lv2で友好関係を築いてみようかしら。とりあえずは挨拶よね〜と思って近くに漂っているアンコウみたいなのに

 声をかけるとビクっと反応して直ぐに猛スピードで逃げて行った。気を取り直して他の生物にも声をかけてみるが皆ものすごいスピードで離れて行く?

 ええーっ? みんなそ…そういう反応なのね〜

 ちょっと誰かー!もしもーし!



 カチャ!! カチャ!!


 ん…何かしらどこからともなく何か音が聞こえるけどこれは何処から?

 突然、海の底がら骸骨がムクっと起き上がりコチラを見ている。気になるので鑑定アプレイズLv2でステータスオープン♪


———————————————————————


 名称 なし

 種族 スケルトン


 Lv1


 HP30 MP20 SP10


 攻撃20 防御9 速さ7


 装備

 錆びた剣


 スキル

 念話Lv1、剣技Lv1、再生Lv1


 進化:条件を満たしていません



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 どれ、ついでにその持っている錆びた剣も鑑定してみるかな?


 【鑑定結果:錆びた鉄の剣:300年程前にヴァールシュタット王国の騎士アーヴァインが愛用していた剣】


 ふーん アーヴァインってのがこの骸骨の名前なのかしらね


(先程から頭の中に響いて来る声はオマエか)


 うわぁ骸骨が念話して来た〜っ?

 ってイヤイヤ〜アタシもコイツの事言えないわね

 だってお魚だし〜


(そ…そうよええと貴方はどちら様かしらね)


(分からないのだ。何故か思い出せぬのだ?)


 えっ? 記憶喪失とか?


(貴方はここで何をしているのかしら)


(うむ、何か昔の記憶を取り戻す手がかりを探しておるのだよ、オマエは?)


(アタシはうーん……そうね旅をしているのよ

 あと一人じゃ寂しいので仲間になってくれるコを探しているかな。)


(それは何故?)


(貴方だって1人じゃ大変な探し物だって仲間がいれば協力し合って何とかなるかもしれないでしょう)


(おお、確かにそうだな!我も協力してくれる仲間が欲しいぞ! よし、今から仲間を見つけてくるのでさらばだ!)


(えっ??)


 骸骨は海の底をまるでスプリンターのようにシュバババっと走り去っていった。

 そのあり得ない光景に笑いがこみ上げて来た。

 なんだか面白いヤツだったわね〜

 次に見かけた時には名前教えてやろうかしら?

 でもまぁ何というかあの骸骨のおかげでここが間違いなく異世界だと分かったわ。

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