第20話 魔物の大群
アタシが店でのんびりコーヒーを飲んでリラックスタイムを満喫しているとカイラが帰って来た。その表情は疲れ切っているのがみてとれる。彼は気落ちしたような吐息をつき、どっかと椅子に腰を下ろしてしばし押し黙った。
カイラは親や領主、そして他の貴族達にギルドの設立、運営を認めてもらおうとしたのだが誰も首を縦に振らなかったそうで結局ダメだったらしい。
「お魚先生、疲労困憊のオレにも
「メアリーちゃんと町の外に出て行ったわ。何か彼女に勇者の魔法を教えるとか何とか言ってたわよ」
「勇者の魔法………何だそれ??」
◇
— 町の外すぐ近くの草原 —
「よし、やっと拳1つ分だけ硬く出来るようになりました。」
「うーん難しいかぁ?」
メアリーに
《 必要条件 が揃った事によりレア
何とここで突然、 — 拳による打撃基礎取得 — と — 硬化魔法学習 — という条件が揃いメアリーはレア
「やったー! 偶然、新しい
「ええ? 何で? しかも魔法じゃ無くて
とその時、アタシの
《 - Caution! - 町の中に
《 - Caution! - 魔物の大群がこの街へと近づいている事を確認しました。》
魔物の大群って何??
どういう事よ??
「先生?どうしたんだ」
「た…大変よもうすぐ魔物供がこの町に、押し寄せて来るそうよ!」
「何だって?」
カイラも魔法を使い魔物の群れがこちらに向かっている事を知り青ざめた表情でアタシを見つめて来た。
「これはまずいぞ! ロッペンハイマーの守備兵50名だけでこの数はしのげるかどうか? イヤそれよりもミンジュン達がまだ町の外にいる」
カイラは心配そうな表情で大きな水晶を持って来た。その水晶の前に座り手を伸ばし、右、左に動かすとそこにミンジュン達のいる草原が写っているのだ。
なんだかまるで監視モニターみたいね?
( ええと—— メアリーちゃん——ミンジュン君—— ちょっとーっ! 聞こえるかしら?—— )
(アレレっ先生の声が頭の中で聞こえてくるなんだこれ?)
(アタシの能力 《スキル》"念話" を使って話してんの〜っ 緊急事態なのよ! 魔物供の大群がこの町に押し寄せて来るので早く戻って来なさい。)
ミンジュンは
「確かにいますね。ボク達がいる草原から400メートル程先にゾロゾロと魔物供がこちらに向かってます。」
「ミンジュンさん急いで店に戻りましょう」
「まずい! 足の速い魔物が数匹もうすぐここにたどり着いてしまう! メアリーさん、前にボクが渡したペンダント少しの間だけ返してくれる?」
「えっ…あっ…ハイどうぞ??」
「ありがとうございます」
メアリーから勇者のペンダントを受け取り強く握り出し、スッと目を閉じた。まるで何かに祈るように………するとミンジュンの声に呼応するようにペンダントは光り輝き出した。それはまるで勇者としての力を欲する彼の声に応えている様だったメアリーの首からミンジュンの手のひらの元へと戻り、彼の腕に絡みついて少しずつ形状を変えていきやがてブレスレットへと変わって勇者の剣、勇者の盾そして勇者の服を具現化した。
「オレは勇者イ・ミンジュン—————たとえ何があろうともその真実だけは変わらない!」
アラっいつものミンジュンとはまるで別人のようね? 髪の色が銀髪になり、表情もいつものニコニコした優しさが滲み出る感じではなく何というか「甘さ」が抜けている感じがするわ。
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