第19話 メアリーの修行の成果?

あの魔女っ子婆さんがギルド設立を提案してから1か月が過ぎた。



カイラは領主や貴族達を説得する為、数日前に出かけて行っちゃったしメアリーはカエナとサジを連れて町の外に出てレベル上げに行ったらしいので今店にはアタシとミンジュンしかいないのよね。


「ねぇミンジュン君は元の世界に帰りたいとは思わないの?」


「最初、勇者を始めた頃は故郷に帰りたいって思った事はありましたよ。正直言って当時はコレじゃ無い感でいっぱいでしたけど今はみんなといて楽しいですね。……もし冒険者ギルドを作る事が出来たなら今後このお店がどの様になっていくのか楽しみでもあるし」



「あらそう、そりゃ良いんじゃないかしら」


「先生はどうなんですか?メアリーさんの事とか?」


「えっ!メアリーちゃんの事?……ウーンそうねー彼女にはこれからドンドン自分の道を頑張って切り開いて行って欲しいわね。彼女の冒険はまだ始まったばかりなのでね」


「カイラもメアリーさんがもし学校アカデミアに通う事になれば学費は協力したいと言ってくれているしボクも彼と同じくこの店を成功させて彼女の協力したいとと思っています。」



「おおっさすが貴族の息子!」


「あっそういえばこないだカイラが言っていたのですがメアリーさんが住んでいたカルロー村なんですが取り壊しになるそうですよ。今後どうするのかまた村長達の処罰はどうするのかまだ分からないけど」


「アラそうなの? 一生牢獄にでも入れとけば」


ミンジュンとコーヒーを飲みながらメアリーの話をしているとヨハンとボミエがドアを開けて入って来た。


「おやおや休憩中じゃったかな?」


「ちわーっすまた何か美味いモノ作ってくれニャー」


「あらヨハン爺とボミエさんご機嫌様♪」


ミンジュンはアタシに会釈してからスッと席を離れて厨房に入り、何かゴソゴソし出した。おっもしかして何か作ってくれるのかしら?



「そういえばアンタ達、前にウチのメアリーちゃんがアンタらに剣術、魔法を教わるとか言っていたけど?」



「イヤー実はその話なのじゃがのう………その何というか」


「メアリーはモノ覚えが悪いし不器用過ぎるニャ

アレでは無理ニャー!」


前にヨハンとボミエはメアリーに剣術、魔法を教えたが要領が悪いらしく才能無しと判断されたようだ

まぁ無理もないわね。そりゃ今まで村の奴らが嫌がる単純作業しかさせて貰えずロクな教育も受けて無いのだからさあ覚えろったって一体どう覚えていいのか分からないんじゃないかしら?


おっミンジュンが2人のコーヒー、紅茶とサンドイッチを持って来てくれた。あらー いいわね美味しそうじゃないの………ってアタシのは無いの?



「そうですかメアリーさんはそんなに才能が無い感じですかね………まあ相性というのもあるのかもしれないですし………」


「うんアレは才能ゼロだニャ」


「正直ワシはあまりこんな事は言いたく無いのじゃがのう」


「もしよかったらボクにも一つメアリーさんに教えてみたい勇者の魔法があるのですが?」



「技がどうとかよりもきっと彼女の覚え方に何か問題あるんじゃないのかしら?」



その後メアリーが帰って来て部屋に戻り、ミンジュンが魔法を教えたがっている話をすると彼女はベッドの上で飛び跳ねる様な勢いで喜びはしゃいだ。


「それは楽しみですねー!是非教えて欲しいです。」


何よ?何よ?随分と興奮しているわねー!

っていうか顔が近いし何でそんなに目キラキラさせてんのよ? そんなにミンジュンが良いのかしら?


「ところで今日のレベル上げはどうだったの?

あの2人と上手くやれたの?」


「ハイっ実はもう既に何日も行ってるんですけど

最初はスライムとか山鼠、カラス等の弱い魔物供と戦ってある程度レベルを上げてからコボルトやゴブリンと戦いましたよ。それにしてもあの2人の戦術は凄かったですよ。その後も武道の型とか色々教わり濃密な1日でした。」


メアリーは2人から教わりずっと稽古しているという型を見せ始めた。


ふーん空手かしら? どうやら武道を教わったみたいね……まぁこの娘にしては随分様になってるんじゃないの? よく覚えられたわね。


「メアリーちゃん2人の教え方はどうだったの?」


「ハイっすごく分かりやすかったです。2人も最初にお館様って人から教わった通りに教えてくれたそうなんでエヘヘ」


2人はその後、あの魔女っ子婆さんのもとへ帰って行ったとか……

ウーンやっぱり教え方なのかなぁ

あの童2人を育てたお館様って人がどんな人物なのかちょっと気になるのよね?

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